欧米を中心に感染が広がり続けているサル痘について、アメリカ政府は4日、国内の感染拡大に歯止めがかからないとして、「公衆衛生上の緊急事態」を宣言し、ワクチン接種の加速など、対策の強化に乗り出すことになりました。
アメリカ疾病対策センター(CDC)によりますと、8月4日の時点でアメリカで確認されたサル痘の感染者は7101人で世界で最も多くなっています。専門家は、感染しても症状が軽い場合もあることから、実際の感染者数ははるかに多い可能性があると指摘しています。
感染の拡大に歯止めがかからない状況を受け、アメリカ政府は4日、「公衆衛生上の緊急事態」を宣言し、さらなる対策に乗り出すことを発表しました。
ハビエル・ベセラ厚生長官は発表の中で「緊急事態宣言によって、サル痘への対応を強化し、加速することが可能になる」として、今後、データ収集の強化や必要な人がワクチンを接種できるよう、新たな戦略を模索するなどとしています。宣言の期間は90日間ですが、その後も更新が可能。
アメリカでは4日時点で、約110万回分のワクチンを各地に割り当て、このうち60万回分余りがすでに配布されましたが、ワクチンが足りず、接種できないというケースも起きています。
サル痘は7月、世界保健機関(WHO)が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した後も欧米を中心に広がり続け、CDCの4日時点のまとめで世界88の国と地域で2万6864人の感染が確認されています。
2022年8月5日(金)
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