2022/08/08

🇱🇸鎖陰

先天的に、あるいは後天的に女性性管の一部が閉鎖した状態

鎖陰(さいん)とは、処女膜、腟(ちつ)、子宮などの女性性管の一部が閉鎖した状態。性器閉鎖症とも呼ばれます。

先天的に発生することが多いものの、後天的に外傷や炎症などのために起こることもあります。主なものに、処女膜閉鎖症、膣閉鎖症(腟横隔)、膣狭窄(きょうさく)症、膣欠損症があります。

処女膜閉鎖症は、腟口部を取り囲むヒダ状の器官で通常、中央部は開いているはずの処女膜が、完全にふさがっている状態。そのために閉鎖した腟内や子宮、卵管に月経血、分泌物などがたまり、下腹部痛を起こしたり、しこりを生じたり、腰痛を起こしたりします。また、膀胱(ぼうこう)刺激症状や排便痛を起こすこともあります。

腟閉鎖症は、ほとんどが膣の上部3分の1と膣の下部3分の2との境界部に好発し、腎臓(じんぞう)の奇形を合併することもあります。処女膜閉鎖症と同様、思春期以降に月経が起こっても、流出路が閉鎖しているために月経血が排出されずに腟内や子宮、卵管にたまり、月1回、定期的にかなり強い下腹部痛を起こします。

月経血の貯留が高度になると、下腹部にしこりを感じ、排尿障害、排便障害、腰痛、持続的な腹痛が起こることもあります。大量の貯留が長期間放置されると、子宮や膣が過伸展、変形して、後に不妊症の原因になることもあります。

膣狭窄症は、胎児期におけるミュラー管という組織の発生障害によって生じる先天性のものと、小児期のジフテリアや、はしか(麻疹〔ましん〕)などによる膣炎の後遺症として生じた癒着による後天性のものとがあります。狭窄の程度によって全く症状を欠く場合もありますが、高度の場合は月経血の排出障害、分泌物の貯留を起こしたり、膣炎が起きたり、異常な下り物をみることもあります。膣が狭いために、性行為に問題を抱えます。

処女膜閉鎖症、膣閉鎖症、膣狭窄症はいずれも、思春期に初経がこないため婦人科を受診し、発見される例がほとんどです。

腟欠損症は、先天的に女性の腟の一部、または全部が欠損した状態で、腟や子宮の異常がさまざまな程度に起こります。染色体は正常女性型で、卵巣はほとんど正常にあり、女性ホルモンも正常に出ています。外陰部も正常で、女性としての二次性徴も正常です。

膣狭窄症と同様、胎児期におけるミュラー管という組織の発生障害によって生じ、子宮はわずかに痕跡(こんせき)を残す程度にしか発育せず、腟も長さが2~3センチと短いか、全くない状態になります。はっきりした原因はまだわかっていませんが、血管に異常が起こってミュラー管へ血液が流れなくなり、正常な発生ができなくなると推測されています。

腟欠損症は、医学的には上部腟欠損、下部腟欠損、全腟欠損に分類されます。頻度は4000~5000人に1人とされ、そのうち95パーセントは月経を起こし得る機能性子宮を持ちません。

全腟欠損で機能性子宮を持たない場合をロキタンスキー症候群と呼び、腟欠損の中で最も頻度が高いものです。月経機能を失っている状態で、月経血の貯留による症状はなく、無月経がほぼ唯一の症状となります。卵巣からの排卵はありますが、体内で死滅して吸収され、体外に排出されるということはありません。

一部の腟欠損で機能性子宮を持つ場合には、思春期以降、月経に伴って子宮や卵管への月経血の貯留を起こすため、月経血をみないまま周期的な腹痛が出現する月経モリミナという症状が現れます。

また、機能性子宮の有無にかかわらず、普通の性行為はできません。まれに、骨の異常があることもあります。

腟欠損症に気付いたら、婦人科医、ないし産婦人科医を受診してください。

鎖陰の検査と診断と治療

婦人科、産婦人科、あるいは小児科の医師による診断は、内診のほか、超音波検査、MRI検査、基礎体温の測定、血液中ホルモン検査、腎臓(じんぞう)と尿管の検査、骨のレントゲンなどを行います。

医師による処女膜閉鎖症、腟閉鎖症(腟横隔)の治療は、閉鎖部位を切開して、月経血や分泌物などの通り道を作れば解決し、後遺症もなく治ります。軽度の処女膜閉鎖症では、簡単な十字切開手術ですみます。膣閉鎖症では、膜様閉鎖では切開のみで問題ありませんが、閉鎖部が厚い場合には輪状切開を行います。この輪状切開を行った場合には、手術後の瘢痕(はんこん)性委縮に注意する必要があります。

