2022/08/07

🇫🇯本態性血小板血症

造血幹細胞が腫瘍化して発生し、血液中の血小板が正常範囲を超えて増加する疾患

本態性血小板血症とは、すべての血液細胞のもとになる造血幹細胞が腫瘍(しゅよう)化して発生し、血液中の血小板が正常範囲を超えて増加する疾患。

この本態性血小板血症は、慢性骨髄増殖性疾患というグループに属する血液腫瘍疾患の一つで、同じグループには慢性骨髄性白血病、真性多血症、特発性骨髄線維症が属しています。

本態性血小板血症では、とりわけ血小板のもとになる巨核球の腫瘍性増殖が特徴的で、結果として末梢(まっしょう)血液における血小板数が著しく増加します。巨核球の腫瘍性増殖が起こる原因については、詳しくはわかっていません。しかし、約半数の例では真性多血症と同じくJAK2と呼ばれる遺伝子の異常が認められており、この異常が発症にかかわっていると考えられています。

慢性骨髄性白血病と異なり、特殊な染色体であるフィラデルフィア染色体の形成は認められません。また、いわゆる遺伝性の疾患ではないので、子孫に影響することはありません。100万に数人の割合で発症するまれな疾患であり、診断時の平均年齢は60歳で女性に多く、20歳未満の人が発症することはめったにありません。

全く自覚症状がない場合も多く、健康診断や他の疾患で医療機関を受診した際の血液検査の結果、発見されるケースもあります。

疾患が進行すると、血小板の数が著しく増加するので、血管内に血栓ができやすくなり、頭痛を始め、倦怠(けんたい)感、めまい、耳鳴り、視覚異常などがみられることがあります。時には、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞のような重大な合併症を起こすこともあります。

逆に、血小板が増えすぎることで、その出血を止める機能が低下し、鼻血が出る、歯茎に血がにじむ、あざになりやすいといった出血傾向がみられることもあります。肝臓や脾臓(ひぞう)がはれて、腹部の張りを感じることもあります。

本態性血小板血症の検査と診断と治療

内科、血液内科の医師による診断では、血液検査で血小板数が増えている場合に、本態性血小板血症を疑い検査を行います。血小板を増加させる本態性血小板血症以外のさまざまな原因がないかを確認することと、慢性骨髄性白血病ではないことを確認することが必要です。

具体的には、炎症の指標であるCRP(C反応性タンパク)が正常で、鉄の不足がないことを確認することが大切です。また、血液がどの程度固まりやすくなっているかを調べるために、血小板凝集能検査を行うこともあります。骨髄検査も行い、骨髄に線維化がないことと、慢性骨髄性白血病に特徴的なフィラデルフィア染色体およびBCRーABL遺伝子が見付からないことを確認します。

貧血は通常、起こりません。脾臓がはれて大きくなっている場合が、しばしばあります。

内科、血液内科の医師による治療では、無症状で血小板数がそれほど多くない場合には、無治療で経過を観察することがあります。血小板の数が100万μlを超えるような場合には、アスピリン(バイアスピリン)やチクロピジン(パナルジン)などの血小板の機能を低下させる抗血小板剤を投与して、血小板の働きを抑えます。

血栓による症状や出血傾向を認める場合、高齢者である場合には、経口抗腫瘍剤であるハイドロキシウレア(ハイドレア)、ブスルファン(マブリン)などを投与して、血小板数を減らします。なお、ハイドロキシウレア(ハイドレア)を服用している際には、足の皮膚に潰瘍(かいよう)ができる副作用に注意する必要があります。

いずれの治療も、疾患そのものを治すことはできないものの、コントロールすることによって、合併症の起こるリスクを減らすことができます。予後は比較的良好ですが、まれに急性骨髄性白血病や骨髄線維症に進行することもあります。その場合には、症状に応じた治療が必要になります。

食事、運動、旅行などの日常生活全般についての制限は、ほとんどありません。治療の有無に関わらず、定期的に血液検査を受けることが重要です。屋外で仕事をする場合には、水分を十分に摂取して、脱水症にならないよう注意することが必要です。

