世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は、世界で確認された新型コロナウイルスの新規感染者数が過去2週間で30%近く増えたとして、感染対策を引き続き徹底するよう呼び掛けました。
WHOのテドロス事務局長は6日のジュネーブでの定例会見で、新型コロナウイルスについて、オミクロン型の「BA・4」と「BA・5」がヨーロッパやアメリカ大陸で主流となる中、世界で確認された1週間当たりの新規感染者数が2週間前に比べて30%近く増えたと述べました。
ただ、多くの国で検査態勢が縮小していることから、実際の感染者数はさらに多い可能性があるとしました。
また、ワクチンの接種は依然として、重症化や死亡のリスクを下げるのに有効だとしながらも、変異を続けるウイルスに対して効果が弱まっていることが、感染者数が増えている背景にあると指摘しました。
テドロス事務局長は「課題に立ち向かうには、世界レベル、国レベル、それに地域レベルでの行動が必要だ」と述べ、高齢者や医療従事者などへのワクチンの追加接種や、人の多い場所や換気の悪い室内でのマスク着用といった感染対策を引き続き徹底するよう呼び掛けました。
さらに、インドでは新しいオミクロン型の亜種が見付かり、調査しているということです。
アメリカ疾病対策センター(CDC)によりますと、7月2日現在、アメリカで新たに報告された新型コロナウイルスの感染者のうち、オミクロン型の「BA・5」の割合は53・6%、「BA・4」の割合は16・5%で、合わせて70%を超えました。
6月4日の時点では合わせて15・7%と推定されていて、この1カ月足らずの間に大幅に増えました。
1日に報告される新規感染者数は5月半ば以降、10万人前後で推移していますが、自宅で検査をして保健当局に報告しなかった人などを含めると感染者はさらに多いとみられています。
また、新たに入院した人の1週間平均も7月3日の時点で、6月の同じ時期に比べて14%ほど増えました。
アメリカ政府は秋以降、感染の波が再び起きる可能性があるとして、追加接種用のワクチンに「BA・4」や「BA・5」に対応する成分を加えるよう製薬会社に推奨しているほか、50歳以上の人に4回目の接種を呼び掛けるなど、警戒を強めています。
2022年7月7日(木)
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