処女膜閉鎖症、膣閉鎖症の場合には、閉鎖している部分を切開して完治するので性交渉も可能になります。卵巣および子宮は正常なので、その後の月経も含めて問題はなくなり、正常な妊娠、出産も可能になります。ただし、長期間放置して診断が遅れた場合には、卵管卵巣の壊死(えし)や破裂による腹膜炎を来すことがあります。

膣狭窄症の治療は、程度に応じて頸管(けいかん)拡張器による膣腔(ちつくう)の拡大、狭窄部の小切開、さらに全体的膣形成までさまざまな手術が行われます。

腟欠損症の治療では、性行為ができるように人工的に膣を造る造腟手術を行います。子宮に異常を伴う場合には妊娠が不可能な場合もあり、造腟手術により性行為を可能にして精神的不具感をいやすことが治療の主眼となります。手術は、思春期以降の性的関係を持つ時期を目安に行われます。

造腟手術には数多くの術式があり、今なおさまざまな工夫が試みられています。主な術式は、フランク法、マッキンドー法、ダビドフ法、ルーゲ法の4つです。

フランク法は、腟前庭(ぜんてい)をヘガール持針器などで圧伸して腟腔を形成したのち、その腟腔を拡張する方法。マッキンドー法は、出血を余儀なくされる処置で腟腔を形成したのち、皮膚移植により腟壁を形成する方法。ダビドフ法は、出血を余儀なくされる処置で腟腔を形成したのち、骨盤腹膜を利用して腟壁を形成する方法。ルーゲ法は、出血を余儀なくされる処置で腟腔を形成したのち、開腹してS状結腸を切り離し、腟壁として利用する方法。

以上4つの方法が従来行われてきましたが、近年では腹腔鏡下手術が行われることも増えてきました。患者の体にかかる負担を軽減し、骨盤腹膜やS状結腸を使った手術が可能となっています。

このような手術の後には、膣管の状態を維持する必要があります。定期的な性交渉やプロテーゼ(腟ダイレーター)により、状態を保たなければいけません。プロテーゼ(腟ダイレーター)とは、筒状の拡張器具のことを指し、皮膚を伸展させて腟管を形成する目的で使用されます。

🇧🇼逆さまつげ

まつげが内側に向き、眼球表面に触れている状態

逆さまつげとは、本来は外向きに生えているまつげが内向きに生えて、眼球の表面に触れている状態。まつげが角膜を刺激するため、目やにや涙が多くなり、目が充血します。

目の縁に沿って生えているまつげは、いわば目の門番。目にゴミや虫などが入ろうとすると、すぐに察知して、まぶたを閉じさせます。そのまつ毛が角膜側を向く原因には、まぶた自体が内向きにまくれ込んでいる眼瞼(がんけん)内反と、まぶたには問題はなく、毛根からのまつ毛の生え方がいびつで角膜側を向く睫毛乱生(しょうもうらんせい)とがあります。

眼瞼内反には、先天性のものと加齢性(老人性)のものが多く、いずれもまぶたの皮膚や皮下脂肪の過剰やたるみ、皮下の筋肉の筋力低下などによるものです。

先天性の眼瞼内反で、まぶたの内反の程度が軽く、皮膚などが過剰なため、まつ毛全体の生える方向全体が内向きである場合、特に睫毛内反と呼ぶことがあります。乳幼児、若年者に多くみられるのが、睫毛内反の特徴です。

乳幼児の場合、まぶたの特に下まぶたの脂肪が過剰なためにふっくらとしていて、まぶた自体が内側を向いているもので、小学校入学時までにその脂肪も成人とほぼ同じになり、自然にまぶたが外側を向いてきて、ほとんどの場合、自然に治癒します。

高齢者に多い加齢性(老人性)の眼瞼内反では、皮下脂肪が少なくなって、上まぶたがやせてたるんでくるために、まつげが内反することもよくあります。加齢によって涙の分泌も減っているため、目の症状が出やすいのが特徴です。

また、これらのほかに、炎症などの結果、まぶたが変形して起こる瘢痕(はんこん)性の逆さまつげや、まぶたがけいれんして起こる逆さまつげなどもあります。いずれも、一並びのまつ毛全体が角膜側を向くので、多くのまつ毛が角膜に当たることになります。

