甲南医療センター(神戸市東灘区)の専攻医だった高島晨伍さん(当時26)が2022年5月に過労自殺した問題で、遺族は2日、病院を運営する公益財団法人「甲南会」と理事長に約2億3400万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地方裁判所に起こしました。専攻医らの長時間労働を改善しなかったなどと訴えています。
訴状によると、高島さんは2020年4月から同センターで勤務。研修医や専攻医として働いたものの、うつ病を発症し、2022年5月17日、自宅で自殺しました。
西宮労働基準監督署は昨年6月、自殺は過重労働によるものとして労災を認定。直前1カ月間の時間外労働時間は、自己申告では7時間だったものの、労基署は207時間50分と算定しました。
センターでは他の医師の長時間労働も常態化し、専攻医らが業務改善を求める書面を提出するなどしていました。
遺族側は訴状で、高島さんの実際の労働時間は労基署の算定以上だったと主張。専攻医らの嘆願をセンターは軽視しており、理事長には長時間労働を是正しなかった責任があると訴えています。
提訴後、大阪市内で記者会見した母親の淳子さん(61)は、「甲南医療センターは労務管理を改め、晨伍に誓って二度と同じことが起こらないようにしてほしい」と話しました。
訴えについて甲南医療センターは、「提訴されたことは重く受け止めております。真実に基づき、裁判所に適切に判断いただくべく、誠実に対応していきます」とコメントしています。
2024年2月3日(土)
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