2023/12/20

🟧アメリカの新型コロナ感染56%増 有料化響きワクチンの接種率低迷

 アメリカで新型コロナウイルスやインフルエンザ、RSウイルスなど呼吸器系感染症が急拡大しています。アメリカ疾病対策センター(CDC)によると、12月上旬のコロナ新規入院患者数は1カ月前と比べ6割増えました。感染が広がる一方、ワクチンの無償提供の終了などで接種が進んでいません。アメリカ当局は重症患者が増えれば医療逼迫が起こる可能性を指摘しています。

 CDCの最新の発表によると、12月9日までの1週間のコロナ新規入院患者数は2万3432人で、5週連続で前の週を上回りました。患者数は約1カ月前の11月4日の週と比べると56%増えました。重篤化するケースも増えており、コロナとインフル、RSウイルス感染で救急治療にかかった割合は3つの感染全体の5・3%と、約1カ月前の2・7%から上昇しました。

 冬は乾燥するほか、11月下旬の祝日であるサンクスギビング(感謝祭)前後の休暇時期で外出や旅行が増えるために、感染が広がりやすくなります。昨年2022年12月末にコロナの入院患者は約4万5000人まで増えています。

 州別の呼吸器系感染症の流行をみると、全米51州のうち18州で流行が「活発」もしくは「特に活発」となっています。特に南部で感染が広がっており、ルイジアナ州とサウスカロライナ州は最高レベルの分類となっています。

 アメリカではインフル、RSウイルスのワクチンに加え、9月にはコロナの追加接種の提供も始まりました。だが、感染が拡大している12月2日時点で、コロナの追加接種の接種率は18歳以上で17・2%、重症化リスクが高いとされる65歳以上でも36%にとどまっています。RSウイルスワクチン(60歳以上で推奨)の接種率は15・9%と低水準で、インフルワクチンの接種率は58・6%と前年を3ポイント程度下回っています。

 コロナワクチンの接種率の低迷は、5月にコロナの緊急事態宣言が解除され、接種の無償化が終了した影響がありそうです。医療機関での接種の呼び掛けや周知が遅れているとの指摘もあります。

 コロナワクチン主要メーカーのファイザーは12月、2024年12月通期のコロナワクチンと治療薬の売上高について、2022年のピークの6分の1に落ち込むとの予想を発表。感染動向がワクチン需要の底上げにつながっていないとしています。

 CDCは14日、感染拡大が医療逼迫を引き起こす可能性があるとして、医療関係者に積極的にコロナ、インフル、RSウイルスのワクチン接種を患者に推奨するよう呼び掛けました。

 2023年12月20日(水)

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