2024/03/09

🟧KMバイオロジクスが5種混合ワクチンの出荷を始める 4月から定期接種の乳幼児向け

 熊本市の製薬会社KMバイオロジクスは5日、4月から定期接種となる乳幼児向け「5種混合ワクチン」の出荷を始めました。百日ぜき、ジフテリア、破傷風、ポリオ予防の従来の4種混合ワクチンに、インフルエンザ菌b型(ヒブ)のワクチンを加えたもの。昨年9月に厚生労働省から製造販売の承認を得ていました。

 接種対象年齢は、生後2カ月~7歳半。これまで4種混合とヒブのワクチンは別々に打っており、子供1人に計8回の接種が必要でした。4種混合になると計4回ですみ、負担を軽減できます。

 5日、大津町のKMバイオロジクス配送センターで、約14万本のワクチン(1人ぶん0・5ミリリットル)が入った段ボールを担当者が保管場所から次々に運び出しました。運送会社のトラックが関東、関西方面に向けて出発しました。

 5種混合ワクチンはKMバイオロジクスのほか、田辺三菱製薬(大阪市)と阪大微生物病研究会(大阪府吹田市)が共同開発しました。2020年度の4種混合ワクチンの国内接種対象人数は約338万人。KMバイオロジクスは出荷予定量を明らかにしていません。

 2024年3月9日(土)

2024/03/08

🟧全国の新型コロナ患者数4週連続減少 インフルエンザ患者数も3週連続減少

 厚生労働省によりますと、2月26日から3月3日までの1週間に全国約5000の定点医療機関から報告された新型コロナウイルスの患者数は前の週から4636人減って、3万4488人になりました。

 また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は6・99人で、前の週の0・88倍になりました。前の週から減少が続くのは、4週連続となります。

 都道府県別では多い順に、宮城県が13・16人、新潟県が12・93人、山形県が12・33人、岩手県が11・07人、石川県が10・31人などとなっています。東京都は4・66人、愛知県は8・71人、大阪府は4・79人、福岡県は5・27人でした。42の都道府県で前の週より減少しています。

 3月3日までの1週間に、全国約500の定点医療機関から報告された新たに入院した患者の数は2390人で、前の週と比べて410人の減少でした。集中治療室(ICU)に入院している患者数は119人で、前の週と比べて24人の減少でした。

 厚労省は全国の流行状況について、「全国的に減少傾向が続き、冬の感染のピークはすぎたと考えられる。ただし、感染の拡大は繰り返すので、引き続き感染対策を行ってほしい」としています。

 また、国立感染症研究所などによりますと、2月26日から3月3日までの1週間に全国約5000カ所の医療機関から報告された季節性インフルエンザの患者数は、前の週より1万3858人少ない6万8883人だったということです。

 1医療機関当たりでは全国で13・96人と前の週よりも2・8人減り、3週連続の減少となりました。

 都道府県ごとでみてみますと、1医療機関当たりの患者数は、北海道が27・35人、石川県が24・85人、山形県が20・49人、長崎県が18・83人、新潟県が18・27人などとなっています。

 こうしたデータを基に推計されるこの1週間の全国の患者数は約42万1000人で、昨年9月4日以降の累積の患者数は約1589万6000人と推計されています。

 また、直近5週間に検出されたウイルスを分析すると「B型」のインフルエンザが63%で、最も多くなっているということです。

 休校や学年・学級閉鎖は全国で計2141校で、前週の3297校から1156校減りました。

 日本感染症学会のインフルエンザ委員会で委員長を務める倉敷中央病院の石田直副院長は、「インフルエンザは減少が続いているが、新型コロナの流行以前と比べるととても緩やかな減り方だ。これまでであれば3月から4月にかけて急速に減ってゼロに近付くイメージだったが、いまだに『注意報レベル』に相当する定点当たり『10』を超える水準で、まだ流行状態にあるといえる。一度、感染した人も含めて感染対策には十分に注意してほしい」と話していました。

 2024年3月8日(金)