出血症状が強い場合や、抗血小板剤を服用している場合には、外傷に気を付ける必要がありますし、抜歯や手術が必要な場合には、あらかじめ主治医に相談することが大切です。

🇫🇯片頭痛

片頭痛は、何らかの原因で頭蓋(とうがい)内外の血管が拡張することにより、血管を取り巻く神経が刺激されるために起こる頭痛です。なぜ血管が拡張するのか、その原因は不明です。比較的若い年代に多く、また女性に多いのが特徴です。

【痛みの特徴】

脈に合わせて「ズキンズキン」と激しく痛みます。徐々に痛み出すのではなく急に激しい痛みに襲われることも、緊張性頭痛との違いです。片頭痛といっても頭の片側だけが痛むとは限らず、両側が痛むこともよくあります。

数時間から2~3日続く痛みが、1カ月に数回繰り返されるのが特徴で、発作の前に気分や体調の変化、目のちらつきなどが起こることがあります。また、吐き気や嘔吐(おうと)を伴ったり、音や光に敏感になることもあります。

○片頭痛の予兆

(頭痛が起こる前触れ。頭痛が始まる2~3時間前に見られる)

* あくび

* イライラ

* 空腹感

* 甘いものが食べたくなる

* むくみ など

○片頭痛の前兆

(頭痛の始まるサイン。頭痛の始まる30分くらい前に起こる)

* 閃輝暗点:視界にチカチカした光(閃輝)が広がり、やがて中心部から見えにくくなる(暗点)。

【原因】

片頭痛は、動脈を収縮させているセロトニンという物質が何らかの原因によって急激に減少してしまい、その結果動脈が拡張することが原因だとされています。また、脳幹から出ている三叉神経の末端から、何らかの原因によって「痛み物質」が大量に放出され、その刺激で脳の血管が拡張、炎症を起こすことが原因だとする説もあります。いずれにしてもその根本的な原因は不明です。しかし、片頭痛を引き起す誘因があることはわかっています。

○ストレスからの解放

ストレス中は血管が緊張しているために頭痛は起きませんが、ストレスから解放されると血管が拡張し、頭痛が起こります。仕事から解放された週末などに、片頭痛が現れることが多いのです。

○女性ホルモンの変化

生理の前後はホルモンが急激に変化するため、片頭痛が起こりやすくなります。逆に、妊娠中はホルモンが安定するため起こりにくいのです。

○人ごみや騒音、強い光などの物理的刺激

○特定の飲食物の取りすぎ

人によっては、チョコレートやワイン、チーズ、柑橘(かんきつ)類、ナッツなどによって、片頭痛が起こることがあります。

【治療と予防】

痛みが軽い場合、市販の鎮痛剤の服用で痛みを抑えることができます。痛みが本格化してからでは効きが悪くなるので、なるべく早めに、できれば予兆や前兆が現れた段階で、飲むのがコツです。

市販の鎮痛薬が効かない場合は、医療機関に受診することをお勧めします。医療機関では、主にセロトニン作動薬(トリプタンやエルゴタミン製剤)を使います。また、あまりにも片頭痛が頻繁にある場合は予防薬(塩酸ロメリジン)などを処方します。

片頭痛が起きたら…

○安静を保つ

暗い静かな部屋で横になるとよいことがあります。

○冷やす

痛む部分を冷やすと血管が収縮し、痛みが和らぎます。

○一眠りする

適度な睡眠をとると、拡張した血管が正常に戻ります。ただし、寝すぎるとかえって血管が拡張することがあるので、要注意です。

○コーヒーを飲む

カフェインには血管を収縮させる作用があるので、人によっては痛みが和らぐことがあります。

🇹🇴べんち

刺激や圧迫により、足の皮膚が部分的に厚くなった状態

べんちとは、外からの持続的な機械的摩擦や圧迫などによって、足の皮膚表面の角質層が部分的に厚くなった状態。べんち腫(しゅ)、たことも呼ばれます。

厚くなった皮膚の状態が平らに盛り上がっているもので、手で触ると硬く感じるものの、痛みは生じません。慢性化すると、表面が白くカサカサになり、女性ではストッキングが引っ掛かったりもします。

べんちと同様、足の皮膚表面の角質層が部分的に厚くなる状態には、魚の目(鶏眼〔けいがん〕)もあります。こちらの皮膚表面の角質層は、円錐(えんすい)状に下に向かって厚くなっています。その中央にある芯(しん)が皮膚の奥深くへと入り込み、先がとがっているため、上から押したり、立ったり歩いたりして体重が掛かると、神経を刺激して痛みを生じます。

