新型コロナウイルス禍の第3~5波に見舞われた2020年10月からの1年間で、日本人の運動習慣や体重が二極化した可能性があるとの調査結果を、東京慈恵会医科大学と経済産業研究所がまとめました。もともと運動習慣があった人は運動する日数が増えた一方で、運動習慣が減った人も増加。体格指数(BMI)が25以上の「過体重」の人の割合は男女とも増えていました。
調査は2020年10月から2021年10月の間に5回実施。1週間に運動をする日数と体重の変化について、年齢・性別・居住地の分布が全日本人の分布と合致するように選んだ全国の1万6642人(男性8022人、女性8620人)から回答を得ました。
調査によると、1週間の運動日数の平均値は2020年10月に男性2・17日、女性1・99日でしたが、1年後には2・25日、2・02日に増加。しかし、値のばらつきを示す標準偏差は男女とも増え、格差が広がりました。運動習慣が極端に減った人の割合も調査を重ねるごとに増えており、運動をする人としない人で二極化が起きたことが示唆されるといいます。
また、この1年間に身長と体重から肥満度を算出するBMIが25以上の「過体重」となった人の割合は、男性は約7%、女性は約3%でした。
二極化の原因としてコロナ禍の影響を特に受けやすい集団がいる可能性を考えリスク解析を行ったところ、高年齢層の女性は運動不足と過体重、中年男性は過体重になるリスクが特に高いこともわかり、東京慈恵会医科大は「コロナ禍が空けつつある現在、この年齢層の方々に外出や運動を呼び掛けるなど、積極的な生活習慣への介入が必要だ」としています。
2023年8月12日(土)
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