昨年1年間の訪問介護事業者の倒産件数は67件で過去最多になったことが、信用調査会社のまとめでわかりました。調査会社では、深刻なヘルパー不足や燃料費の高騰などが影響しているとした上で、「ほかの業界との人材獲得競争が激しく、人手不足の解消はむずかしい状況が続く」と分析しています。
東京商工リサーチによりますと、昨年1年間に倒産した訪問介護事業者は全国で67件で、前の年の50件から17件増えました、
調査を開始した2000年以降、最多だった2019年の58件を上回り、過去最多を更新しました。
介護施設や通所サービスなども含めた介護事業者全体の倒産は122件で、過去最多だった前の年より14・6%減少したものの、過去2番目に多くなっています。
業種別では、「訪問介護事業」の67件に次いで、デイサービスなど「通所・短期入所介護事業」の41件(前年69件)、「その他」の10件(同10件)、「有料老人ホーム」の4件(同12件)と続きました。
「通所・短期入所介護事業」は2022年と比べて28件減ったものの、同年にデイサービス運営の「ステップぱーとなー」のグループ31社が連鎖倒産した反動によるもの。
原因別では、大手事業者との競合やヘルパー不足で利用者が減少したことなどによる「売り上げ不振」が92件で最も多く、ヘルパーの高齢化や燃料費の高騰なども影響したと分析しています。
また、倒産以外でも昨年、休廃業や解散した介護事業者は510件に上り、過去最多を更新しました。
東京商工リサーチは、「介護報酬の改定で賃上げなどの処遇改善が一部で進むことが期待されるものの、飲食業などほかの業界との激しい人材獲得競争が広がり、ヘルパー不足の解消はむずかしい状況が続く」と分析しています。
2024年1月25日(木)
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