塩野義製薬の新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」について、厚生労働省は処方が禁じられている妊婦への処方が新たに3人報告されたとして、全国の医療機関に注意喚起するよう都道府県に通知しました。通知は6月29日付け。処方する際に妊娠している可能性がないか入念に確認するよう求めています。
ゾコーバは、国内メーカー初のコロナ治療薬。軽症や中等症の患者向けの飲み薬として、昨年11月に緊急承認されました。動物実験で胎児の奇形が認められ、胎児への悪影響が出る恐れがあるため、妊婦や妊娠の可能性のある女性への処方は禁じられています。
塩野義製薬によると、昨年11月から今年5月までの市販後調査で、3人の妊婦への処方を確認。調査終了後、さらに3人の妊婦への処方が判明しました。妊娠や妊娠している可能性がある女性への処方を防ぐためのチェックリストが、処方時に使用されていない事例があったといいます。
厚労省は通知で、チェックリストを活用し、妊娠の可能性について、入念に説明、確認を行うよう医療機関や薬局への周知を求めました。塩野義製薬は、少しでも妊娠の可能性がある場合は医師や薬剤師に伝えてほしいと呼び掛けています。
塩野義製薬が厚労省の専門家部会に提出した資料によると、ゾコーバは昨年11月から今年5月までに推定約5万5000人が服用しました。
2023年7月1日(土)
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