アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコ市は2日、超加工食品の製造業者を相手取り訴訟を起こしたことを明らかにした。超加工食品を巡っては、数十年にわたる過剰摂取の結果、多くのアメリカ人が肥満になったと専門家らは指摘している。
訴訟の対象には、クラフト・ハインツ、コカ・コーラ、ネスレ、ケロッグなど大手食品メーカーも含まれる。
サンフランシスコ市の法律顧問を務めるデービッド・チウ氏は、「これらの企業は、超加工食品の開発とマーケティングによって公衆衛生の危機を引き起こした」と述べ、「食品を人の体にとって有害なものに変えてしまった」と批判した。
チウ氏は、アメリカ人は超加工食品を避けたいと考えているものの「私たちはそれらに取り囲まれている。これらの企業は公衆衛生の危機を生み、大きな利益を上げてきた。今こそ、もたらした害に対して責任を取るべきだ」と主張した。
超加工食品を巡っては、ロバート・ケネディ・ジュニア保健福祉長官も、特に若者の間で肥満や慢性疾患、健康状態の悪化を招いているとして批判している。
アメリカ疾病対策センター(CDC)によると、アメリカ人の40%が肥満とされ、約16%が糖尿病を患っている。
サンフランシスコ上級裁判所に提出された訴状は、アメリカのスーパーマーケットで販売されている製品の約70%が超加工食品だと指摘。製造業者がその危険性を知りながら、たばこ企業と同様の手法でリスクを無視・矮小化したマーケティングを展開してきたと主張している。
一方、訴訟の対象となった多くの企業を束ねる業界団体、コンシューマー・ブランズ協会のサラ・ガロ氏は、これらのメーカーは「アメリカ人がより健康的な選択をし、製品の透明性を高めることを支援している」と反論。
さらに「超加工食品の科学的な定義は現時点で確立しておらず、単に加工されているという理由だけで食品を不健康と分類したり、栄養価全体を無視して悪者扱いするのは、消費者を誤解させ、健康格差を広げる」と指摘し、「企業は政府が定めた厳格な、証拠に基づく安全基準を順守しており、消費者が日常的に利用する安全で手頃な価格の便利な製品を提供している」と述べた。
2025年12月3日(水)
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