新型コロナウイルス禍で受け入れを停止していた海外クルーズ船が2日、東京国際クルーズターミナル(東京都江東区)に寄港しました。東京港に海外クルーズ船が寄港するのは3年4カ月ぶり。3月中には計6隻の海外クルーズ船が寄港する予定で、インバウンド(訪日外国人)による消費の本格化へ期待が高まります。
海外クルーズ船は、横浜港に寄港した船「ダイヤモンド・プリンセス」で新型コロナの集団感染が発生した3年前の2020年2月以降、国内での受け入れが停止されていましたが、1日、水際対策の緩和後、外国事業者の船として初めてドイツの会社「フェニックス・ライゼン」の「アマデア」(約2万9000トン)が、静岡市の清水港に入港しました。
そして2日午前8時ごろ、「アマデア」が東京湾に寄港し、乗客約500人が東京の地を踏みました。東京国際クルーズターミナル1階には、さまざまな目的地を巡るツアーバスが並び、乗客らはバスに乗って観光地へと向かいました。
ターミナルでは歓迎のセレモニーも開かれ、東京都の小池百合子知事は「この3年間、コロナという見えない敵と闘ってきましたが、アマデアをお迎えすることは大変うれしい。(東京の)さまざまな伝統、文化を乗客の皆さんに楽しんでいただきたい」と述べました。
東京国際クルーズターミナルが海外クルーズ船を受け入れるのは、2020年9月の開業以来初めて。大型化する海外クルーズ船の受け入れに向け、晴海客船ターミナル(東京都中央区)から置き換わる形で整備されたものの、コロナ禍の影響でこれまでの利用は国内船に限られていました。
4月以降も海外クルーズ船による予約が相次いでおり、従来の晴海客船ターミナルでは受け入れられなかった大型客船の寄港も予定されているといいます。東京都はクルーズ船の受け入れ体制を強化する方針で、2024年度中にも晴海客船ターミナルを再整備し、供用開始を目指します。
国土交通省によると、2023年の海外クルーズ船の寄港数は約1200回とコロナ禍前の6割程度の水準まで回復する見通し。
2023年3月3日(金)
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