昨年1年間に全国の警察が大麻が絡む事件で摘発した人数が過去最多の6482人(前年比1140人増)に上り、記録が残る1958年以降で初めて覚醒剤事件の摘発者数を上回ったことが21日、警察庁のまとめでわかりました。10歳代も初めて1000人を超え、同庁は若年層で大麻の蔓延(まんえん)が深刻化しているとみています。
発表によると、年代別では、20歳代が3545人(前年比692増)、10歳代が1222人(同310人増)と、20歳代以下だけで全体の73・5%を占めました。続いて30歳代が974人(同43人増)でした。
10歳代の摘発は、年々増加しており、2014年の80人から約15倍になりました。低年齢化が加速しており、高校生は前年比約1・4倍の214人、中学生も同約2倍の21人でした。
警察庁が昨年10~11月、大麻の単純所持容疑で摘発した1060人を対象にした調査では、初めての大麻使用年齢は「20歳未満」が52・5%に上り、2017年に行った同様の調査の36・4%から約16ポイント上昇していました。
動機はどの年代も「好奇心・興味本位」が最多で、20歳代以下で次に多かったのは「その場の雰囲気」でした。入手先を知った方法は20歳未満の半数が「インターネット経由」でした。利用したツールはX(旧ツイッター)が約9割でした。
大麻の危険性についての質問では、7割超が「全くない」「あまりない」と回答し、1割だった覚醒剤を大きく上回りました。
昨年の大麻の末端価格は1グラム5000円で、同6万6000円の覚醒剤の13分の1程度。16歳を境に摘発が増える傾向があり、警察庁は「入手が容易になり、有害性の認識も低くなっている」とみて、高校生を対象に啓発活動を強化します。
一方、昨年1年間に覚醒剤事件で摘発された人数は5914人(前年比210人減)でした。2016年以降減少が続いていたものの、覚醒剤の押収量は1342・9キロ(同1053・9キロ増)と増加しました。外国人による密輸入が目立ちます。
21日の定例会見で警察庁の露木康浩長官は、「若年層が大麻の有害性を正しく認識できるよう、積極的な情報発信や、ネット上の取引情報の排除などを一層推進していきたい」と述べました。
一方、昨年の危険ドラッグが絡む事件では、前年比52%増の424人が摘発され、2年連続で増加しました。このうち乱用者は395人。若年層の割合が増えており、昨年は20歳代が52・4%、20歳未満が9・4%でした。
2024年3月21日(木)
0 件のコメント:
コメントを投稿