べんちのできやすい場所は足の指の背(上側)、指と指の間、足裏の母指球の下、第2指と第3指の付け根あたり。いずれも靴による摩擦や圧迫を受けやすい場所です。まれに、かかとにできることもあります。筆記用具を長期間使用したり、スポーツを長期間行ったりすることにより、手指と手指の間、手のひらに、いわゆるペンだこ、ゴルフだこなどと呼ばれるべんちができることもあります。

足にできるべんちの原因のほとんどは、靴の履き方が悪いために足に掛かる体重分散が偏ることと、足に合わない靴を履いているために摩擦や圧迫を受けることにあります。例えば、小さめの靴を履いていると、足の指や付け根などが靴に当たり、圧迫され続けます。靴幅が狭くて、指が両側から圧迫されると、指と指の摩擦が起こります。こうした圧迫や摩擦の結果、皮膚は硬くなり、べんちになります。

大きめの靴でも、足が靴の前側へと滑っていき、やはり指や付け根のあたりが圧迫されて、同じことが起こります。 底が薄い靴でも、地面から受ける衝撃が大きく、足の裏が圧迫されます。

べんちのできやすい足もあります。その代表が開張(かいちょう)足で、親指と小指の付け根を結ぶ横のラインの中央に、くぼみがなく、ベタッとした足を指します。この開張足の人は、横ラインの中央部が靴底の圧迫を受け、べんちができやすくなります。開張足かどうかは、靴の内底や中敷(インソール)を見てもわかります。第2指と第3指の付け根の当たる部分などが汚れていたり、擦り減っていれば、そこに力が掛かっていることになります。

開張足の原因としてよくみられるのは、運動不足と立ち仕事などによる疲労です。運動不足、特に歩くことをあまりしないと、指の骨をつなぐ靱帯(じんたい)が弱ってきます。その状態で立ち仕事などを続けていると、疲労のために靱帯が伸び切った状態になり、開張足を起こします。

ハンマー足指やその他の足指の変形も、べんちの原因となります。ハンマー足指とは、靴の爪先(つまさき)部分がきついために指が伸ばせず、指の関節がハンマーのような形で曲がったままになった状態です。曲がって上へ飛び出した足指の背が靴に当たるため、そこが角質化しやすくなります。

巻き爪、内反小趾(ないはんしょうし)も、原因となります。巻き爪とは、伸びた爪の両端が皮膚に食い込んだ状態で、先の細い靴で爪足が両側から圧迫され続けると起こります。巻き爪気味の人は、指と指がこすれ合うので、指の間にべんちができやすくなります。

内反小趾とは、親指が圧迫を受けて変形する外反母趾と逆に、小指が圧迫を受けて変形した状態で、小指の外側にべんちができる人は放っておくと小指が変形し、手術の必要性が生じます。

女性では、冷え性と関係していることもあります。特に足の冷えやすい人は、血行不良から皮膚の角質化が起こりやすいとされています。中高年では、動脈硬化や糖尿病と関係していることもあります。動脈硬化の場合には足の血行不良から、糖尿病では末梢(まっしょう)神経の障害から、べんちができやすくなるからです。反対に、べんちが治らないことから、動脈硬化などの疾患が発見されることもあります。

痛みがないために、べんちをそのまま放置しておくと、魚の目になる可能性もあり、ひび割れた場合は化膿(かのう)することもあります。そうなると治りも遅くなりますので、早めに治療しましょう。

べんちの自己治療と医師による診断

べんちの治療と予防に必要なことは、外からの機械的な摩擦や圧迫を防ぐことです。そのためには、足に合った靴を選び、べんちの上にスポンジを当てて、絆創膏(ばんそうこう)でしっかり固定するか、薬剤の入った市販の保護パッドを張っておきます。軽い症状なら、しばらくすると自然に治っていきます。

また、スピール膏、ないしサリチル酸含有軟膏を使用するのもよいでしょう。これらは皮膚の角質を軟化させるもので、家庭で行える治療薬として広く使用されています。まず、スピール膏などを患部の大きさと同じか、少し小さめに切って患部に当てて、その上から絆創膏で固定します。2〜3日してはがすと、患部が白くふやけているので、ナイフかはさみで痛くない程度に削り取ります。これを何回か繰り返します。

