インフルエンザの感染状況について、10月8日までの1週間に医療機関を受診した患者の数は、全国で1医療機関当たり9・99人となり、前の週より増加しています。厚生労働省では、例年より早く本格的な流行になる可能性があるとして、すべての年齢の人に対して注意を呼び掛けています。
国立感染症研究所などによりますと、10月8日までの1週間に全国約5000カ所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、前の週より2000人近く増え、4万9212人となりました。1医療機関当たりの患者数は全国で9・99人で、このデータを基に推計されるこの1週間の全国の患者数は約32万6000人となっています。
地域ごとでは、いずれも1医療機関当たりの患者数で、沖縄県が30・85人と大きな流行が起きているとされる「警報レベル」の30人を超えたほか、千葉県が21・08人、山口県が19・22人。大分県が18・00人、愛媛県が16・69人、東京都が16・44人、埼玉県が16・14人、神奈川県が15・84人、宮崎県が14・19人、熊本県が12・46人、福岡県が11・40人、茨城県が11・11人、静岡県10・08人と、12の都と県で今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性があることを示す「注意報レベル」の10人を超えています。
日本感染症学会のインフルエンザ委員会の委員長で岡山県の倉敷中央病院の石田直副院長は、現在のインフルエンザの流行状況について、「インフルエンザの感染者の数は、爆発的には増えていないが、緩やかな増加傾向が全国的に続いている。また、東京都のデータでは、入院患者のうち6割は20歳以下で、岡山県内での診療実感からも若い世代を中心とした流行になっているといえる。今後、若い人から高齢者に感染が広がって、流行の規模が大きくなることが予想される」と指摘しました。
今後については、「日本とは季節が逆のオーストラリアでは、インフルエンザの感染拡大が今年は例年より早く進んだ。日本でも例年は年末年始に流行のピークを迎えるが、今年は12月上旬にはピークになる可能性もある」と話していました。
一方、新型コロナウイルスについては、「感染者の数の減少傾向が全国的に続き、『第9波』となったこの夏の感染拡大は、このまま収束すると考えられる。しかし、年末にかけて再び感染が広がる恐れがあり注意が必要だ」と話しています。
その上で、今後の注意点について「インフルエンザは本格的な流行を早い時期に迎える可能性があり、ワクチン接種を希望する人は例年より前倒しで11月上旬にはすませてほしい。新型コロナも冬に向けて再び感染拡大し、インフルエンザとの同時流行も懸念される。それぞれの感染を避けるためには基本的な感染対策が引き続き有効で、人混みではマスクを着用すること、手洗いを習慣付けることなどが大事になる」と話しています。
2023年10月13日(金)
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