国立循環器病研究センターの研究チームは、枕の高さが高い人ほど脳卒中の原因となる「特発性椎骨動脈解離」の発症リスクが高いことを発見しました。首が曲がることなどで負荷がかかりやすくなり、発症につながる可能性があるといいます。枕を低くすることで予防につながるとみています。
特発性椎骨動脈解離は首の後ろ側にある「椎骨動脈」という血管が裂けてしまう病気のうち、原因が詳しくわからないタイプを指します。若者や中年で脳卒中が起きる原因の1つとみられています。
研究チームは、特発性椎骨動脈解離の患者の一部が極端に高い枕を使うことに着目しました。この病気の患者約50人と他の病気の患者約50人について、発症時の枕の高さで分類しました。
高さ12センチメートル未満の普通の枕を使うグループのうち、特発性椎骨動脈解離の患者は約4割でした。だが高さ15センチメートル以上の高い枕を使うグループでは、この病気の患者が約9割を占めました。こうした関係を詳しく調べ、枕が高いことと病気の発症リスクが関連することを突き止めました。こうした関係は枕が硬いほど顕著だといいます。
枕が高いと首が曲がって負荷がかかり、さらに寝返りの時にも負荷がかかりやすくなり、発症につながる可能性があるといいます。
研究チームは、「何げない睡眠習慣が脳卒中のリスクになり得ることを認識してもらい、予防につなげてほしい」と話しています。
2024年2月18日(日)
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