世界保健機関(WHO)は15日、コンゴ民主共和国で流行しているウイルス感染症「エムポックス(サル痘)」が世界中に拡大する恐れがあると警鐘を鳴らしました。
エムポックスは1970年に、同国で初めて人への感染が確認されました。アフリカ中央部から西部の約10カ国で何年も前から流行しています。同地域では、動物由来の感染症が発生することが多くなっています。
WHOでエムポックスの技術責任者を務めるロザムンド・ルイス氏はスイス・ジュネーブでの記者会見で、「コンゴ民主共和国から世界中に感染が広がる事態を懸念している」とし、同国では今年に入ってからの感染疑い例がこれまでの年間報告件数の2倍超に当たる1万3000件を超え、死者は600人以上に上っていると明らかにしました。
先週、カンボジアでも初の感染者が確認されました。
ルイス氏によると、WHOは東南アジアを航行するクルーズ船内で感染が拡大したとみているものの、まだ情報が不足しているといいます。
WHOは、エムポックスの感染者は主に、同性との性交渉を持つ男性や、1人または複数のパートナーと最近性交渉を持った男性だとしています。
エムポックスに感染すると、発熱や頭痛、リンパ節のはれといった症状が生じた後に、顔などに発疹ができ水膨れとなります。多くは2~4週間で自然に回復するものの、子供や妊婦、免疫不全の人は重症化することがあります。
2023年12月17日(日)
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