一方、睫毛乱生は眼瞼縁炎など、まつ毛の毛根部の炎症によって引き起こされることが多く、角膜に当たるまつ毛の数は1本のみの場合から多数の場合までいろいろです。

症状としては、幼児ではまばたきが多くて、目をよくこすったり、光をまぶしがったり、目やにや涙が多くなったり、目が充血したりします。生後間もない乳児では、まつげが細く軟らかいため、症状はあまり出てきません。小児、成人では、幼児の症状に加え、異物感、痛みなどが生じます。成長するとまつげが硬くなるため、角膜の傷がひどくなり、角膜が混濁して視力が低下してくる場合もあります。

逆さまつげの検査と診断と治療

涙や目やにが多いなど同様の症状でも、結膜炎、眼瞼縁炎などの場合もあるので、早めに専門医を受診して、原因をはっきりさせることが大切です。

眼科外来での診察では、まぶたの形状、まつ毛が角膜に接触していること、角膜の傷の程度などを診断します。常時まつ毛が角膜に接触している場合のほかに、眼球運動やまばたきの強さ次第で、まつ毛が角膜に接触する場合があります。

先天性の眼瞼内反、睫毛内反の場合、成長とともに1歳前後で自然に治ることが多いので、それまでは抗生物質入りの点眼液や眼軟膏(なんこう)を用いて眼球を保護し、様子をみるのが普通です。

2歳以上で治らない場合、さらなる成長に伴い自然治癒することも期待できますが、症状の強さ次第では手術を考えます。4~5歳になっても症状が軽減しない時などは、手術をします。

加齢性の眼瞼内反では、まつ毛を抜くと一時的に症状は改善しますが、再びまつ毛が生えると同じことの繰り返しになります。また、抜くにしても、一並びのまつ毛全体を抜く苦痛も決して軽くはありません。手術して治すほうが効果的です。

睫毛乱生でも、まつ毛を抜くと一時的に症状は改善しますが、まつ毛が生えるとやはり同じことの繰り返しです。抜く本数が少なくても、繰り返せば炎症を引き起こしたり、さらに太いまつ毛が生えてくる場合もあります。

きっちり治すには手術が必要で、まつ毛の毛根を電気の針で焼く睫毛電気分解や冷凍凝固、あるいは眼瞼内反手術に準じた手術などが行われます。簡単には治らない場合もあります。

🇧🇼桜根母斑

褐青色の色素斑が顎の下や首の回りに現れる皮膚の疾患

桜根母斑(さくらねぼはん)とは、顎(あご)の下や首の回りに現れる、境界の不明瞭な褐青色の色素斑。

母斑は、皮膚の一部分に色調や形状の異常が現れる状態で、あざとも呼ばれています。ほくろ(黒子)も母斑の一種で、その一番小さい型に相当します。

桜根母斑には、生後間もなく色素斑ができる早発型と、小児期や思春期に色素斑ができて徐々に拡大する遅発型の2種類があります。

色素斑は、顎の下や首の回りの淡褐色の皮膚の上に、濃青色から青みを帯びた小さな斑点がたくさん集まった状態で現れます。皮膚の表面は滑らかで、盛り上がったりしません。

原因は、メラノサイト(メラニン細胞、色素細胞)にあります。通常は表皮にあって、メラニンという皮膚の色を濃くする色素を作り出すメラノサイトが、深い部分の真皮の上層に存在し増殖しているために、皮膚が褐青色に見えてしまいます。

通常、色素斑は大きさや状態が変化せず持続して存在し、自然に消えることはありませんが、悪性化を心配することもありません。

なお、同様の性状の色素斑が片側のまぶたから額、頬(ほお)にかけて現れるものを太田母斑と呼び、同様の性状の色素斑が肩から上腕に現れるものを伊藤母斑と呼びます。

桜根母斑の見た目が気になるようなら、カバーマークによる化粧で色を隠すのも選択肢の一つですが、皮膚科、皮膚泌尿器科、ないし形成外科を受診し色素斑を除去することも勧められます。

桜根母斑の検査と診断と治療

皮膚科、皮膚泌尿器科、ないし形成外科の医師による診断では、部位や色素斑の様子から視診で判断します。皮膚をほんの少し切り取って病理組織検査を行うと、真皮上層に色素含有メラノサイトが認められます。

また、蒙古(もうこ)斑が手足や顔、腹部、背中の上部、胸などに現れる異所性蒙古斑や、通常のほくろよりも全体に青色が強く、青色から黒色調に見えるタイプのあざである青色母斑などの皮膚疾患と鑑別します。

皮膚科、皮膚泌尿器科、ないし形成外科の医師による治療では、悪性化の心配はないため、見た目の問題で気になるならQスイッチレーザー治療により、色素斑を除去します。

Qスイッチレーザーには、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、ヤグレーザーなどがあり、レーザーの種類により多少の効果や経過の違いがみられます。特定のレーザー光線を照射すると、皮膚の中にあるメラニン色素に対してのみ反応するため、周辺の正常な皮膚組織へのダメージを極力抑えながら、色素斑の元になっているメラニン色素だけを破壊することができます。

