新型コロナウイルス禍では患者が減っていた、激しいせきが特徴の百日ぜきが流行し始めています。国立健康危機管理研究機構が8日に発表した速報値によると、全国の医療機関から3月24〜30日に報告された患者数は578人。昨年から徐々に増えていましたが、今年の約3カ月間の累計は4771人となり、昨年1年間の累計4054人を超えています。
都道府県別では、大阪府が最も多く375人。次いで新潟県357人、東京都330人、沖縄県289人、兵庫県274人、福岡県257人、宮崎県239人と続きます。
患者数は2018年、2019年はそれぞれ1万人超が報告されていました。2020年の新型コロナウイルスの感染拡大以降は、感染対策や人流が減ったこともあってか、少ない状態が続いていましたが、コロナ以前の水準に戻りつつあるようです。
日本小児科学会は、「重症例も報告されている」として注意を呼び掛ける文書を公表しました。薬の効かない耐性菌の報告も増えているといい、学校にはせきが消失するか、5日間の抗菌薬の治療が終われば登校できるものの、せきが続く間はマスク着用などが必要だとしました。
この感染症は、百日ぜき菌が原因で、飛沫感染します。風邪の症状が出て、次第にせきが増えて激しくなります。乳児は重症化しやすく、死に至ることもあります。治療には抗菌薬やせき止め薬が使われます。予防には5種混合ワクチンが有効とされます。
2025年4月8日(火)
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