細かく砕いたプラスチックを水槽に入れて魚を飼育したところ、溶け出した化学物質が魚の体内に蓄積したとする研究成果を北海道大学と東京農工大学の共同研究チームが発表しました。
北海道大学の仲岡雅裕教授たちの研究チームは、海の生態系への影響が懸念されている大きさが5ミリ以下のマイクロプラスチックに含まれる化学物質が魚に与える影響を調べようと、水槽に100分の3ミリまで砕いたプラスチックを入れて、カジカの仲間やそのエサとなる「アミ」と呼ばれる甲殻類の一種を飼育する実験を行いました。
その結果、プラスチックを燃えにくくしたり劣化しにくくしたりするために添加された化学物質が、魚が食べたアミや飲み込んだ海水を通じて魚の筋肉などに実際に蓄積していたことが世界で初めて実証されたとしています。
マイクロプラスチックは、海に捨てられたプラスチックのごみが紫外線や波の力で細かく砕けたものですが、研究チームによりますとこれまで中に含まれている化学物質は溶け出しにくいとみられてきました。
研究チームはプラスチックが細かく砕かれたことで溶け出した可能性があるとみて、さらに詳しく調べたいとしており、仲岡教授は「私たちが食料としている水産資源に危険が迫っていることがわかった。ほかの魚でも調べて溶け出した化学物質が取り込まれるメカニズムを解明したい」と話しています。
2023年1月8日(日)
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