2025/04/09

🟩リンゴ病流行、福島県内に警報 10年ぶり、感染者高止まり

 風邪に似た症状が出て頬などに赤い発疹ができるリンゴ病(伝染性紅斑)の流行が、福島県で続いています。県内の定点医療機関から1週間に報告された感染者数(医療機関1カ所当たりの平均)は、少なくとも1月下旬ごろから9週連続で全国1~2番目に多く、2015年以来約10年ぶりに「警報」が発令されています。リンゴ病は子供を中心に流行しますが、妊婦が感染すると流産などにつながる恐れもあり、新年度を迎え、県や医療関係者らが感染防止を呼び掛けています。

 県内48カ所の定点医療機関から報告された昨年の同時期の感染者はほとんどいなかったものの、全国的な流行を受けて県内も昨年11月ごろから増加がみられ、今年1月6~12日の週に警報基準の「2人」を超えました。警報発令以降、解除の基準となる「1人」を下回らず、高止まりしています。

 国立感染症研究所によると、直近1週間(3月24〜30日)は1医療機関当たり1・90人と栃木県の2・33人に次いで2番目に多く、前週、前々週は全国最多でした。

 小学生の子を持つ福島市の主婦(41)は、「風邪の症状が出たとしても、リンゴ病を疑うという発想があまりない。学校が始まって接触の機会も増えるので、自覚がないうちに流行が広がってしまわないかが心配」と危惧しています。

 福島医大医学部感染制御学講座の山藤(さんどう)栄一郎主任教授(44)によると、リンゴ病は、風邪のような症状が出て数日〜1週間程度後に両頬などに赤い発疹が出ます。発疹が出る前の時期の感染力が強く、発疹が出るころには感染力がほぼなくなっているため「症状からリンゴ病を疑うのはきわめてむずかしい」といいます。

 新型コロナウイルスほど感染力は強くないものの、コロナと同じように、飛沫(ひまつ)だけでなく、息を吐くなどして放出され、空気中に漂うウイルスを吸い込んで感染するため、集団生活を送る学校や家庭内などで感染しやすくなります。対策には換気やマスクの着用が効果的だといいます。

 子供が重症化するケースはあまりないのに対して、妊婦が感染すると3〜5割ほどの確率で胎児にも感染し、胎児が貧血になってしまうケースや、死産や流産に至ってしまう可能性もあります。特に妊娠初期に注意が必要だといい、「妊婦や基礎疾患のある人には侮れない病気」と指摘しています。

 今年の流行については「もともと数年に1度程度、流行の波があったが、コロナ流行時の感染対策によって抑えられた。その波がひとまとめにきているのではないか」と推測しています。

 新年度を迎え「マスクと換気が大切。可能であれば、風邪の症状があれば休むことも感染を広げないためには有効だ」と訴えています。

 2025年4月9日(水)

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