いずれのレーザー治療も痛みを伴うため、麻酔シール、注射などを使用して痛みの緩和を行います。治療対象となる桜根母斑の色が濃く、範囲が広い場合は、1〜2回のレーザー照射だけは不十分で、およそ3カ月の間隔で、少なくとも5~6回の照射を行います。

治療時期は何歳からでも可能ですが、小児の場合は全身麻酔が必要なため3歳ごろから開始するのが普通で、早期から開始するほうが効果が高いといわれています。成人の場合でも、かなり色調が改善し、完全に色素斑を除去できることもあります。

🇲🇼鎖骨骨折

肩部の胸の左右に一対ずつある鎖骨に生じる骨折

鎖骨骨折とは、肩部の胸の左右に一対ずつある鎖骨に生じる骨折。

鎖骨は、体幹の骨である胸骨と肩甲骨をつなぎ、胸と肩を真っすぐに保つ支柱の役目を果たしています。皮膚表面近くにあり、前から見るとほぼ一直線のような形状、頭のほうから見るとS字型の形状をしており、長い外観からもその存在を確認できます。

鎖骨骨折は、転倒して手や肘(ひじ)あるいは肩を地面などに突いた時に、その衝撃による外力が鎖骨に伝わって生じます。また、衝突などによって外力が直接鎖骨に働いて生じます。折れる瞬間、ボキッという音を聞くことも多く、皮膚表面近くにある骨なので、外側からの観察でも容易に骨折を確認できます。

乳幼児では、遊んでいる時に鎖骨骨折を生じることがあります。乳幼児は骨が厚い骨膜で包まれているため、骨の連続性が完全には断たれず、ヒビが入る不全骨折になることが多くみられます。着替えなどで痛がるようであれば、鎖骨骨折を生じていることがあります。小中学生では、遊んでいる時とともにスポーツ中の鎖骨骨折も多くみられます。

大人では、ラグビー、アメリカンフットボール、サッカー、柔道などのコンタクトスポーツ中の鎖骨骨折が多くみられます。また、自転車、バイクなどの転倒事故やそのほかの交通事故によって、大きな外力を受けた際に、鎖骨骨折に至ることもあります。

交通事故の場合、骨が折れるとともに周囲の軟部組織が損傷され、皮膚に傷口が開いた状態の開放骨折(複雑骨折)のことも多く、鎖骨の下にある神経や血管の損傷を合併することがあります。

さらに、外力からの衝撃による以外に、鎖骨骨折は新生児に生じることが多いのが特徴的。新生児が産道を通る時に、両肩に力がかかって鎖骨が折れるもので、骨の形成が不十分なためとされています。特に、逆子で足のほうから生まれる場合、腕を上に上げた状態となって不自然な力が加わるので、鎖骨骨折の危険がより高まることになります。

鎖骨骨折を生じると、骨折はほとんどが鎖骨の中央3分の1の部位で発生します。骨の連続性が完全には断たれると、体の中央寄りの近位骨片は上方へずれ、肩寄りの遠位骨片は下方にずれます。鎖骨の正常なS字型の形状が変形し、さらに両骨片は重なり合って1~2センチ短縮し、肩幅が狭くなり、肩が落ちます。

骨折した部位に皮下出血やはれ、痛みが生じ、腕や肩を動かすと痛みが強まります。痛みで腕を上げることができなかったり、無理に腕を上げようとすると骨が砕けるようなゴリゴリ感があったりします。

鎖骨骨折の検査と診断と治療

整形外科の医師による診断では、鎖骨の変形、はれ、痛み、皮下出血、圧痛、骨折部の異常な動きなどの症状と、X線(レントゲン)検査により鎖骨に骨折が認められることで、容易に確定できます。X線検査で確定できない場合でも、CT(コンピュータ断層撮影)検査により確定できます。

整形外科の医師による治療には、保存療法と手術療法の2つがあり、時間をかけて保存療法を行うことが多く、時に手術療法を行います。

ほとんどの鎖骨骨折の場合、鎖骨の下にある神経や血管が傷害を受けることは少なく、保存療法で完治が可能です。できるだけ発症者の胸を反らせて、重なり合って短縮した骨片を整復します。次いで、包帯を使用する8字帯固定法や、専用の鎖骨バンドなどで患部の安定性を確保して、痛みを軽減し、時間をかけて骨折した部位の骨癒合を図ります。