保護パッドなどで治らない場合や、痛みがひどかったり、悪化したりした場合には、早めに皮膚科の専門医の治療を受けます。医師による治療では通常、外科用のレーザーメスや電気メスで厚くなった部分を削ります。その後、フェルトや毛皮でできたさまざまな種類のパッドを当てて、患部への圧迫を減らします。

患部の血流障害がある時は、削って切除することはできません。この場合は、患部にかかる圧力を減らすために、矯正器具やインナーを挿入した特殊な靴が必要になります。

手術で除去しても、自分の足に合わない靴を履き続けていると再発します。予防の基本は、靴選びにあります。靴の理想は「きつからず、緩からず」で、靴店では必ず両足とも履いて、歩いてみます。腰掛けたり、かがんだりして、爪先やくるぶし、かかとなどに当たる個所がないかどうか確認します。モデル風に一直線上を早歩きしてみると、当たる個所がわかりやすくなります。足がむくんで大きくなる夕方の時間帯に、ピッタリの靴を買っておけば、後できつくて足が痛いということもなくなります。

なお、開張足は自分である程度は治すことができます。床にフェイスタオルを広げ、その端に裸足の足を乗せます。そして、足指でタオルをたぐり寄せる練習をします。よりハードなものでは、フローリングの床に裸足で立ち、指で床をつかむようにして前進します。どちらも開張足の改善、予防だけでなく、血行をよくして足の疲労回復にもつながります。

🇹🇴扁桃(へんとう)炎

口蓋扁桃に炎症の起こる疾患。急性と慢性の別

扁桃(へんとう)炎とは、口蓋(こうがい)扁桃に炎症の起こる疾患。急性扁桃炎と慢性扁桃炎に分けられます。

急性扁桃炎

咽頭(いんとう)粘膜の炎症である急性咽頭炎と一緒に起こりますが、特に扁桃に強い急性の炎症がある場合を急性扁桃炎と呼びます。

扁桃には常時、いろいろな細菌が住み着いていますが、気温の急変、過労、風邪などで全身の抵抗力が弱まった時に、いろいろな細菌が活動し始め、急性症状を起こします。また、風邪のウイルス感染が、直接の原因となることもあります。

慢性扁桃炎

急性扁桃炎を繰り返すうちに、慢性化したものです。のどが熱っぽかったり、軽い異物感や、食べ物を飲み込む時に起こる嚥下(えんげ)痛などがあります。熱はあっても、微熱程度です。

しかし、この慢性扁桃炎からリウマチ性関節炎、腎(じん)炎、心内膜炎、心筋炎、結節性紅斑(こうはん)などの疾患が起こることがあるので、油断はなりません。

扁桃炎の検査と診断と治療

急性扁桃炎

治療には、安静が必要です。首を温湿布か冷湿布すると、痛みが軽くなります。医師は、うがいやルゴール液の塗布を勧め、抗生物質を投与します。化膿(かのう)して、うみがたまったら、切開排膿します。

慢性扁桃炎

1年に4、5回以上急性化する扁桃炎は、手術が勧められます。手術は耳鼻科では簡単なほうで、約1週間の安静が必要です。

🇼🇸便秘

排便回数が少なく、3日に1回未満、週2回未満しか、便の出ない状態

便秘とは通常、排便回数が少なく、3日に1回未満、週2回未満しか、便の出ない状態。

便が硬くなって出にくかったり、息まないと便が出なかったり、残便感があったり、便意を感じなかったり、便が少なかったりなど多様な症状も含みます。便の水分が異常に少なかったり、うさぎの糞(ふん)のように固い塊状なら便秘です。

便秘の症状の現れる時期は、さまざまです。一般には、加齢とともに増加する傾向にありますが、女性のほうが男性より多いと見なされ、若い女性の便秘は思春期のころに始まることも少なくありません。

この便秘は、大きく分けると機能性便秘と器質性便秘に分類され、機能性便秘はさらに弛緩(しかん)性便秘、痙攣(けいれん)性便秘、直腸性便秘、食事性便秘の4種類に分類されます。

