ヨーロッパ連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)は9日、2023年は観測史上最も暑い年だったと発表しました。気候変動の影響で、熱波や干ばつの強度が増し、山火事も世界的に多発しました。産業革命前と同程度とされる1850〜1900年の平均より1・.48度高く、気温上昇を1・5度に抑えるとする温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の目標値に迫りました。
C3Sは昨年11月に、2023年が観測史上最も暑い年になるとの見通しを示したものの、実際の気温を基に世界平均気温の記録更新を発表したのは初めて。
産業革命前に比べて地球の平均気温が1・5度を超えてしまうと、気候変動の影響はより破滅的になると科学者は考えています。2023年は1年の半分以上の日で1・5度を上回りました。
C3Sのサマンサ・バージェス副所長は、2023年は「観測史上初めて、すべての日で産業革命以前比で1度を上回った」と述べ、「平均気温としては、過去10万年で最も温暖だった可能性がある」としました。
また、11月には産業革命前と比べて平均気温が2度を超えた日が2日ありました。
C3Sは、2023年の平均気温の上昇は4~12月の海面水温が記録的に高かったためだと説明。大気中の温室効果ガス濃度が観測史上最高レベルに達したことや、南米ペルー沖の海面水温が上がる「エルニーニョ現象」が7月以降、強まり続けたことが、海面水温の上昇を招いたと指摘しました。
世界各地では昨年、自然災害が多発。カナダやギリシャで山火事が相次ぎ、「アフリカの角(アフリカ東端部)」や中東の一部地域では深刻な干ばつが起きました。また、欧米と中国は夏季に前例のない厳しい熱波に見舞われたほか、オーストラリアと南アメリカでは記録的な暖冬となりました。
2023年の平均気温は、これまで最も高かった2016年を0・17度上回りました。
2024年1月10日(水)
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