熱中症による健康被害が予測された場合に発表される「熱中症警戒アラート」の今年の運用が23日から始まりました。健康に重大な被害が生じる恐れがある場合には一段上の位置付けの「熱中症特別警戒アラート」が出され、熱中症を予防する行動の徹底が求められます。
熱中症警戒アラートは、気温や湿度などから算出する「暑さ指数」が33以上と予測される地域に環境省と気象庁が発表し、昨年の発表は全国で合わせて1722回に上りました。
この情報が発表されると、政府は適切にエアコンを使用するなど涼しい環境で過ごすこと、こまめに水分や塩分を補給すること、それに運動を原則中止することなどふだん以上に対策を取るよう呼び掛けます。
さらにその一段上に位置付けられる「熱中症特別警戒アラート」は、暑さ指数がすべての観測地点で35以上と予測される都道府県を対象に環境省が発表するもので、「人の健康に重大な被害が生じる恐れがある過去に例のない広域的な危険な暑さ」が想定されています。
熱中症特別警戒アラートは昨年から運用されていて、これまで発表されたことはありませんが、発表された場合には熱中症を予防する行動の徹底が求められます。
また市区町村が「クーリングシェルター」としてあらかじめ指定した公共や民間のエアコンが効いた施設を住民に開放すること、学校の校長や経営者、イベントの主催者などの管理者には熱中症対策が徹底できない場合、運動やイベントの中止、リモートワークへの変更などの判断が求められます。
熱中症警戒アラートと熱中症特別警戒アラートは23日から今年の10月22日まで運用されます。
地球温暖化に伴って日本の夏の平均気温は上昇していて、気象庁によりますと6月から8月の平均気温は昨年までの100年で1・3度上昇しました。
昨年7月には最高気温40度以上を1日に6つの地点で観測するなど、昨年の夏の日本の平均気温は平年と比べて1・76度高くなり、気象庁が1898年に統計を取り始めて以降、一昨年と並んで最も暑い夏となりました。
また熱中症で死亡する人も増えていて、厚生労働省によりますと2022年は1477人、2023年は1651人、昨年は2033人に上りました。
総務省消防庁によりますと、熱中症で搬送された人の数は昨年、全国で9万7578人に上り、統計を取り始めた2008年以降最も多くなりました。
2025年4月25日(金)
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