機能性便秘というのは、大腸の働きの異常が原因で便秘が起こるもので、ほとんどの便秘が機能性便秘に相当します。

機能性便秘のうちの弛緩性便秘は、一定のリズムと緊張を持って運動して便を送り出している腸管の蠕動(ぜんどう)運動の低下により、腸の中の内容物の通過が遅れ、水分の吸収が増加するために便秘が起こるものです。排便時に腹圧をかけるのに必要な、腹筋などの筋力が弱まることも原因になります。弛緩性便秘では、排便回数や便の量が少ないタイプの便秘になります。

痙攣性便秘は、ストレスや感情の高まりに伴う自律神経のアンバランス、特に副交感神経が緊張しすぎることによって便秘が起こるものです。下行結腸に痙攣を起こした部位が生じ、その部位が狭くなって、便の正常な通過が妨げられます。痙攣を起こした部位の上部は腸の圧力が高くなるため、腹が張った感じがして、不快感や痛みを感じます。排便があっても、便の量が少なく、うさぎの糞のように固い塊状となります。

排便後には少しは気持ちがよくなりますが、十分に出切った感じがなく、すっきりしないなど、残便感を生じる人が多いようです。便秘の後に、腸の狭くなった部位より上のほうで水分の量が増えるため、水様の下痢を伴うこともあり、便秘と下痢を交互に繰り返す場合もあります。大腸の緊張や痙攣により、便が滞りやすいために起こる便秘もあります。

直腸性便秘は、習慣性便秘とも呼ばれ、排便を我慢する習慣が便意を感じにくくさせるために便秘が起こるものです。便が直腸の中に進入すると、直腸の壁が伸びる刺激で便意は起きますが、この便意をこらえて、排便を怠たったり、排便を我慢することが度重なると、刺激に対する直腸の感受性が低下して、直腸内に便が入っても便意が起こらなくなってしまい便秘となります。

食事性便秘は、食物繊維の少ない食物を偏って食べていることが原因で、腸壁に適当な刺激がなくなって便秘が起こるものです。また、食事の量が極端に少ない場合も便秘になります。

一方、器質性便秘というのは、腸や肛門(こうもん)の腫瘍(しゅよう)や炎症、閉塞(へいそく)などの疾患、あるいは巨大結腸症のような腸の長さや大きさの先天的異常などが原因で便秘が起こるものです。器質的便秘の原因となる疾患としては、大腸がん、大腸ポリープ、クローン病、腸閉塞(イレウス)、虫垂炎など腹の手術の後の腸の癒着、潰瘍(かいよう)性大腸炎、後腹膜腫瘍、子宮筋腫、直腸がん、直腸ポリープ、直腸脱、直腸重積(じゅうせき)、直腸瘤(りゅう)などがあります。

また、便秘には、旅行や生活の変化に伴う数日間だけの一過性の便秘と、症状が1〜3カ月以上続く慢性便秘があります。便秘が続くと、腸内細菌のバランスが崩れ、腐敗便がたまると、肌のトラブルや大腸がん発生の引き金になります。

それまで規則的であった排便が便秘に変化した場合や、便に血が混じる場合、腹痛を伴うような場合は、器質的便秘が疑われるので、早めに肛門科、あるいは消化器科、婦人科を受診し検査を受ける必要があります。

便秘の検査と診断と治療

肛門科、あるいは消化器科、婦人科の医師による診断では、器質的便秘が疑われる場合は、まず大腸の検査を行います。これには注腸X線検査と大腸内視鏡検査があり、ポリープやがん、炎症性腸疾患などを診断します。

機能的な慢性便秘を詳しく調べる検査として、X線マーカーを服用して大腸の通過時間を調べる検査や、バリウムによる模擬便を用いて、排便時の直腸の形や動きを調べる排便造影検査があります。

肛門科、あるいは消化器科、婦人科の医師による治療では、食事指導、生活指導、運動、緩下剤といった保存的治療法が主体となり、これらをうまく取り入れて便通をコントロールするようにします。日常の食生活で不足しがちな食物繊維を補うためには、市販の食物繊維サプリメントであるオオバコ、小麦ふすまなどを活用するのもよい方法です。

緩下剤は、腸への刺激がなく、水分を保持して便を軟らかくする酸化マグネシウムなどの塩類下剤を主体として使用します。センナ系、漢方などの速効性の刺激性下剤は、できるだけ常用しないように心掛けます。刺激性下剤を常用すると、次第に腸が下剤の刺激に慣れて効果が鈍くなり、ますます便秘が悪化することがあるためです。

