アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開かれている国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)は12日の会期末を前に、新たな合意文書の草案を発表しました。草案は、化石燃料を巡っては「削減する」などの表現にとどまり、欧米の先進国などが求めた「段階的な廃止」については言及しておらず、最終局面となった交渉での各国の対応が注目されます。
12日に会期末を迎えるCOP28は、世界全体の気候変動対策の進ちょくを評価する「グローバル・ストックテイク」が初めて行われ、この中で、対策強化に向け、合意文書で「化石燃料の廃止」を巡る文言をどう盛り込むかが大きな焦点となっています。
会期末を前に11日に議長国のUAEが示した合意文書の草案では、化石燃料について「2050年の温室効果ガス排出実質ゼロに向け、消費と生産の両方を、公正で秩序があり、公平な方法で削減する」などと、「削減」の表現にとどまり、8日に示された案では使われていた「段階的な廃止」という文言はなくなり、表現が後退した形になっています。
日本政府の関係者からは廃止に反対している産油国や新興国のほか、化石燃料に依存せざるを得ない途上国への配慮ではないかとの声が上がっているほか、環境団体からは「全く不十分だ」と批判が上がり、この文言では化石燃料の廃止を求める先進国などは合意せず、今後の交渉で文言が変わる可能性があるなどの指摘も出ています。
会期末に向け、各国がどのような姿勢で交渉に臨み、合意文書がどうまとまるのか注目されます。
2023年12月12日(火)
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