宮崎県新富町にある航空自衛隊新田原基地の「専用水道」に使う井戸の水から、一部の物質が有害とされる有機フッ素化合物の「PFAS(ピーファス)」が暫定的な目標値の11倍の値で検出されていたことがわかりました。
2月27日、基地から県に連絡があったということで、28日午後、県が会見を開いて明らかにしました。
有機フッ素化合物のPFASのうち、有害性が指摘されている「PFOS(ピーフォス)」と「PFOA(ピーフォア)」の2つの物質について、国は「健康に悪影響が生じないと考えられる水準」として水道水1リットル当たり、合計で50ナノグラムとする「暫定目標値」を設定しています。
県によりますと、2月14日、新田原基地の中の「専用水道」で使うため水をくみ上げている井戸の2カ所から、暫定目標値を超えるPFASが検出されました。
このうち1カ所は1リットル当たり560ナノグラムと暫定目標値の11・2倍に達し、もう1カ所は1リットル当たり210ナノグラムでした。560ナノグラムはこれまで県内で検出された中では最も高い値です。
基地がある新富町や西都市の水道水の水質については、安全性が確認されているということです。
一方、地下水を通じて基地の外まで汚染が広がっている可能性もあり、県は井戸からおおむね半径500メートルの区域で地下水の調査を行うことにしています。
国は自衛隊などの施設で使われている専用水道について、PFASの調査を行い、昨年12月に公表していますが、そこには今回のケースは含まれていませんでした。
新田原基地によりますと、専用水道の水は宿舎を含めた基地全体で飲料水などとして使用していましたが、現在は使用を中止しているということです。
水質調査の結果が判明したのは2月7日で、県や新富町に報告したのはその20日後でしたが、これについて新田原基地は「防衛省内での調整があり、時間を要したがもう少し早く情報提供すべきだった。住民の不安を受け止め、今後の自治体の調査にはできる限り協力したい」と話しています。
2025年3月1日(土)
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