直腸瘤が便秘の原因となっている場合は、その症状と大きさから判断して手術で治療することもあります。

🟥サル痘3例目、初の国内感染例か アメリカ軍横田基地で確認

 厚生労働省は5日、天然痘に似た感染症「サル痘」に、在日アメリカ軍横田基地(東京都福生市など)に所属するアメリカ軍関係者の20歳代男性が感染していることを確認したと発表しました。国内3例目。直近の海外渡航歴はなく、国内で感染した疑いのある初めてのケースとなります。

 厚労省によると、男性は4日に基地内の病院を受診し、そのまま入院しました。5日、感染が判明したとアメリカ側から日本政府に連絡があったといいます。頭痛、身体の痛み、寒気、倦怠(けんたい)感、発疹などの症状があるといいます。現在の容体や国籍について、同省はプライバシーを理由に明らかにしていません。

 男性は発症前、海外から日本を短期で訪問していた人と接触歴があったといいます。男性の濃厚接触者は調査中といいます。

 サル痘は7月下旬に東京都内で2人の感染者が確認されました。いずれも海外渡航歴があり、海外で感染したとみられます。

 国内では国立感染症研究所や地方衛生研究所でPCR検査を実施可能なほか、サル痘に効果が期待される天然痘のワクチンや治療薬の投与体制を整えています。

 2022年8月7日(日)

🟥新型コロナ国内感染、新たに22万7563人 5日連続20万人超

 国内では6日午後10時の時点で、東京都で3万970人、大阪府で2万2550人、愛知県で1万5937人、神奈川県で1万1410人、埼玉県で1万2877人、福岡県で1万2649人、兵庫県で1万1625人、千葉県で1万100人など全47都道府県と空港検疫で、新たに22万7563人の新型コロナウイルスへの感染が発表されました。

 前週の同じ曜日(7月30日)より5303人増えて、過去5番目の多さとなりました。全国の新規感染者が20万人を超えるのは5日連続で、岩手、兵庫、広島、高知の4県では1日当たりの感染者数が過去最多を更新しました。

 また、大阪府で23人、愛知県で15人、東京都で13人、神奈川県で12人、兵庫県で11人、静岡県で10人、埼玉県で9人、北海道で7人、千葉県で5人、宮崎県で5人、三重県で4人、福岡県で4人、高知県で4人、大分県で3人、熊本県で3人、長崎県で3人、京都府で2人、山口県で2人、岡山県で2人、香川県で2人、佐賀県で1人、奈良県で1人、宮城県で1人、山形県で1人、岐阜県で1人、岩手県で1人、島根県で1人、広島県で1人、愛媛県で1人、滋賀県で1人、群馬県で1人、鳥取県で1人、鹿児島県で1人の、合わせて152人の死亡の発表がありました。

 国内で感染が確認された人は、空港検疫などを含め1409万5699人、クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて1409万6411人となっています。

 感染して亡くなった人は、国内で感染が確認された人が3万3546人、クルーズ船の乗船者が13人で、合わせて3万3559人です。

 厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、前日より11人増えて6日時点で567人となっています。

 大阪府は6日、新型コロナウイルスの新たな感染者を2万2550人確認したと発表しました。感染者数は前の週の同じ曜日(2万2829人)と比べ279人減りました。府内の感染者の累計は149万2827人。

 新たに50~90歳代の男女23人の死亡が判明し、府内の累計死者数は5457人。

 6日時点の重症者は前日から1人減の73人で、重症病床(598床)の同日の実質使用率(重い持病などを抱える軽症・中等症患者らを含む)は23・4%になりました。軽症・中等症病床には2967人が入院しており、軽症・中等症病床(4224床)の使用率は70・2%となりました。

 新規感染者のうち、感染者と同居して症状があり、PCR検査を受けずに医師の診断で陽性と判断された濃厚接触者は875人。自宅療養者は14万8250人。公費によるPCR検査などを3万4837件実施しました。

 2022年8月7日(日)

🟥COP30、合意文書採択し閉幕 脱化石燃料の工程表は見送り

 ブラジル北部ベレンで開かれた国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は22日、温室効果ガス排出削減の加速を促す新たな対策などを盛り込んだ合意文書を採択し、閉幕した。争点となっていた「化石燃料からの脱却」の実現に向けたロードマップ(工程表)策定に関する直接的な記述...