2025/01/13

🟧東京女子医科大学の元理事長を背任容疑で逮捕、新校舎工事で1億1700万円不正支出 一部を私的流用か

 国内有数の私立医大、東京女子医科大学(東京都新宿区)の新校舎建設工事を巡り、同大に約1億1700万円を不正に支出させたとして、警視庁は13日、同大元理事長の岩本絹子容疑者(78)(江戸川区東葛西)を背任容疑で逮捕しました。同庁は、資金の一部を自身に還流させて私的に使ったとみて、事件の全容解明を進めます。

 職員への不正給与疑惑や子女枠推薦入試での寄付金受領など、同大を巡る一連の問題は、元トップが逮捕される事態に発展しました。

 発表によると、岩本容疑者は2018年7月~2020年2月、同大河田町キャンパス(新宿区)の新校舎2棟の建設工事を巡り、同大の非常勤職員の肩書を持つ一級建築士の男性(68)がコンサルティング業務を行っていないにもかかわらず、「建築アドバイザー報酬」名目で現金計約1億1700万円を21回にわたり、男性名義の口座に送金させ、同大に損害を与えた疑い。

 警視庁は昨年3月、岩本容疑者の側近だった元職員が同窓会組織「至誠会」から約2000万円の給与を不正に受け取った疑いがあるとして、一般社団法人法の特別背任容疑で、同大本部や岩本容疑者の自宅など十数カ所を一斉捜索。押収資料の分析や、関係者への事情聴取を進めてきました。

 警視庁の捜索後に設置された同大の第三者委員会は昨年8月、調査報告書を公表し、岩本容疑者側に大学資金が不正に還流した可能性を指摘しました。報告書で「金銭に対する強い執着心があった」と批判された岩本容疑者は同月、同大の全役職から解任されていました。

 2025年1月13日(月)

2025/01/12

🟧千葉県銚子市の鳥インフルエンザ陽性、41万羽を殺処分へ 今季2例目

 千葉県は12日、高病原性鳥インフルエンザの疑いがあった銚子市の養鶏場の採卵鶏について、遺伝子検査で陽性が判明したと発表しました。県は同日、自衛隊に災害派遣を要請しました。養鶏場で飼育されている約41万羽の殺処分や消毒などの防疫措置を進めます。今季、県内での鳥インフルエンザ発生は昨年10月の香取市の事例に続き2例目。

 県畜産課によると、感染拡大防止のため、半径10キロ圏内にある養鶏場など55カ所で飼育する計約527万羽の移動や搬出を制限しました。

 県は12日午前に対策本部会議を開き、熊谷俊人知事は「本県養鶏業への影響を最小限に抑える必要があり、まん延防止に万全を期すように」と関係部署に指示しました。

 県は自衛隊、地元自治体などと連携し、16日までの殺処分完了を目指します。11日午後に養鶏場から県東部家畜保健衛生所に「鶏の死亡羽数が増加している」と通報があり、12日に遺伝子検査を行いました。

 2025年1月12日(日)

2025/01/11

🟧介護事業者の倒産、昨年172社で過去最多に  人手不足や物価高騰、報酬改定が影響か

 2024年に倒産した介護事業者は計172社と前の年から1・4倍増え、介護保険制度が始まった2000年以降で最多となったことが9日、東京商工リサーチ(東京都千代田区)の調査でわかりました。人手不足や物価高騰に加え、2024年度の介護報酬改定で一部サービスの公定価格が引き下げられたことが影響したとみられます。

 負債額1000万円以上の倒産を同社が集計しました。サービスの種類では、ヘルパーが高齢者の自宅で入浴介助や調理などを行う訪問介護が81社と約半数を占めました。デイサービスやショートステイ(短期入所)は56社、有料老人ホームは18社、ほかに認知症グループホームなどで17社でした。

 訪問介護を巡っては、厚生労働省が2024年度の報酬改定で、ヘルパーの賃上げ分を事業所に支給する「処遇改善加算」を増額した一方、光熱水費などの運営費に充てる単価を引き下げました。

