新型コロナウイルス感染症による死者数が、流行の「第7波」で急増しています。1日当たりの死者数は1カ月で約7倍に増え、ほぼ連日200人台と、年明け以降の第6波に迫っています。各地の病床逼迫(ひっぱく)も深刻で、専門家は「第6波を超える可能性もある」と指摘しています。
厚生労働省によると、自治体公表の死者数は第6波さなかの2月22日に過去最多となる277人を記録。その後は減少に転じ、4月2日以降は100人を下回る日が4カ月近く続きました。10人未満の日もありました。
しかし、オミクロン型の派生型「BA・5」が広がり始め、感染者が6月末から急増。そ
の結果、死者は7月26日に再び100人を超え、8月9日に250人に達しました。15日は215人で、7月15日(31人)の約7倍に上り、第6波に迫る高水準となっています。さらに、16日の新たな死者は311人で、約半年ぶりに300人を超えて過去2番目に多くなりました。
オミクロン型を巡っては、重症化リスクの低さが指摘されています。ただ、厚労省の専門家組織は、同型の感染者に占める死亡者の割合は0・13%(2月時点)ほどで、季節性インフルエンザ(推計0・006~0・09%)を上回るとして、過小評価を戒めています。
専門家組織座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は、「病床使用の上昇や、医療従事者の感染による病棟閉鎖などで適切な医療が受けられず、死者が増えている」と分析し、「第6波を上回る可能性がある」と指摘。夏休み期間中も不織布マスク着用や3密回避、換気徹底などを継続することを呼び掛けています。
2022年8月16日(火)
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