糖尿病の治療薬がダイエット目的で使われている問題を受け、厚生労働省は、医療機関の広告規制を強化します。薬の本来の使い方ではなく、自由診療で行う場合、未承認であることなどを明示するよう求めます。医療広告ガイドライン(指針)を近く改正します。
この薬は「GLP―1受容体作動薬」と呼ばれ、血糖値を下げるほか、食欲を抑える効果があります。主に2型糖尿病治療薬として、国から承認を受けているものの、ダイエット目的での使用は、効果や安全性が確認されておらず、公的医療保険が適用されていません。
しかし、美容クリニックなどが「やせ薬」として、全額自己負担となる自由診療で投与するケースが増えており、供給不足を招いています。厚労省が美容クリニックのウェブサイトを調査したところ、やせる効果を強調するなど指針に違反する事例が2021年度は50件に上り、2022年度には72件に増えました。
指針の改正案では、未承認薬を使った自由診療について、未承認薬であること、入手経路、海外での副作用情報、重い健康被害が生じても国から医療費の支給を受けられないことなどを医療機関のサイトで明示するよう求めます。
厚労省の担当者は「本来の目的とは異なる使用は、思わぬ副作用を招く恐れがある。慎重に判断してほしい」と話しています。
2024年2月2日(金)
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