2025/02/11

🟪腰痛は労働生産性にも影響、欠勤や能率低下と関連 日本腰痛学会が全国調査

 腰の痛みは患者自身の健康上の悩みになるだけでなく、欠勤や仕事の能率低下などを通じて労働生産性にも強く影響していることが、日本腰痛学会の2023年の全国調査で明らかになりました。国民的課題として実態をさらに詳しく調べ、対策を講じる必要があるとしています。

 前回から約20年ぶりの調査。腰痛が現在あるかどうか、過去に経験したかどうかなど前回と同じ質問に加えて、労働生産性への影響を調べる代表的な指標である「仕事の生産性および活動障害に関する質問票(WPAI)」の項目も尋ねました。 

 その結果、調査時点で「腰痛あり」と答えた人では「なし」と答えた人に比べて「日常活動の障害率」が15ポイント悪く、仕事に関して効率が下がった程度を示す「労働の障害率」も13ポイント悪化しました。欠勤などによる勤務時間の減少を示す「労働時間の損失率」も2ポイント劣りました。障害率は男女別で女性のほうが影響が大きく、男女とも年代別では20歳代が大きくなりました。

 調査に当たった福島県立医大病院整形外科の二階堂琢也・准教授(脊椎脊髄外科)らは今後、データを精査して具体的にどのような要因が仕事への影響に結び付くかを明らかにしたいとしています。

 一方、調査対象全体の腰痛有病率は、前回調査の31%から今回は15%へ大幅に低下。年齢別ではぎっくり腰などが含まれる急性の腰痛では年齢差はなく、長引く慢性腰痛に限って、20歳代から年齢が高まるほど有病率も高まっていたといいます。

 調査は国勢調査で判明した人口分布などに基づいて全国から5000人を無作為抽出し、調査員が各戸を訪問して質問票を回収する方式で2000人余りから回答を得ました。

 2025年2月11日(火)

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