2024/05/29

🟧2023年度、赤ちゃんポストに9人預け入れ 理由は「生活困窮」が最多

 熊本市の慈恵病院が運営する「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)について、運用を検証する熊本市の専門部会が、昨年度(2023年度)後半の運用体制について報告しました。また、昨年度1年間に「ゆりかご」に預けられた子供の数も公表しました。

 慈恵病院では、親が育てられない乳幼児を匿名でも預かる「こうのとりのゆりかご」、いわゆる「赤ちゃんポスト」を運営しています。

 一方、熊本市では外部有識者による専門部会を設置して、半年ごとに「ゆりかご」の運用状況を検証しています。

 5月29日は、この専門部会が2023年10月から2024年3月末の運用状況について検証した結果が「熊本市要保護児童対策地域協議会代表者会議」で報告されました。

 報告では、この期間の「ゆりかご」の運用体制について、「刑法上の明らかな違法性は認められない」と判断しました。

 2023年度の1年間に預けられた子供は9人だったと報告されました。2007年の運用開始以来、累計は179人。

 9人は、生後1カ月未満の「新生児」が7人と最も多く、このうち4人が生後7日未満の「早期新生児」でした。残る2人は、生後1カ月以上1年未満の「乳児」と、生後1年から就学前の「幼児」がそれぞれ1人でした。

 なお9人のうち8人には、親からの手紙などが添えられていました。

 後から親が病院側に接触するなどして、居住地がわかった5人のうち、関東と中部がそれぞれ2人、熊本県内が1人でした。

 出産した場所がわかった7人のうち、4人が自宅で出産していていて、ゆりかごに預けた理由としては「生活困窮」が6人と最も多く、母親などの厳しい状況が垣間見えます。

 熊本県と熊本市、さらに慈恵病院が設置する窓口には、2023年度の1年間で合わせて4273件の相談が寄せられ、前年度(3866件)と比べて407件増えています。

 相談内容では、「思い掛けない妊娠」が1162件と最も多く、「妊娠や避妊に関する相談」が1037件、「出産や養育についての相談」が928件と続きました。

 報告を受けて熊本市の大西一史市長は、「孤立出産や出産直後の長距離移動に伴う母子の生命の危険などの課題は、依然として残されている」と指摘した上で、「子供たちの大切な命と権利を社会全体で守り、課題を抱える方々を孤立させることがないよう、国に要望するとともに、全国の自治体とも連携して取り組んでいく」とコメントしました。

 2024年5月29日(水)

2024/05/28

🟧PFAS、千葉県鎌ケ谷市の井戸水から目標値の最大240倍の濃度検出

 有機フッ素化合物の「PFAS(ピーファス)」のうち、有害性が指摘されている2つの物質について、千葉県鎌ケ谷市の井戸水から国の暫定目標値の最大240倍の濃度が検出され、市などが原因を調べています。

 有機フッ素化合物の「PFAS」の一種、「PFOS(ピーフォス)」と「PFOA(ピーフォア)」の2つの物質は有害性が指摘され、国内で製造や輸入が禁止されています。

 千葉県内では、柏市と白井市の境を流れる川や周辺の井戸などで、2つの物質を合わせた濃度が国の暫定目標値の1リットル当たり50ナノグラムを上回って検出されています。

 こうした状況を受けて2つの市に隣接する鎌ケ谷市では川の上流部に当たる海上自衛隊下総航空基地に近い軽井沢地区で、4月、17本の井戸の調査を行ったところ、このうち7本の井戸の水から1リットル当たり130ナノグラムから1万2000ナノグラムと、国の目標値の2・6倍から240倍に上る濃度が検出されたということです。

 市によりますと、一部の井戸水はふだん飲み水として利用されていますが、これまでのところ体調の異変に関する情報は寄せられておらず、市は調査の結果を周知し、今後は飲まないよう呼び掛けています。

 また、市は今後、範囲を広げて追加調査を行い、県などと連携して原因の特定を目指すとしています。

 2024年5月28日(火)

2024/05/27

🟧エーザイの認知症治療薬「レカネマブ」、韓国で承認 4カ国目

 エーザイは27日、アメリカのバイオジェンと共同開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ(商品名レケンビ)」について、韓国食品医薬品安全処(MFDS)から製造販売の承認を得たと発表しました。承認はアメリカ、日本、中国に続き4カ国目。

 2024年10〜12月中の発売を見込んでいます。まずは保険外市場での発売を予定し、価格はアメリカと日本の薬価を踏まえてエーザイが決めます。

 エーザイによると、韓国での65歳以上の認知症患者は2021年で約90万人と推計されます。認知症患者1人当たりの年間の平均介護費・医療費は2110万ウォン(約240万円)といいます。

 レカネマブはアルツハイマー病の症状の進行を抑える効果を科学的に証明した世界で初めての薬で、早期のアルツハイマー型認知症患者を対象としており、臨床試験では症状悪化を27%抑える効果が認められました。

 エーザイは、ヨーロッパ連合(EU)やイギリスなど13の国と地域で承認申請しています。

 2024年5月27日(月)

