海外で拡大している「H3」型インフルエンザの新たな変異ウイルスが国内でも確認されたことが、国立健康危機管理研究機構の解析でわかった。専門家は「免疫を持っている人が少なく、感染が広がりやすい可能性がある」として注意を呼び掛けている。
季節性インフルエンザとして流行する「H3」型の新たな変異ウイルス「サブクレードK」が、今シーズン世界各地から報告されていて、イギリスやアメリカなどでは検出される割合が増えている。
日本の国立健康危機管理研究機構が今年9月以降に国内の患者から採取したH3型のウイルスを解析した結果、13検体のうち12検体がこの変異ウイルスだったことがわかった。
イギリスでは、今シーズン、例年より早い時期からインフルエンザの患者が増加しているが、この変異ウイルスの拡大との関連が指摘されている。
日本でも早いペースで流行が進んでいて、感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎客員教授は「新たな変異ウイルスのため免疫を持っている人が少なく、感染が広がりやすくなっている可能性がある。以前のウイルスより重症化しやすいとは考えられていないが、今後性質を詳しく調べていく必要がある」と指摘している。
一方、イギリスの保健当局は、現在のインフルエンザワクチンには変異ウイルスに対しても重症化を予防する効果があると報告していて、濱田客員教授は「重症化予防にワクチンが重要なのは変わらないので、接種を検討してほしい」と話している。
2025年11月24日(月)
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