世界保健機関(WHO)は17日までに、世界中で感染拡大が続いているウイルス感染症「サル痘」の新名称の公募を始めました。WHOは動物への偏見を避けるために名称変更を検討。報道官は動物福祉などの観点から、病名が不必要な悪影響や攻撃を引き起こすのを避けなければならないとしています。
サル痘はウイルスが1958年にデンマークで実験動物のサルから発見され命名されたものの、自然界の宿主はアフリカに生息する齧歯(げっし)類とみられています。WHOは2015年、偏見を避けるため動物や国・地域などの固有名詞を病名に付さないという指針を出しています。
サル痘は今年5月以降、従来継続的に流行していたアフリカ中西部以外で、感染が確認される例が続出。3万1000人を超す感染者と12人の死者が出ています。WHOは7月23日に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に相当すると宣言。WHOとして最高度の警告を発することで、各国に警戒を訴えています。
ブラジルでは8月に入って、サンパウロ州の自然保護区で、サルが故意に暴行を受けたり、毒を盛られたりする事件が報告されています。救助隊や活動家は、周辺地域でサル痘感染者が3人確認されたこととの関連を疑っています。
ウイルスは動物から人間に感染するものの、WHOの専門家は、最近の感染拡大は人間同士の濃厚接触が原因とみています。
WHOのファデラ・シャイーブ報道官は、「汚名を着せないような名前を強く望んでいる」と述べました。
2022年8月18日(木)
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