子供を中心に感染する咽頭結膜熱、いわゆるプール熱の患者が増えていて、10月1日までの1週間に報告された患者数は、過去10年で最も多くなっています。
咽頭結膜熱、いわゆるプール熱は、子供を中心にのどの炎症や高熱、結膜炎などの症状が出るアデノウイルスによる急性ウイルス性感染症で、せきやくしゃみなどの飛まつで感染するほか、アデノウイルスが付着したタオルや、プールでの接触などを介しても感染します。保育園、幼稚園、小学校などでの集団感染も少なくありません。
国立感染症研究所によりますと、9月25日から10月1日までの1週間に全国約3000の小児科の定点医療機関から報告された患者の数は、前の週から1500人余り増えて5698人でした。1医療機関当たりでは1・81人で、秋田を除く全都道府県で前週を上回っていて、過去10年で最も多くなっています。
都道府県別では、福岡県が5・73人、沖縄県が4・48人、大阪府が4・24人、奈良県が3・88人で、国の警報レベルの目安となる「3」人を超えています。
子供の感染症に詳しい国立病院機構三重病院の谷口清州(きよす)院長は、「都市部から、これまで流行がなかった地域にも広がり切って、そろそろピークを打つだろうと思う。今年は、さまざまなウイルスや細菌がこれまでの患者数の少なさを取り戻すような形で流行し続けていて、この冬くらいまでは影響があると思われる。体調の悪い時は学校や保育園を休んだり、手洗いやマスクをして必要な場面での感染対策をとってほしい」と話しています。
2023年10月10日(火)
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