世界保健機関(WHO)は22日、蚊が媒介するウイルス感染症のデング熱の発生件数が2023年に500万件を超えたと発表しました。80を超える国・地域で計5000人以上の死亡が報告され、地球規模で感染リスクが高まっていると判断しました。渡航や貿易の制限は勧告していません。
発生件数は過去最悪の水準に近付いており、約8割が北アメリカと南アメリカに集中しているといいます。人口10万人当たりでは、ブラジルやペルー、メキシコなどが多くなっています。地球温暖化による気温上昇や脆弱な医療体制など複数の要因が感染急増につながっていると分析しました。
WHOは、デング熱感染に対する特定の治療方法が確立されていないため、早期発見と医療機関への受診が死亡率を下げるとも指摘しています。
デング熱は、ネッタイシマカやヒトスジシマカと呼ばれる蚊が媒介して感染します。最近では在留邦人などの感染事例も増加しています。感染対策としては、日中や外出時には長袖や長ズボンなどを着用することで肌の露出を控え、虫除けスプレーを使用し、蚊に刺されないことが重要となります。就寝時には蚊帳を利用し、蚊に刺されないように対策を取る必要があります。
2023年12月23日(土)
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