 規模別でみると、約8割は従業員数10人未満の事業者で、小規模なほど経営が苦しい実態が浮かび上がります。同社の後藤賢治課長は「地方の介護は、規模の比較的小さい事業者で支えられている。サービスの空白地域を作らないためにも、国は事業者同士の協働化や再編を後押しする必要がある」と話しています。

 厚労省の調査(2023年10月現在)では、全国で介護サービスを行う事業所は、訪問介護は3万6905カ所、デイサービスは2万4577カ所あります。事業者が倒産したとしても、他の事業者が代わりにサービスを提供できることから利用者への影響は限定的とみられます。

 2025年1月10日(金)

2025/01/10

🟧春節による移動で日本への影響懸念 中国で拡大の「ヒトメタニューモウイルス感染症」

 呼吸器感染症の「ヒトメタニューモウイルス(hMPV)感染症」は、国内外で例年患者報告がある疾患で、風邪に似た軽い症状ですむことが多いものの、人によっては重症化リスクを伴います。ワクチンや特効薬が存在しないのも特徴です。流行が伝えられる中国では1月28日から春節(旧正月)に伴う大型連休を迎え、延べ90億人の国内移動が見込まれます。各国への渡航も予想され、日本への影響が懸念されます。

 hMPVは2001年にオランダで発見されたウイルスで、実際は従来から存在したものだといいます。患者の飛沫(ひまつ)や接触感染で広がり、多くの国で乳幼児を中心に冬から春に流行します。

 日本ではhMPVが感染症法上の届け出対象となっていないため、詳しい感染者数は明らかではありません。ただ、新型コロナウイルス禍による感染対策の強化などで、近年は流行が抑えられてきたともいわれます。

 「国外からウイルスが持ち込まれれば、感染拡大の恐れはある」と指摘するのは、東京都や神奈川県内で診療を行う「ナビタスクリニック」小児科統括部長の高橋謙造医師。

 高橋氏によると、hMPVへの感染は生後6カ月ごろからみられるようになり、大半の人が小児期に感染を経験すると考えられています。ただ1度の感染では十分な免疫を獲得できず、何度も感染を繰り返しながら、軽症化していくといいます。ここのところ流行が抑制されてきた影響で、十分な免疫を獲得できていない層が国内に存在することも想定されます。

 初期症状はせきや発熱などで、大半の人は軽症ですむとされるものの、乳幼児は「熱が長引く印象だ」と高橋氏。同じく風邪症状が出るRSウイルスは3〜4日で解熱することが多いのに対し、hMPVは37〜39度台の熱が5日程度続く人が目立ち、しつこいせきに悩まされる患者も少なくありません。高齢者や基礎疾患を持つ人などはまれに重症化し、気管支炎や肺炎で入院が必要になることもあるといいます。

 高橋氏は「hMPV感染症にワクチンや特効薬はないが、感染しても多くの場合は軽症で対症療法により回復に向かう」と説明し、過度に不安になることはないとしながらも、「手洗いやアルコール消毒など基本的な感染対策で予防に努めてほしい」と語りました。

 2025年1月10日(金)

2025/01/09

🟧インフルエンザ患者数、現行の統計開始以降で最多に

 昨年12月29日までに全国の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は1医療機関当たり64・39人で、現在の方法で統計を取り始めた1999年以降、最も多くなっています。43の都道府県で「警報レベル」の30人を超え、すべての都道府県で前の週より増加しています。

 国立感染症研究所などによりますと、昨年12月23日から29日までの1週間に全国約5000カ所の定点医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は31万7812人で、前の週より10万人余り増えました。

 1医療機関当たりでは64・39人と前の週より21・73人増えて、現在の方法で統計を取り始めた1999年以降、最も多くなっています。

 都道府県別にみますと、大分県が最も多く104・84人、次いで鹿児島県で96・4人、佐賀県で94・36人、熊本県で92・56人、宮崎県で90・24人などとなっているほか、愛知県で82・35人、大阪府で67・53人、東京都で56・52人となっていて、43の都道府県で「警報レベル」の30人を超えました。少なかったのは、沖縄県24・3人、富山県26・9人、山形県27・6人。