変形している骨を徐々に矯正し、骨を形成する能力が高い乳幼児では2~3週間、小中学生では4~6週間程度と、長期間の固定が必要となりますので、日常生活、学業、運動の制限があり、大人では仕事の制限もあります。

手術療法は、骨片が多数あるもの、鎖骨の短縮が強い場合、皮膚に損傷がおよぶ開放骨折の場合、腕神経損傷や血管損傷が疑われる場合、骨癒合が難しい遠位の鎖骨骨折、保存治療で癒合しない骨折などが対象となります。

手術では、鎖骨を金属のワイヤーと棒で固定します。手術後に鎖骨骨折が治癒した後に、固定具を除去します。

保存療法であっても、手術療法であっても、早期に治療を受ければ、鎖骨骨折の予後は良好です。

🇲🇼坐骨結節裂離骨折

骨が弱い成長期に発生しやすいスポーツ障害で、骨盤の坐骨結節にある骨端線の部分が裂離骨折する障害

坐骨(ざこつ)結節裂離骨折とは、骨盤の坐骨結節にある骨端線という、骨の端にある成長軟骨が骨に変わってゆく境目の部分が裂離骨折する障害。骨が弱い成長期に発生しやすいスポーツ障害で、骨盤裂離骨折の1つです。

骨盤の中でも、両方の臀部(でんぶ)の最も下にあって大きな楕円(だえん)形の坐骨結節は、腰掛ける時に椅子(いす)の面に接して体重を支える部分で、大腿(だいたい)ニ頭筋、半腱様(はんけんよう)筋、半膜様筋からなるハムストリングスという大きな強い筋肉が付着しています。そのため、非常に大きな力が働く部分です。

この座骨結節に付着しているハムストリングスが、スポーツで生ずる疾走動作やジャンプ動作などで収縮することによって、座骨結節付着部を急激に牽引(けんいん)するために、成長期の骨盤に残っていて、完成された大人の骨と比べると力学的に弱い骨端線の部分が裂離骨折します。

坐骨結節裂離骨折は、ハムストリングが繰り返し収縮する疾走動作による発生が最も多く、スポーツの種目では短距離走、サッカー、野球などで起こりやすくなります。股(こ)関節屈曲、膝(しつ)関節伸展を急激に行うジャンプ動作による発生もあり、スポーツの種目ではハードル走、走り幅跳び、三段跳び、スケートなどで起こりやすくなります。

発生すると殿部に痛みを生じ、歩行時、股関節屈曲時、膝関節伸展時に痛みが増強します。受傷直後は激痛を生じることもありますが、休息したり時間が経過するとあまり痛くなくなることも珍しくありません。そのため肉離れと自己診断し、医師による診断が遅れることがあります。

坐骨結節裂離骨折は、中学生、高校生である12~18歳に好発し、14~16歳がピーク。女子より強い筋力を持つ男子に圧倒的に多く、ほとんどは右側の骨盤部分の座骨結節に発生しています。

坐骨結節裂離骨折の検査と診断と治療

整形外科、形成外科の医師による診断では、X線(レントゲン)検査を行うと、受傷時はわかりにくいものの、坐骨結節に剥離(はくり)した骨折片を認めます。必要に応じてCT(コンピュータ断層撮影)検査を行うと、こちらでも骨折片を確認できます。

整形外科、形成外科の医師による治療では、骨折部のずれが少なければ、安静による保存的治療を行います。1週間のアイシング(冷却)を徹底し、1~2週間の安静後に、4週間程度の松葉杖(づえ)歩行を行い、歩行時痛がなくなってから可動域訓練と筋力訓練を行います。少しずつ負荷を増やし、X線検査で骨の癒合を確認しながら、12~16週でのスポーツ活動への復帰を目指します。

骨折部のずれが大きく、保存的治療で骨の癒合が図れない時や、早期のスポーツ活動への復帰を望む時は、そのほかの骨盤裂離骨折である上前腸骨棘(こっきょく)裂離骨折や下前腸骨棘裂離骨折に比べて治癒まで長期間を要するため、骨折片をスクリューなどで整復固定する手術を行うこともあります。

再発予防のためには、骨盤周囲の筋肉や股関節のストレッチを十分に行うことが重要です。

🇿🇼骨髄線維症

骨髄の中に線維が増え、骨髄での造血が低下する状態

骨髄線維症とは、骨髄の中に線維が増え、骨髄での造血が低下する状態。原因不明の疾患です。

この骨髄線維症は、慢性骨髄増殖性疾患というグループに属する血液腫瘍(しゅよう)で、同じグループには慢性骨髄性白血病、真性多血症、本態性血小板血症が属しています。

血球である赤血球、白血球、血小板の産生、すなわち造血は、成人では骨髄で行われます。しかし、胎児の時期には、肝臓や脾臓(ひぞう)で造血が行われています。骨髄線維症では、腫瘍細胞によって骨髄に線維化という変化が起こるため、造血が肝臓や脾臓で行われるようになり、その結果、肝臓や脾臓が次第に大きくなって、肝脾腫といわれます。特に、脾臓は非常に巨大になり、腹腔(ふくくう)の半分以上を占めるほどになることもあります。

