全身の筋力が徐々に衰える難病「脊髄性筋萎縮(いしゅく)症(SMA)」について、名古屋大などは発症する可能性を早期に検知できる新たなスクリーニングキットを開発し、来年の実用化を目指すと発表しました。
SMAは、運動神経の維持に必要なタンパク質をつくる遺伝子(SMN1)の欠失や変異によって起きる神経性の筋萎縮症で、新生児の2万人に1人が発症するとされます。近年は点滴や飲み薬などによる治療で改善がみられるようになりましたが、病気が進行後の治療効果は限られているため、早期発見が求められていました。
23日に熊本市中央区の熊本城ホールで行われた「日本マススクリーニング学会」で、研究を主導した同大発のベンチャー企業「Craif(クライフ)」が新キットについて解説。従来の検査期間1~2週間を1時間半に短縮できるとし、血液ではなく唾液で検査することから新生児の負担軽減につながることを説明しました。同社によると、新キットは新生児から採取した唾液と試薬を混ぜてSMN1を増幅させ、特殊な紙に流し込んで判定します。
研究を担当した同大の平野雅規・特任講師は、「実用化に向けて、積極的に検査を実施する。すぐに導入できる方法なので、検査を導入していない産科クリニックでも使ってもらいたい」と話しました。
2024年8月25日(日)
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