2024/05/26

🟧新型コロナ感染者、2週連続で増える 沖縄県が全国最多

 厚生労働省は24日、全国に約5000ある定点医療機関に13~19日に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数は計1万6230人で、1定点当たり3・28人だったと発表しました。前週(2・76人)の約1・19倍で、2週連続で増加しました。昨年の同時期は1定点当たり3・56人でした。

 都道府県別の最多は沖縄県の13・43人で、北海道5・30人、鹿児島4・73人と続きました。少なかったのは香川県1・32人、福井県1・59人、滋賀県1・83人などでした。東京都2・78人、愛知県3・15人、大阪府2・32人、福岡県2・78人でした。38都道府県で増加しました。

 19日までの1週間に定点医療機関に報告された新規入院患者数は1323人で、前週(1152人)から171人増加。集中治療室(ICU)に入院した患者は59人で、前週(44人)から15人増えました。

 2024年5月26日(日)

2024/05/24

🟧胎児に奇形の恐れある薬を服用して性交渉、女性が妊娠 多発性骨髄腫の治療薬「レブラミド」で初事例

 厚生労働省は23日、胎児に奇形を引き起こす恐れのある薬を服用した男性が避妊をせず性交渉をし、相手の女性が妊娠した事例があったと明らかにしました。この薬はがんの一種、多発性骨髄腫の治療薬「レブラミド」。かつて薬害を引き起こした「サリドマイド」に類似することから、服用手順が厳格に管理され、これまで妊娠事例は確認されていませんでした。有識者検討会で報告しました。

 男性は服用前の化学療法の際に、医師から生殖能力が失われる可能性があると説明され、妊娠しないと誤解したといいます。出産に至ったかどうかは公表していません。

 今回の事例を踏まえ厚労省は14日「深刻な事態を生じかねない重大な問題」として、男性患者の避妊を徹底するよう医療機関向けに通知しました。

 レブラミドは2010年7月に販売開始。サルの実験で胎児の奇形が確認され、妊婦の服用は禁止されています。

 2024年5月24日(金)

2024/05/23

🟧マダニ感染症、長崎市の80歳代女性死亡 長崎県内今年初、経路わからず

 長崎市に住む80歳代の女性がマダニが媒介するウイルスの感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」にかかり、5月17日に死亡していたことがわかりました。

 マダニは、例年、春から秋にかけて活動が活発になるため、長崎市は草むらなどに入る際には肌の露出を少なくするなど注意するよう呼び掛けています。

 マダニが媒介するウイルスの感染症SFTSにかかり死亡したのは、長崎市に住む80歳代の女性です。

 市の発表によりますと、この女性は5月15日から発熱などの症状が出て翌日から入院していましたが、5月17日に死亡したということです。

 その後、女性の血液を調べたところマダニが媒介するSFTSを引き起こすウイルスに感染していたことがわかりました。ダニに刺された痕は見付からず、感染経路は不明。

 医療機関からSFTS患者の死亡報告があったのは、長崎県内で今年初めて。長崎市内での感染確認は今年3件目。県内では12日までに6件が確認されています。 

 マダニは、例年、春から秋にかけて活動が活発になるため、長崎市では草むらや薮などマダニが多く生息する場所に入る際には、肌の露出を少なくすることや屋外で活動した後は、マダニにかまれていないか確認をすることなど注意を呼び掛けています。

 2024年5月23日(木)

2024/05/22

🟧食パン「超熟」に混入のクマネズミ、工場外の巣穴から侵入か 製造ラインの再開時期は未定

 敷島製パンの食パン「超熟」に異物が混入していた問題で、専門事業者の鑑定の結果、混入していたのは「クマネズミ」の子供だったことがわかりました。

 名古屋市に本社を置く敷島製パンが「パスコ東京多摩工場」で生産した「超熟山型5枚スライス」に異物が混入していた問題で、21日に敷島製パンは専門事業者の鑑定の結果、混入していたのは体長約6センチのクマネズミの子供だったと発表しました。

 敷島製パンによりますと、4月末の定期点検ではなかった巣穴が工場の外で見付かり、そこから侵入したネズミが焼く前の生地に混入したとみられるということです。

 敷島製パンは該当の製造ラインを休止し清掃・殺菌したほか、巣穴と工場建屋の隙間をふさいで、新たに監視カメラ12台を設置するなどの再発防止策をとりました。

 問題が起きた製造ラインは稼働を停止しており、再開時期は未定といいます。

 同社は、同工場で生産された「超熟」シリーズの一部商品約10万4000個の自主回収を進めています。問い合わせは、専用フリーダイヤル(0120・001・781)へ。

 2024年5月22日(水)

🟩大阪市のダイキン工業従業員らから高濃度PFAS検出、肺疾患と関連か 医師らのチームが健康調査

 発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」を含む製品を作っていた工場の元従業員らの健康調査をした医師らのチームが23日、大阪市内で記者会見を開き、元従業員ら5人の血液からPFASの代表的な物質「PFOA(ピーフォア)」を高濃度で検出したと明らかにしました。...