脾臓や肝臓で赤血球や白血球が作られた場合、骨髄で作られたものと少し違って、若い細胞が血液に出てきたり、普通はみられない変形したものがみられたりします。初期では白血球数が増加し、慢性骨髄性白血病と同じように若い細胞から成熟した細胞まで、すべての段階の白血球が認められるのが特徴です。さらに、若い赤血球系の細胞や変形した赤血球も認められます。

骨髄線維症の症状としては、貧血や白血球数の増加のほか、初期には血小板数も増加する傾向があります。一般的に進行は緩慢ですが、進行すると逆に貧血や血小板数の低下が著しくなります。一部の例では、急性白血病と類似した症状を示す急性期へと進展することがあります。

脾臓のはれによる腹部の圧迫感、膨満感が、比較的多く現れます。一方、無症状の段階で健康診断などにより、血液検査のデータの異常を指摘されて発見されることも、しばしばあります。貧血が進行すると、倦怠(けんたい)感、動悸(どうき)、息切れなどの症状が目立つようになります。血小板数が低下すると、皮下出血、鼻血、歯肉出血などの出血症状を認めます。

骨髄に線維化を起こす腫瘍細胞が発生する原因については、詳しくはわかっていません。しかし、約半数の例では真性多血症と同じJAK2遺伝子の異常が認められており、この異常が発症にかかわっていると考えられています。慢性骨髄性白血病と異なり、フィラデルフィア染色体の形成は認められません。また、いわゆる遺伝性疾患ではなく、子孫への影響はありません。

骨髄線維症の検査と診断と治療

内科の医師による診断では、骨髄の組織の一部を採取して調べる生検により骨髄の線維化を証明することで、骨髄線維症と確定します。骨髄の線維化は、白血病や悪性リンパ腫などのほかの血液腫瘍、あるいはがんの骨髄転移によっても起こり、膠原(こうげん)病や結核などが原因になる場合もあるので、これらの疾患を除外する必要があります。

骨髄穿刺(せんし)によって骨髄液を採ろうとしても、線維が増えているために骨髄液を十分に採ることができません。

一方、骨髄線維症の初期段階では、若い細胞が血液に出てきたり、普通はみられない変形したものがみられたりするため、慢性骨髄性白血病と血液検査のデータが類似し、判別が難しいことがあります。慢性骨髄性白血病と判別するためには、骨髄生検の結果のほかに、フィラデルフィア染色体およびBCR/ABL遺伝子を認めないこと、一般的に好中球アルカリフォスファターゼ活性が低下しないことが重要になります。

内科の医師による治療では、根本的な治療法はまだ確立されていないため、専ら対症的に治療を行うことになります。症状に応じて、経口抗がん薬の投与や輸血療法などが選択され、条件が整えば、治癒を目的として行われる唯一の方法である造血幹細胞移植も考慮されます。

白血球や血小板の増加が著しく、脾臓のはれが目立つ場合に、メルファラン(アルケラン)、ハイドロキシウレア(ハイドレア)などの経口抗がん薬が使用されます。脾臓のはれのための圧迫感や痛みがある場合には、手術による脾臓の摘出や脾臓への放射線治療なども考慮されます。貧血や血小板減少が進行した場合には、輸血療法が行われます。

通常では50歳以下の年齢であること、白血球の型が一致したドナーがいることなどの条件が整えば、造血幹細胞移植が選択肢の一つとなります。しかし、移植に伴う合併症の危険についても十分に考慮する必要があり、その適応は慎重に検討されなければなりません。発症者には比較的高齢者が多いため、移植時に行う前処置の治療毒性を軽減した非破壊性造血幹細胞移植も試みられています。

経過はさまざまなものの、約15〜20パーセントの発症者では、急激に悪化して急性白血病などに移行します。この場合は治療が極めて難しく、予後不良です。

食事、運動、旅行など日常生活全般についての制限はほとんどありませんが、定期的に血液検査を受けることが必要です。脾臓のはれがある場合には、腹部の圧迫などに注意します。また、薬剤の副作用が疑われるような症状が現れた場合には、速やかに医療機関を受診する必要があります。

