高齢者のうつ症状とおなかの症状、特に便秘が関連していることを、順天堂大の研究チームが専門誌に発表した。このような関連を報告した研究は国内では初めてという。
チームは順天堂東京江東高齢者医療センターの内科外来を受診した自分で歩ける65歳以上の男性427人、女性557人の計984人を対象に、腹部の症状を聞く質問票とうつ症状を評価する質問票に答えてもらい、関連の有無や強さを分析した。
腹部の症状は、食べた物が胃から喉に戻る逆流、胃痛、胃もたれ、便秘、下痢の5項目あり、これとは別に便秘の重症度も評価した。また、うつ症状では軽度から重度と評価される人は38・7%を占めた。
分析の結果、うつ症状はおなかの症状すべてと関連があり、関連の強い順に便秘、胃もたれ、下痢、逆流、胃痛だった。うつ症状が強いほど便秘が重症で、逆流、下痢の症状も悪化していた。
チームによると、便秘は若年層では女性が多いが、60代以降は男性も急増し、70歳以上になると男女比はほぼ同じになる。心臓や脳血管、腎臓の病気や、筋力が衰えるサルコペニアや虚弱(フレイル)にも関連するとされる。うつ症状は生活の質を低下させ、食欲低下などを引き起こす。
調査をまとめた同センターの浅岡大介教授(消化器内科)は、「うつや便秘は高齢者の健康長寿に影響を及ぼす。人生100年時代の日本で、高齢者のうつ症状や便秘の予防・対策の重要性が示された」と話している。
2025年11月4日(火)
0 件のコメント:
コメントを投稿