マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、国立感染症研究所は人から人に感染したケースを国内で初めて確認したと発表しました。感染したのはSFTSの患者を担当した医師で、すでに症状は軽快しているということです。
国立感染症研究所によりますと、2023年4月、SFTSに感染した90歳代の男性患者を診察した20歳代の男性医師が、最初の接触から11日後に発熱し、その後、SFTSと診断されたということで、ウイルスの遺伝子検査で90歳代の患者と同じウイルスと考えられることなどから、人から人への感染と診断したということです。
SFTSの人から人への感染は中国や韓国では報告されていますが、国内で確認されたのは、初めてだということです。
国立感染症研究所によりますと、90歳代の男性患者が入院中は、医療従事者は感染対策をとっていましたが、医師は診断される前の診察で手袋をしておらず、また、その後、患者が死亡し、点滴を外す処置などをした際もマスクや手袋などはしていたもののゴーグルを着けていなかったということです。
SFTSは、主にマダニに刺されることで感染するウイルス感染症で、発熱や腹痛などの症状を引き起こし、重症化すると死に至ることもあります。
国立感染症研究所は、感染した患者の診療の際には、医療従事者は感染予防対策を徹底するよう注意を呼び掛けています。
厚生労働省は、「SFTSはマダニからの感染が基本で、人から人への感染は簡単には起きない。ただ、患者の血液や体液に触れる可能性がある医療従事者は感染対策を徹底する必要がある」としています。
2024年3月20日(水)
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