2025/05/23

🟩リンゴ病報告数が基準値超える、京都市で初の警報 

 京都市は22日、伝染性紅斑(リンゴ病)の報告数が基準値を超えたとして、警報を出しました。警報は集計が始まった1999年以来初めて。また京都府も同日、初めて府内全域に警報を出し、感染防止を呼び掛けています。

 リンゴ病は、両頬に赤い発疹ができ、微熱やせきなどの症状が出ます。主に10歳未満を中心とした感染症ですが、成人もかかります。せきやくしゃみ、接触で感染し、発疹の7~10日前に微熱などの風邪症状が現れ、最も感染力が高くなります。予防するワクチンや薬はなく、妊婦の場合は胎児にも感染し、流産の恐れなどがあります。

 京都市によると、市内の医療機関の報告数が、5月12〜18日の1週間で基準値の2を超えて2・55となり、51人が発症しました。直近の5年間で感染者はほとんどいなかったといいます。市は「風邪症状がある場合は手洗いやマスクを心掛け、体調管理をしてほしい」としています。

 府によると、乙訓、南丹保健所管内でも基準に達しました。

 2025年5月23日(金)

2025/05/22

🟩国内最高齢114歳の女性2人、相次いで死去 新たな最高齢は大分県中津市の114歳女性に

 厚生労働省は21日、国内最高齢だった114歳の女性2人が20〜21日に相次いで亡くなったと発表しました。

 発表によると、愛知県幸田町の近藤ミネさん(1910年9月1日生まれ)が20日に死亡し、それに伴い最高齢となった静岡県小山町の臼井ますさん(同年12月18日生まれ)が21日に亡くなりました。臼井さんの死去により、同じ114歳の大分県中津市の広安美代子さん(1911年1月23日生まれ)が最高齢になりました。

 中津市の奥塚正典市長は、「毎年の敬老訪問でお会いした際には笑顔で話をして元気をいただいています。ますますお元気でお過ごしいただきたい」とコメントしています。

 2025年5月22日(木)

2025/05/21

🟩アメリカFDA、新型コロナワクチン接種を65歳以上・高リスク者に限定へ

 アメリカ食品医薬品局(FDA)は20日、新型コロナウイルスワクチンの追加接種を65歳以上、または深刻な基礎疾患がある人に制限する方針を示しました。65歳未満で基礎疾患のない個人に関しては、ワクチンを製造する製薬会社に新たな臨床試験の実施を義務付けるとしています。

 FDAのマーティン・マカリー局長とビナヤク・プラサド氏は、「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」誌への寄稿で、この政策転換は「エビデンスに基づいた」ものと位置付け、アメリカをヨーロッパの指針に近付けると主張しています。

 アメリカではワクチン懐疑論者のロバート・F・ケネディ・ジュニア保健福祉長官が、連邦公衆衛生政策の改革を推進しています。

 ケネディ氏は以前、予防接種プログラムを批判する非営利団体を率い、新型コロナの感染拡大時期には、頻度としてはまれなものの、ワクチン接種後に心筋炎や心膜炎などを発症することを理由に、新型コロナワクチンの承認を取り消すようFDAに要請していました。

 マカリー氏とプラサド氏は、初期の新型コロナワクチン接種は「科学・医学・規制上の成果」だと称賛する一方、低リスクの個人へのワクチン追加接種の利点は不確実だと主張。年齢や健康状態に関係なく、すべての成人に追加接種を推奨したアメリカの手法は、国民の信頼を築くどころか裏目に出て、麻疹(はしか)など、子供向けの予防接種に対するワクチン懐疑論を助長したとしています。

 FDAは、65歳以上、または生後6カ月以上で基礎疾患が少なくとも一つある場合の追加接種については、臨床試験を基に承認。生後6カ月から64歳までの健康な個人への接種に関しては、無作為化臨床試験のデータを要求するとしています。

 FDAは一方で、新たな枠組みの下で追加接種を受けられなくなるかもしれないとの懸念を払拭(ふっしょく)するため、疾病対策センター(CDC)のリスク要因の定義は「広範囲で、肥満や、うつ病などの精神疾患も含まれる」として、1億人から2億人のアメリカ国民が依然として追加接種の資格を得られる可能性があると指摘しています。

 2025年5月21日(水)

