国立感染症研究所によりますと、全国約3000の小児科の医療機関から報告された「ヘルパンギーナ」の患者の数は、7月2日までの1週間で合わせて2万360人で、1医療機関当たり6・48人でした。
これは過去10年で最も多かった前の週をさらに上回っています。
1医療機関当たりの患者数が「6」を上回ると警報レベルとされていますが、最も多い宮城県が15・85人で、三重県や鹿児島県、群馬県でも10人を上回るなど、25の都道府県で警報レベルを上回りました。
ヘルパンギーナは接触や飛沫(ひまつ)などによって感染します。38~40度の発熱と、口の中やのどに直径1~5ミリ程度の小さな水疱(すいほう)ができるのが特徴。乳幼児を中心に夏に流行し、のどの痛みで食べ物や飲み物がうまく飲み込めず、脱水症状を引き起こす場合もあります。
このほか、乳幼児に多い呼吸器疾患「RSウイルス感染症」の患者も増加傾向が続き、直近1週間の小児患者数は9981人、1医療機関当たりの患者数は3・17人と前年同期の約3倍に増えています。
RSウイルスは新生児や基礎疾患のある子供は重症化しやすく、気管支炎や肺炎を引き起こす恐れもあります。
日本小児科医会で感染症対策に携わる峯眞人理事は、「ヘルパンギーナは原因のウイルスが複数あり、今後も患者が増える可能性がある。これだけ急激に広がったウイルスはこれからも消えてなくなることはないので、マスクや手洗いなど基本的な対策をとってほしい」と話していました。
2023年7月11日(火)
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