2024/03/07

🟧昨年から続くエルニーニョ現象、観測史上5位以内の強さ 世界気象機関が発表

 世界気象機関(WMO)は5日、昨年12月にピークを迎えたエルニーニョ現象は、観測史上5位に入る強さだったとし、5月までの気温は平年を上回る可能性が高いとの見通しを発表しました。

 現在のエルニーニョ現象は昨年6月に発生し、その影響は11月から今年1月にかけて最大となり、東部・中部太平洋熱帯域の平均海面水温は1991〜2020年の平均値を最高で約2度上回りました。

 WMOによると、エルニーニョ現象は徐々に弱まりつつありますが、温室効果ガスによって大気中に熱がこもり、影響は今後数カ月間続くとみられています。

 WMOは、「3〜5月の平均気温は、ほぼすべての陸地で平年値を上回る」と予測しています。さらに、3〜5月にかけてエルニーニョ現象が続く可能性は約60%、4〜6月にかけて平常となる可能性は80%としました。

 一方、今年後半にはラニーニャ現象が発生する可能性もあるものの、現時点ではその確率は不明だといいます。

 2024年3月7日(木)

2024/03/06

🟧ヨーロッパ各国で「オウム病」急増 5人死亡、多数が入院

 ヨーロッパ各国で細菌感染症の「オウム病」の症例が、昨年から今年にかけて急増しています。世界保健機関(WHO)は5日、これまでに5人が死亡したと発表しました。

 オウム病は、野鳥やペットの鳥に感染する細菌のオウム病クラミジアを原因とする疾患。感染した鳥に症状がなくても、呼吸や糞(ふん)を通じて人に感染することがあります。

 アメリカ疾病対策センターによると、人には鳥の分泌物が混じった埃(ほこり)を吸い込んだり、鳥にかまれたり、くちばしと口で接触するなどして感染します。人から人に感染する可能性はあるものの、極めてまれだといいます。

 感染すると、5~14日で頭痛、筋肉痛、せき、発熱、悪寒などの症状が現れます。抗生剤で治療でき、人が死に至ることは極めてまれ。

 WHOによれば、今回はペットの鳥や野鳥を通じて感染した症例が大多数を占めています。

 オーストリアでは2023年に14例が確認され、今年は3月4日までにさらに4例が確認されました。人から人への感染は確認されていません。いずれも海外への渡航歴はなく、野鳥とも接触していませんでした。

 デンマークでは2月27日までに23例が確認されました。実際の数はもっと多いと保健当局はみています。感染者のうち17人は入院して15人が肺炎になり、4人が死亡しました。

 ドイツでは2023年に14例、今年に入って5例を確認。ほぼ全員が肺炎を発症し、16人が入院しました。

 スウェーデンでは11月~12月にかけて症例が急増して26例になり、今年に入って13例を確認しました。

 オランダは昨年12月下旬から今年2月29日にかけて確認された症例が21例に上り、前年に比べて倍増。全員が入院し、1人が死亡しました。

 関係国は発生源を特定する調査などを実施。WHOは現時点で深刻なリスクとして評価していないものの、状況監視を続けるとしています。

 2024年3月6日(水)

2024/03/05

🟧大正製薬、内臓脂肪減少薬「アライ」を4月に発売 国内で初めて

 大正製薬は4日、4月8日に内臓脂肪を減らす市販薬「アライ」(一般名・オルリスタット)を全国で発売すると発表しました。内臓脂肪を減らす薬は国内で初めて。薬局で薬剤師が対面販売する要指導医薬品として、医師の処方箋がなくても一定の条件を満たしていれば買えます。食事で取り入れた脂肪の約25%を吸収せずに排出します。

 アライは飲み薬で、脂肪の分解・吸収を抑え、便と一緒に排出します。日本人の臨床試験では、生活習慣の改善に取り組みながら1日3回、約1年間にわたり服用した人は、内臓脂肪の面積が約21・5%、腹囲が約4・7センチ減少しました。

 対象者は18歳以上の健康障害がない成人で、腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上。運動など生活習慣の改善に取り組んでいる場合に限ります。購入前に対象となるか判断するためのチェックシートに記入し、薬剤師の確認を受ける必要があります。