🇿🇼骨粗鬆症

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは 

1.骨粗鬆症とはどのような病気なのか

 骨にはタンパク質やリンなどとともに、たくさんのカルシウム(骨重量の約50%)が含まれています。しかし、骨に含まれるカルシウムなどの量(骨量)は、若年期をピークに年齢とともに減ってきます。

 そして、骨量が減少すると、骨の中の構造が壊れ、骨は非常にもろい状態になり(脆弱性亢進)、折れやすくなります。この状態が骨粗鬆症です。

 骨粗鬆症には、上のような老化による骨粗鬆症の他に、成長期や出産後などに起こるものもあります。 

2.骨粗鬆症になる割合はどのくらいなのか

 骨粗鬆症は圧倒的に女性に多い病気で、女性では閉経期の40~50歳代から急激に骨量が減少し、60歳代では2人に1人、70歳以上になると10人に7人が骨粗鬆症を起こすような状態になっています。

 一方、男性では60歳過ぎから徐々に増え、70歳以上では10人に4人足らずです。

 現在、日本には1,000万人以上の骨粗鬆症患者がいると推定されています。 

なぜ、骨量が減少するのか?  

 骨の構成成分であるカルシウムは、食事によって摂取され、腸で吸収されて血液中に入り、骨に運ばれ骨が作られます(骨形成)。その一方で、骨はしなやかさを保つために、古くなった骨の成分を壊し(骨吸収、骨破壊)、新陳代謝を行っています。

 また、体の中のカルシウムの約1%は骨や歯以外の細胞や血液中に存在して、神経や筋肉の興奮、あるいは血液凝固(血を固める働き)などで非常に重要な役割を果しています。そのため、血液中のカルシウムが足らなくなると、不足分を骨のカルシウムで補うことになります(骨吸収、骨破壊)。

  このように、骨は体を支える他に、カルシウムの貯蔵庫としての役割を担い、骨は作られる一方で絶えず破壊を繰り返しています。骨量の減少は、このような骨形成、骨吸収のバランスが崩れた結果なのです。

 骨量の減少には以下にあげるようなさまざまな因子が関係してきます。 

1.加齢:年を重ねるとともに、体の中のホルモンが変化するために、骨量が減少します。その他、胃酸分泌の低下や腸の吸収能*能力の低下、腎臓での尿へのカルシウム排泄の増加なども原因となります。 

 【骨粗鬆症に関係するホルモンとその作用】 

ホルモン
        
(女性ホルモン)エストロゲン

 

エストロゲンは骨形成を進め、また骨吸収を抑えます。

しかし、閉経前後からエストロゲン分泌が激減するた

め骨量が減少します。

(カルシウム調節ホルモン)  副甲状腺ホルモン
通常は、副甲状腺ホルモンは血液中のカルシウムが不

足すると分泌され、骨吸収を促進します。しかし、高

齢者ではカルシウムの摂取不足により血液中のカルシ

ウム濃度が低下するため、副甲状腺ホルモンが分泌さ

れて骨吸収が進みます。

(カルシウム調節ホルモン)カルシトニン
カルシトニンは骨吸収を抑えます。しかし、高齢者で

はカルシトニンの分泌が低下するため骨吸収が進みます。

 

2.女性、閉経:女性の最大骨量は男性より低く、また閉経後の数年間は急激に骨量が減少します。そのため、女性は男性より骨粗鬆症になる危険性が高く、より若い年齢から骨粗鬆症が見られます(男性では、女性ホルモンと同様、男性ホルモンが骨形成を進めています。しかし、男性ホルモンは女性ホルモンほど加齢によって減少しません)。 

3.遺伝:家族に骨粗鬆症にかかった人がいる場合、骨粗鬆症になる可能性が高いです。 

4.カルシウム不足:カルシウムは少なくとも1日600mg、成長期の若い人、閉経を迎えた人などは1,000~1,500mgが必要です。高齢者では淡泊なものを好み、食事量も減ってくることから、カルシウムの摂取量が減りがちです。 

5.ビタミンD不足:腸におけるカルシウムの吸収にはビタミンDの作用が必要なため、ビタミンDが不足するとカルシウムを吸収することができません。 

6.日光浴不足:ビタミンDは、腸でのカルシウムの吸収に不可欠なビタミンです。そして、皮膚の中で日光の紫外線にあたって、はじめて、その役を果すことができるようになります(活性ビタミンD)。そのため、日光に当たらないとうまくカルシウムを吸収することができません。 

7.運動不足:筋肉だけでなく、骨の強さを保つためにも運動は非常に大切です。運動といっても、スポーツとは限らず、日常生活の自然な動作や生活様式も、骨や筋肉の維持に影響します。 

