プロ野球のDeNA・三嶋一輝投手が国指定の難病「黄色靱帯(じんたい)骨化症」を患い、昨年8月に受けた新術式「ナビゲーション支援マイクロウインドウ骨化切除術」が、「MISHIMA手術」の名称で12日にスイスの医学誌「Medicina(メディシーナ)」に承認され、同14日に掲載されました。
黄色靭帯骨化症は背骨付近の靭帯が骨化し神経を圧迫する難病で、従来は骨化した黄色靱帯を取り除くため、正常な骨の突起や靱帯部分を含めた背中の後部を縦50ミリ、横20ミリ切除していた手術を、手術箇所を3次元的に確認する医療システム「O‐armナビゲーション」を用いて縦13ミリ、横12ミリに抑えた新手術。術後の影響を大幅に少なくし、三嶋投手は今季開幕から1軍の戦力としてカムバックを果たし、ここまでリリーフとして25試合に登板して、3勝1敗、防御率は3・98とチームの勝利に貢献しています。
DeNAの三嶋投手に手術を行ったのは、最小侵襲脊椎治療学会の石井賢理事長などのグループです。
手術を担当した医学博士の石井理事長は、「こうして医学誌に認めてもらったのは、すごくありがたいことだと感じています。何よりも三嶋選手が活躍してくれることが第一なので、それを切に願っています。科学がどんどん進歩している中で、このナビゲーションのように新しい技術を使った手術ができることは、アスリートを含む一般の難病で苦しんでいる方にとっても朗報だと思っています。これまでは復活をあきらめなくてはならなかった人が、この手術を受けてまたプレーできることが増えていけばいいなと思います」とコメントしました。
新たな手術が自身の名前にちなんだものになったDeNAの三嶋投手は、球団を通じて「手術前は歩行困難、神経痛、頻尿障害、体調不良でどんな治療やマッサージを受けても全く改善されることはなく、周りにもわかってもらうことが難しく、1人で悩み考える毎日でした。今回の手術を受けて、症状は改善されて健康に過ごすことができています」とコメントしています。
そして、「この手術が広まっていき、黄色靱帯骨化症の患者さんの光明になればいいと思います。このつらさはなった人にしかわからないと思いますし、人によって痛さ、脱力、しびれなど症状はさまざまで、もっとつらい方、苦しんでる方々がいると思います。そんな毎日闘っている方々に、プロ野球選手として戦っている姿を見てもらい、少しでも、何かの力になれればいいなと思っています」と話し、気持ちを新たにしていました。
2023年7月16日(日)
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