 価格は18カプセル(6日分)で2530円、90カプセル(30日分)で8800円。1日3回、1カプセルを服用します。油分を便として排出するため、副作用として下痢や軟便、油漏れなどの消化器症状が想定されます。

 2023年2月17日に医療用医薬品をへずに最初から市販薬として扱う「ダイレクトOTC」として製造販売承認を得ました。薬の有効成分「オルリスタット」は諸外国では市販薬として承認されています。

 2024年3月5日(火)

2024/03/04

🟧世界初の生体肺肝同時移植手術に成功 京都大病院で10歳未満の男児に両親と祖父が提供

 京都大医学部付属病院は4日、世界で初めて、生体の肺と肝臓を1人の患者に同時に移植する手術を実施し、成功したと発表しました。先天性の疾患がある関東在住の10歳未満の男児に、両親の肺、祖父の肝臓のそれぞれ一部を移植しました。手術は2023年11月15日に行われ、男児は3月1日に退院しました。

 同病院によると、海外では脳死患者から提供された肺と肝臓の同時移植は少数ながら行われています。日本は海外と比べて脳死による臓器提供が少ない現状があり、脳死でも実施事例がありませんでした。生きている健康な人が提供者となる同時移植は世界初で、同病院は「新しい治療の可能性を広げた意義は大きい」としています。

 男児は、染色体の異常が原因で、全身の臓器などに影響が出る「先天性角化(かくか)不全症」の患者。根治療法はなく、国内の重症患者数は約200人とされます。

 男児は2歳で血液細胞が減少する再生不良性貧血になったため、4歳の時に妹から骨髄移植を受けました。しかし、その後に肺や肝臓の疾患も発症し、移植が必要になりました。

 手術は、父親(40歳代)の右肺の一部、母親(40歳代)の左肺の一部、祖父(60歳代)の肝臓の一部をそれぞれ移植。4つの手術室を使い、医師ら約30人が参加して、約18時間かかりました。両親と祖父は、すでに社会復帰しているといいます。

 男児の両親は病院を通じ、「当初はもう打つ手はないものと絶望的な気持ちで、(移植手術は)唯一の希望でした。今回の移植を機に、これまで移植をあきらめるしかなく、何もできないもどかしさや絶望感を抱えている患者さんや親族の方の一筋の光になればうれしいと考えております」とコメントしました。

 2024年3月4日(月)

🟧アステラス製薬、更年期障害薬の日本での最終段階の治験を開始

 アステラス製薬は4日、更年期障害向け治療薬「フェゾリネタント」について、日本で臨床試験(治験)の最終段階に当たる「第3相治験」を始めたと発表しました。治験の結果を踏まえて、日本でも承認を申請する方針です。

 フェゾリネタントは、女性の閉経に伴って現れる、顔のほてりやのぼせなど「ホットフラッシュ」と呼ばれる症状を治療する経口薬。2023年5月に承認を取得したアメリカでは、「ベオーザ」の製品名で販売を始めています。

 更年期障害の症状に対して、エストロゲン製剤を用いたホルモン補充療法が行われることもあるものの、乳がんや血栓症の発症リスクを高める可能性が指摘されています。これに対して、初の非ホルモン治療薬としてアメリカで承認されたのがフェゾリネタントで、日本でも更年期障害の治療に向けた新たな選択肢となる可能性があります。

 アステラス製薬は同薬のピーク時の売上高を最大5000億円と見込み、注力製品の一つと位置付けています。アメリカのほか、ヨーロッパでも2023年12月に承認を取得しています。

 2024年3月4日(月)

🟧神戸徳洲会病院、カテーテル治療後に死亡の10件は「医療事故に該当せず」 患者死亡問題で見解公表

 神戸徳洲会病院(神戸市垂水区)で入院患者が相次いで死亡した問題で、同病院は15日までに、カテーテル治療後に死亡した事例など10件について、外部の専門家を交えた院内検証の結果、医療事故には該当しなかったとの見解をホームページで公表しました。  同病院では、患者死亡事例など15件...