2025/11/10

🟥政府、自治体の検診情報をビッグデータ化して医療研究に活用へ 受診者もスマホで結果確認できるメリット

 厚生労働省は、市区町村が行う検診のデジタル化を進め、検査結果などを匿名化してデータベースに集約する事業に乗り出す。ビッグデータは大学や専門機関での医療研究に活用したい考えだ。住民側もスマートフォンで検診結果などを確認できるメリットがあり、受診率の向上も期待される。

 来年3月にも東京都千代田区や大阪府吹田市、宮崎県都城市など8市区町で、がんや歯周病など一部の検診を対象に実証事業を開始する。情報連携システムを構築し、自治体、医療機関、受診者の情報連携の検証を行い、2029年度には全国での実施を目指す。

 検診情報については、氏名などの個人情報がわからないように匿名化の処理をした上で、データベース化を進める。役所が持つ難病など公費負担医療の受診記録や予防接種の履歴などの情報と集約するほか、診療報酬明細書(レセプト)や特定健診などの情報を集めた別のデータベースとひもづけることも想定している。

 こうした医療情報を一元化することで、膨大なデータの分析が可能となる。大学や研究機関にデータを提供することで、病気の予防方法の発見などに結び付けたり、医療政策の立案に生かしたりする狙いがある。

 自治体の検診は、健康増進法に基づいて行われ、住民は低価格や無料で受けられる。現在は郵送などで受診券が届き、紙の問診票に記入する仕組みだ。

 デジタル化により、マイナンバーカードでの受診や、スマートフォンでの問診票入力が可能となる。マイナカードの専用サイト「マイナポータル」で検診結果を確認することもでき、住民側の利便性が高まることで、受診率の向上につながりそうだ。役所や医療機関は紙の資料送付といった作業の省力化を図ることができる。

 厚労省は2026年度予算の概算要求に24億円の関連費用を計上している。

 2025年11月10日(月)

2025/11/09

🟥アトピー角結膜炎、治療薬開発へ 富山大など世界初

 富山大、佐賀大、日大の研究グループは6日、アレルギー性結膜炎の一種「アトピー角結膜炎」の原因となるタンパク質を特定し、皮膚のかゆみに有効な既存の化合物が目の症状にも効果があることを突き止めたと発表した。アトピー角結膜炎はハウスダストなどが原因で、人口の20人に1人と患者が多くいる中、副作用が少なく、患部のみに作用する世界初の薬の開発につながる成果という。

 研究グループがアトピー角結膜炎を発症させたマウスを観察した結果、通常のマウスと比べると、皮膚のかゆみの原因物質として知られるタンパク質「ペリオスチン」が目に多く現れていることを確認した。

 さらに、アトピー性皮膚炎の治療薬として佐賀大などが開発中のペリオスチン阻害剤をマウスに点眼剤として投与したところ、目の炎症が抑えられた。マウスが後ろ足で目をかく動作も少なくなり、目のかゆみが消えたことがわかった。

 研究グループによると、花粉症を含むアレルギー性結膜炎の罹患(りかん)率は全人口の約45%で、慢性的なアトピー角結膜炎は5・3%。空気中の細かなほこりやダニが原因とされ、目に強いかゆみや異物感を伴って角膜を傷付け、悪化すると失明につながる場合もある。

 現在の治療薬としてはステロイド点眼薬と抗アレルギー性点眼薬があるものの副作用が課題で、特定の分子に作用する分子標的薬は存在しない。今後、研究グループは製薬企業と協力し、人への臨床を経て早期の新薬開発を目指す。

 2025年11月9日(日)

2025/11/08

🟥新型コロナ感染者、わずかに増加 1医療機関当たり2・28人

 厚生労働省は7日、全国約3000の定点医療機関から10月27日〜11月2日の1週間に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が8777人で、1医療機関当たり2・28人だったと発表した。前週比1・01倍で、前週まで6週連続で減少していたが微増した。

 都道府県別で1医療機関当たりの感染者数が最も多かったのは愛媛県の4・57人で、新潟県4・55人、宮城県4・09人と続いた。少なかったのは福井県1・00人、長崎県1・16人、福岡県1・24人などだった。

 2025年11月8日(土)

2025/11/07

🟥インフルエンザ流行、注意報レベルに 前週比2倍超、全国で増加

 厚生労働省は7日、全国約3000の定点医療機関から10月27日〜11月2日の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数が5万7424人だったと発表した。1医療機関当たりは14・90人で、注意報レベルとされる10人を上回った。前週比は2・37倍。すべての都道府県で増加した。

 昨季より1カ月程度早い10月3日に、今季の流行入りが発表されていた。都道府県別では、25都道府県で注意報レベルに達した。宮城県が最も多く28・58人。次いで、神奈川県28・47人、埼玉県27・91人、千葉県25・04人、北海道24・99人、沖縄県23・80人と続く。東京都は23・69人、愛知県は11・50人、大阪府は13・33人、福岡県8・47人だった。

