文部科学省は、小中学校や高校で今春開かれる卒業式と入学式に、子供が新型コロナウイルス対策のマスクを外しても出席できるよう感染対策を緩和する方針を固めました。政府は、新型コロナの感染症法上の位置付けを5月8日から「5類」に引き下げ、マスク着用を個人の判断に委ねる方針を決めており、これに沿う形で緩和します。学校現場が混乱しないよう、具体的に外せる場面などを示します。
文科省が学校に示す新型コロナの衛生管理マニュアルでは、「身体的距離が十分とれない時はマスクを着用すべきだ」と明記。卒業式については、マスク着用を含むせきエチケットを推奨しています。ただ、新型コロナの扱いを季節性インフルエンザと同等の5類に引き下げることから、マスク着用推奨を緩和するなどマニュアルが示す対応を変える見通しです。
政府が近く具体例を交えて公表するマスク着用緩和の全体方針案を踏まえ、文科省は今月中旬までに子供がマスクを着けなくても、卒業式などに出席できるようにする内容の通知を教育委員会などに出します。
ただ、学校現場にはマスク着用緩和に慎重意見も根強くあります。関係者によると、式典中に児童生徒同士が会話することはほとんどないものの、校歌や国歌の斉唱をノーマスクでした場合はリスクが高まります。イベントでの声出しはマスク着用が求められており、整理が必要になります。
また、コロナ感染で重症化リスクが高い基礎疾患を持っていたり、高齢の家族がいたりするなどのケースもあり、マスクを引き続き着用したい子供の妨げにならないよう配慮が必要になります。
政府は5類への移行に伴い、マスク着用について行政が一律にルールを設けず、屋内外を問わず個人の判断にゆだねる方針を決定。与野党から卒業式などからマスクに関するルールを緩和できるよう求める声が上がり、政府内で検討を進めていました。
2023年2月8日(水)
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