 また、すべての都道府県で前の週から増加しています。

 データをもとに推計されるこの1週間の全国の患者数は、約258万5000人となり、9月2日以降の今シーズンの累積の患者数は約593万7000人と推計されています。

 厚生労働省は手洗いやマスクの着用など、感染対策の徹底を呼び掛けています。

 2025年1月9日(木)

2025/01/08

🟧岐阜県の特別養護老人ホームでインフルエンザ集団感染 計31人が感染、90歳代女性が死亡

 岐阜県は7日、加茂郡の特別養護老人ホームで、入所者と職員計31人がインフルエンザに感染する集団感染が発生し、90歳代の女性入所者が死亡したと発表しました。同日午後5時時点で19人に症状があり、うち入所者6人が入院しています。

 県内でインフルエンザの集団感染により死亡者が発生したのは、2018年2月以来。県は昨年12月26日に「インフルエンザ警報」を発表しており、県民に向けて感染予防対策を講じるよう呼び掛けています。

 県高齢福祉課によると、女性は昨年12月30日に発熱し、医療機関でインフルエンザと診断されました。いったん症状が落ち着いたものの、今年1月5日に食欲が低下して入院。同日にインフルエンザの重症化により死亡しました。

 施設はさらなる感染拡大を防ごうと、面会の中止や入所者の移動・交流の縮小、マスク着用の徹底などを続けており、県と可茂保健所が連携して指導を続けています。

 県内では昨年末にインフルの感染者数が急増。県感染症対策推進課は年明けも医療機関からの新規感染者の報告が多い状況が続いているとし「学校が始業すると感染者がさらに増える可能性もある。今後より十分に注意してもらいたい」として、こまめな手洗いの励行や外出する際のマスク着用などを呼び掛けています。

 2025年1月8日(水)

2025/01/07

🟧アメリカ、鳥インフルエンザで初の死者 基礎疾患抱えた高齢者

 アメリカ南部ルイジアナ州の保健当局は6日、鳥インフルエンザに関連する人間の死亡例をアメリカで初めて報告しました。死亡した患者は65歳以上の高齢者で基礎疾患があり、一般の人々へのリスクは依然「低い」としています。

 この患者は少なくとも昨年12月中旬から同州で入院しており、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)ウイルスによるアメリカ初の深刻な人への感染例として、アメリカ疾病対策センター(CDC)が公表していました。

 州保健局は、「一般市民に対する公衆衛生上のリスクは依然低いが、鳥類、家禽(かきん)類、乳牛と接触する仕事の従事者や、娯楽目的でそれらに接触する場合はリスクが高い」と警告。

 声明によると、死亡した患者は「商業用ではない庭で飼育されていた鳥と野鳥の両方に接触した後、H5N1に感染した」ものの、州内で他の人への感染例や、人-人感染が起きた証拠は見付かっていません。

 鳥インフルエンザ対応について一部から批判を受けているジョー・バイデン政権は数日前、H5N1監視プログラムと研究強化のために3億600万ドル(約400億円)の追加予算を割り当てました。

 動物や人間の間を循環している鳥インフルエンザウイルスは、感染力がより強い形に変異する可能性があることから、致命的なパンデミック(世界的な流行)を引き起こす恐れがあるとして、科学者らは警戒しています。

 CDCによると、昨年はカリフォルニア州やルイジアナ州など10州で66人の感染が報告されています。

 2025年1月7日(火)

🟩温暖化が妊婦の健康に影響 日本はリスク高まる「暑い日」が15日増、アメリカ機関分析

 アメリカの気候研究機関クライメート・セントラルは、地球温暖化の影響で、早産など妊娠にかかわる健康リスクが高まる暑い日が世界的に増えており、日本では年平均で15日増加したとする分析結果をまとめました。都道府県別では、最多は沖縄県の36日増で、続く東京都が28日増、鹿児島県が22...