2025/05/20

🟩WHO年次総会開幕、「パンデミック条約」採択へ アメリカ脱退を受けた対応も協議

 世界保健機関(WHO)の年次総会が、19日からスイスで始まりました。会期中には、感染症対策の強化のための新たな国際条約「パンデミック条約」が採択される見通しであるほか、最大の資金拠出国 アメリカの脱退表明を受けた対応についても協議される予定です。

 WHOの年次総会は19日午前、日本時間の夕方、本部のあるスイス・ジュネーブの国連ヨーロッパ本部で始まりました。

 今回の総会では、総会2日目となる20日に、新型コロナウイルスの感染拡大の教訓を踏まえ、WHOの加盟国が交渉を行ってきた新たな国際条約「パンデミック条約」が正式に採択される見通しです。

 また総会では、アメリカの脱退表明を受けて、当初の予算案から11億ドル、日本円で約1600億円削減しました、2026年からのWHOの2年間の予算案についても審議されます。

 このほか、各国がWHOに拠出している分担金の額を引き上げるかどうかも協議される予定です。

 初日は各国の閣僚などが演説を行い、このうち開催国スイスの代表は「世界が危機に直面する中、国際社会の連帯はこれまで以上に重要だ。WHOへの全面的な支援を確認する必要がある」と述べ、WHOへの支持を訴えました。

 総会は27日まで開かれ、最大の資金拠出国であるアメリカが脱退を表明する中、世界の感染症対策などの強化に向け各国が一致できるかが焦点です。

 WHOのテドロス・アダノム事務局長は、年次総会で演説し、最大の資金拠出国・アメリカの脱退表明を受けた財政難に対応するため、全体の活動予算を削減すると同時に各国に加えて民間からも新たな支援を募り、財源を増やす考えを示しました。

 その上で「大規模な構造改革によって現在の危機から抜け出すことができれば、WHOはより強固で、より独立した組織になることができる。私たちは世界の80億人に奉仕するためにいるのだ」と述べ、各国に対して支援を呼び掛けました。

 年次総会では、WHOに加盟していない台湾のオブザーバーとしての参加が審議されましたが、中国などの反対で認められませんでした。台湾の参加が認められなかったのは9年連続です。

 これについて中国外務省は19日、報道官の談話を発表し「台湾は自国の一部だ」とする主張を繰り返した上で「台湾の民進党当局がかたくなに『台湾独立』の立場を堅持していることが招いた結果だ」などとしています。

 一方、台湾外交部は、外交関係を持つ国々が台湾のオブザーバー参加を提案するとともに、日本やオーストラリア、それにヨーロッパ諸国などが事前に支持を表明したとして謝意を示し「中国による不当な妨害が国際社会に広く理解されず支持されていないことを十分に証明している」と強調しました。

 2025年5月20日(火)

2025/05/19

🟩国内初の「献便施設」、山形県鶴岡市にオープン 難病治療薬の開発を目指す

 健康な人の便に含まれる腸内細菌を集め、難病治療薬開発に活用する国内初の「献便(けんべん)施設」が山形県鶴岡市にオープンしました。山海の幸に恵まれた食文化が腸内細菌の多様性を生んでいるといい、便の提供を募るのに最適な場所として同市が選ばれました。

 4月24日にオープンしたのは、医療・創薬を行う新興企業メタジェンセラピューティクスの運営する施設「つるおか献便ルーム」。同市覚岸寺の鶴岡サイエンスパーク内に設置されました。

 同社によると、人の腸内には、約1000種類、40兆個以上の細菌が生息しています。腸内細菌のバランスが乱れると、さまざまな病気の発症に影響します。すでに、健康な人の便に含まれる「腸内細菌叢(そう)」を疾患を持つ患者に移植し、腸内環境を変える治療法が確立されています。同社は、2020年に腸内細菌移植の研究を行っている順天堂大や慶応大、東京科学大のチームらで創業。集めた腸内細菌で、難病の「潰瘍性大腸炎」の治療薬開発を行います。

 献便ルームは約70平方メートル。専用のトイレが3カ所あり、提供者は便器内の専用ボックスに便をします。その便から腸内細菌を抽出した溶液を作り冷凍。川崎市内の施設に運び、創薬に活用します。同社の計画では、2026年に日本とアメリカで治験を始め、2032年にカプセルの飲み薬として承認を目指します。

