2022/08/05

🟥ノババックスのコロナワクチン、副反応の頻度が低い 厚労省研究班が公表

 新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種で、ノババックスのワクチンを接種した人の、抗体や副反応についての分析結果を厚生労働省の研究班が初めて公表しました。免疫を増強する効果が確認されたほか、発熱などの副反応が起きた割合が、他社のワクチンに比べて低いといえる結果になったとしています。

 厚生労働省の研究班は、今年5月から接種が始まったノババックスのワクチンを3回目に接種した人、合わせて58人の変異する前の従来型ウイルスに対する抗体の値や、副反応を分析した結果を公表しました。

 このうち、抗体の値では、3回目を接種してから1カ月が経過した7人を対象に、接種する前と比較したところ、平均で31・9倍だったとしています。

 一方、副反応が起きた割合は、37度5分以上の発熱があった人は10・3%、全身のけん怠感は39・7%、頭痛は27・6%だったということです。

 研究班が調査したノババックス以外のワクチンの副反応の頻度のデータでは、37度5分以上の発熱があった人はファイザーで39・7%、モデルナで62・9%、全身のけん怠感はファイザーで69%、モデルナで75・6%、頭痛はファイザーで55・1%、モデルナで64・5%となっていることから、研究班は「統計学的にノババックスのワクチンは、他社のワクチンより副反応の頻度が低いといえる結果になった」としています。

 研究班の代表で、順天堂大学医学部の伊藤澄信特任教授は、「調査の母数が、まだ少ないものの、重症化予防などが期待される免疫の増強効果が確認された。季節性インフルエンザのワクチンと比べても、副反応の頻度は統計学的に、ほぼ同じ程度か、あるいは少し高い程度で、今後さらに数を集めて詳しく分析していきたい」と話しています。

 アメリカの製薬会社、ノババックスが開発した新型コロナウイルスワクチンは、「組換えタンパクワクチン」という種類です。遺伝子組み換え技術を使って、ウイルスの表面にある突起で、抗体が攻撃する際の目印となる「スパイクタンパク質」を人工的に作り出して接種します。

 ファイザーやモデルナの「mRNAワクチン」と、アストラゼネカの「ウイルスベクターワクチン」では、遺伝情報を伝達する物質や遺伝子を投与して、体内で新型コロナウイルスのスパイクタンパク質ができるようにして抗体を作るようにしていましたが、ノババックスのワクチンは、人工的に作ったスパイクタンパク質そのものを投与することで、免疫の反応を引き起こします。

 日本国内では武田薬品工業の山口県の工場で生産しており、今年1年間で、1億5000万回分が供給される契約になっています。

 公的な接種として、今年5月末に接種が開始され、2回目まではアストラゼネカのワクチンを打った人など、主に3回目の接種に使用されることが想定されています。

 接種できるのは、1回目と2回目接種では、12歳以上の人、3回目接種では18歳以上の人となっており、厚労省は、都道府県に対して接種会場を少なくとも1カ所は設置するよう求めています。

 2022年8月5日(金)

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