 2025年11月7日(金)

2025/11/06

🟥人工透析を中止した末期患者、新たに緩和ケア病棟の対象に 厚労省が中医協で方針

 人工透析治療を中止した末期の腎不全の患者について、厚生労働省は5日の中央社会保険医療協議会(中医協、厚生労働相の諮問機関)で、がん患者らと同様に緩和ケア病棟の診療報酬上の対象にする方針を示した。患者の遺族らが対応を要望していた。

 2026年6月に予定される次期診療報酬改定で、緩和ケア病棟の入院料が算定対象に加えられる見通し。

 緩和ケアは、病気による心身の苦痛を和らげるもので、がん患者を中心に行われている。緩和ケア病棟に患者が入院した際、医療機関に支払われる診療報酬が手厚くなる対象も現在は、がんとエイズ(後天性免疫不全症候群)に限られている。他の病気の患者が入院した場合は、診療報酬の入院料が低く設定されており、医療機関が積極的に患者を受け入れない原因になっている。

 厚労省は、透析を中止した末期の腎不全患者について、末期のがん患者と同様に身体機能が急速に悪化し、呼吸困難や痛みなどの苦痛があるとして、緩和ケア充実の必要性があると説明した。

 腎不全は水分や老廃物を尿として排出する腎臓の機能が落ちる病気。進行すると、日本では多くの患者が血液中の毒素などを人工的に取り除く透析治療を受ける。病状の悪化や体力の問題で、透析を続けられなくなる場合もある。

 2025年11月6日(木)

2025/11/05

🟥温室効果ガス排出量、過去最多 2024年577億トン、対策急務

 国連環境計画(UNEP)は4日、2024年の世界の温室効果ガス排出量は前年から2・3%増えて過去最多となり、二酸化炭素(CO2)換算で577億トンだったとする報告書を公表した。産業革命前からの気温上昇を1・5度に抑える「パリ協定」の目標達成には遠く、対策を強化しなければ、今世紀中に最大で2・8度上昇するとした。

 パリ協定参加国がそれぞれ確約した2035年までの温室ガス削減目標(NDC)を達成しても、2・3~2・5度上昇すると予測。昨年からわずかに緩和しただけで「地球温暖化による人命や経済への被害を軽減するには、より迅速で大幅な排出削減が必要になる」と警鐘を鳴らした。アメリカがパリ協定から正式離脱すれば、約0・1度上乗せされる可能性もあるという。

 2024年の排出量が最も多かったのは中国で156億トン。アメリカ59億トン、インド44億トン、ヨーロッパ連合(EU)32億トン、ロシア26億トンと続いた。環境省によると、日本の排出量は2023年度で11億トン。

 2025年11月5日(水)

2025/11/04

🟥高齢者のうつと便秘が関連 順天堂大が研究

 高齢者のうつ症状とおなかの症状、特に便秘が関連していることを、順天堂大の研究チームが専門誌に発表した。このような関連を報告した研究は国内では初めてという。

 チームは順天堂東京江東高齢者医療センターの内科外来を受診した自分で歩ける65歳以上の男性427人、女性557人の計984人を対象に、腹部の症状を聞く質問票とうつ症状を評価する質問票に答えてもらい、関連の有無や強さを分析した。

 腹部の症状は、食べた物が胃から喉に戻る逆流、胃痛、胃もたれ、便秘、下痢の5項目あり、これとは別に便秘の重症度も評価した。また、うつ症状では軽度から重度と評価される人は38・7%を占めた。

 分析の結果、うつ症状はおなかの症状すべてと関連があり、関連の強い順に便秘、胃もたれ、下痢、逆流、胃痛だった。うつ症状が強いほど便秘が重症で、逆流、下痢の症状も悪化していた。

 チームによると、便秘は若年層では女性が多いが、60代以降は男性も急増し、70歳以上になると男女比はほぼ同じになる。心臓や脳血管、腎臓の病気や、筋力が衰えるサルコペニアや虚弱(フレイル)にも関連するとされる。うつ症状は生活の質を低下させ、食欲低下などを引き起こす。

 調査をまとめた同センターの浅岡大介教授(消化器内科)は、「うつや便秘は高齢者の健康長寿に影響を及ぼす。人生100年時代の日本で、高齢者のうつ症状や便秘の予防・対策の重要性が示された」と話している。

 2025年11月4日(火)

🟥みちのく記念病院の「みとり医」、自分の氏名わからず署名できず 青森県警、「しかるべき処分」の意見つけ書類送付

 2023年3月、青森県八戸市のみちのく記念病院で患者同士の殺人が起き、それを病院が 隠蔽(いんぺい)していた衝撃的な事件。県警は医師法違反(無診察治療)の疑いで同病院に勤務していた男性医師(86)の捜査書類を青森地検に送付し、起訴を求めない「しかるべき処分」の意見をつけた。一...