 鶴岡市は食物繊維が豊富に含まれている山菜などが各家庭で親しまれ、ユネスコ食文化創造都市に登録されています。こうした食生活は健康な腸内細菌の素地となることから、同社は献便ルームの設置場所として鶴岡市を選んだといいます。

 献便を行う「腸内細菌ドナー(提供者)」の対象は、18〜65歳の庄内地域に住む健康な人。専用アプリで健康チェックを行い、荘内病院(同市)での問診や血液・便検査などを経て、医師が適格と判断すると提供者として認定されます。一度不適格とされても、健康な食生活を続けることで適格となる可能性もあり、地域住民の健康意識向上も期待できるとしています。

 提供者は献便の3日前から酒や生ものなどの飲食が禁じられ、3カ月ごとに検査を受けて資格を更新する必要があるものの、献便1回当たり3000〜5000円の協力金が準備されています。

 応募者のうち、提供者として適格と判断されるのは1割程度。2025年は約100人の提供者の確保を目指します。

 同社の中原拓社長は、「便由来の薬は国内にはなく、我々がトップランナーとして進めている。最高のうんちから、最高の薬が生まれると思い、この地を選んだ。ぜひ皆さまにご協力いただきたい」と話しました。

 2025年5月19日(月)

2025/05/18

🟩無痛分べん、約120人に1人の割合で合併症 日本産婦人科医会が調査

 麻酔を使って陣痛を和らげる「無痛分べん」について全国調査したところ、約120人に1人の割合で母親が出血するなどの合併症が起きていたとする結果を日本産婦人科医会がまとめました。

 調査した専門家は、「通常のお産よりリスクが増えることを理解した上で、無痛分べんにするかどうか検討してほしい」としています。

 日本産婦人科医会は、全国1900余りの産科の医療機関を対象にアンケート調査し、2023年に417施設で実施された無痛分べん、合わせて5万3000件余りの合併症を分析しました。

その結果、無痛分べんに関連した処置で母親に出血や子宮が傷付くなどの合併症が起きたケースは454件と、約120人に1人の割合でした。

 このほか、麻酔が下半身以外にもかかってしまうなど、麻酔に関する合併症が38件、赤ちゃんが出血するなどの合併症が21件あったということです。

 調査を行った聖マリアンナ医科大学の長谷川潤一教授は、「無痛分べんは痛みが少なく希望する人は年々増えている。基本的には安全に行われていると思うが、通常のお産よりも医療の介入が増えるため、そのリスクを理解した上で無痛分べんを受けるかどうか検討してほしい」と話していました。

 2025年5月18日(日)

2025/05/17

🟩愛知県の岡崎市民病院、投薬量誤り70歳代男性死亡 1000万円の賠償支払いで遺族と和解へ

 愛知県の岡崎市民病院は、2023年6月に入院していた70歳代の男性が脳出血で死亡した原因に投薬ミスがあったとして、遺族に1000万円を賠償して和解することになったと発表しました。

 これは、岡崎市民病院が16日に会見を開いて明らかにしました。

 それによりますと、愛知県幸田町の70歳代の男性は、胆管がんなどと診断されて2023年5月下旬に入院しました。

 男性は脳梗塞を予防するための薬を服用していましたが、病院の検査で腎機能障害が認められ、出血が止まらない恐れがあることから、薬の量を半分にする必要がありました。

 ところが、治療を担当した30歳代の医師は通常の量の投与を続け、男性は入院からおよそ2週間後に脳出血を起こして死亡したということです。

 病院が調査した結果、医師は薬剤師などからも薬の量を減らすよう連絡を受けていたにもかかわらず、対応を怠っていたことも判明したということで、病院は投薬ミスがあったと認め、遺族に1000万円を賠償して和解することになったと発表しました。

 会見で岡崎市民病院の小林靖院長は「亡くなられた患者とご遺族に心より深くおわび申し上げます」と陳謝しました。

 2025年5月17日(土)

🟪18~39歳のがん患者、4割超が金銭的負担で生活に影響 国立がん研究センターが患者実態調査

 がん治療による金銭的な負担から生活に影響があった患者は、全体の2割に上るとの調査結果を国立がん研究センターがまとめました。中でも18〜39歳では4割を上回り、若年患者ほど治療が経済的に重くのしかかっている実態が浮き彫りになりました。  調査は、患者の実態を把握し、国のがん対策...