8.喫煙、飲酒、カフェイン:喫煙は胃腸の働きを悪くしてカルシウムの吸収を悪くし、過量のカフェインは尿へのカルシウムの排泄を増やします。また、過量のアルコールはカルシウムの吸収を減らして、排泄を増やします。 

9.食塩、糖分:食塩や糖分を取りすぎると、カルシウムの尿への排泄が増加し、からだの中のカルシウムが不足することになります。 

10.ストレス:過度のストレスは、腸におけるカルシウムの吸収を妨げます。

症状

 骨粗鬆症は自覚症状が少ない病気です。そのなかで代表的な症状としては、骨折と、それに伴う痛みなどが中心になります。骨粗鬆症による骨折のほとんどは脊柱(背骨)、大腿骨(太ももの骨)、あるいは、橈骨(手首から肘にかけての親指側の骨)に起こります。 

1.橈骨(とうこつ)の骨折

 転んで手をついた際に起こる骨折です。橈骨(手首)の他、腕の付け根の骨(上腕骨頸部)を骨折することもあります。 

2.大腿骨の骨折(大腿骨頸部骨折)

 男女ともに60歳以後、年を取るとともに転倒などによる大腿骨折を起こします。

 大腿骨の骨折を起こすと寝込むことが多く、そのため運動不足などから,さらに骨量が減少するという悪循環に陥り、高齢者では「寝たきり」の原因になることが少なくありません。 

3.脊柱(せきちゅう)の骨折(圧迫骨折)

・脊柱の変形、身長の短縮:重いものを持ったり、転んだりして普段より少し余計な力がからだに加わっただけで、椎骨(脊柱を構成している一つひとつの骨)が変形します。椎骨の変形は上下からの圧迫によって起こるため、全体が押しつぶされた状態を圧迫骨折と呼びます。椎骨の変形の種類や変形したり圧迫骨折を起こした椎骨の数によって、脊柱はさまざまな形に変形します。そのため、身長が短縮し姿勢や歩行の仕方にも変化が見られます。

・慢性の腰痛:椎骨の変形が徐々に生じると、背骨やその両側の筋肉が次第に痛むようになります。痛みは、寝返りや起床、歩行開始時など動作を始めるときに生じます。

・突然起こる腰、背中、時には胸の痛み:脊柱の中には神経(脊髄神経)が通り、さらに椎骨の間から体の各部に向かう神経の枝が出ているため、椎骨の圧迫骨折が起こると、神経の枝が圧迫され、腰や背中に突然、激しい痛みが生じます(腰痛や背中の痛み)。時には、胸やお尻に痛みを感じることもあります。 

予防■ 

●日頃からカルシウム摂取を心掛けた食生活を実現し、骨量を増やし減少を防ぎましょう。

●自分の骨量を知っておきましょう-早期発見。

●骨折の原因となりやすい動作や転倒などに注意しましょう。

 最も大切なのは、骨量が最大となる若年期に、骨量をより多くしておくことです。この時点の骨量が多ければ、歳をとって骨量が減少しても、骨粗鬆症になる危険な値に達することはありません。そのためには、小児期および青年期から、しっかり骨量を増やしておくことが大切です。

 是非とも、若い時からの長期的に骨粗鬆症の予防に取り組み、明るい高齢期を実現してください。

1.カルシウムを含む食品をたくさん食べましょう

 成人におけるカルシウムの1日所要量は600mgとされていますが、成長期の若いひと、閉経を迎えたひと、また、これを過ぎて骨粗鬆症の危険度が高いひとは1,000~1,500mgが必要です。しかし、カルシウムはなかなかとりにくい栄養素で、日本人の平均摂取量は未だに1日所要量の90%程度といわれています。

 まず、牛乳を1日2本飲み、骨ごと食べられる小魚類や大豆製品、海草類をとるようにしましょう。野菜では、カルシウムの含有量が多い小松菜がお勧めです。カルシウム強化補助食品も市販されていますが、あくまで補助として利用し、工夫して食生活を充実させましょう。

最近、若い女性の間でダイエットをするひとが多く見られますが、カルシウムを意識しないダイエットは骨量を著しく減少させます。骨粗鬆症はおばあさんのなる病気と決め付けてはいませんか。実は病気になるもならないも、10~20歳代からの食生活が大変影響してきます。ダイエットをする際には、くれぐれもご用心を。

カルシウムの多い食品

  食品の種類

   目安量

  カルシウム量

   豆・種実

  豆腐(木綿)

   1/3丁

  120mg

   生揚げ

   1/2丁

  156mg

  凍り豆腐

   1枚

  118mg

   ごま

   3g

   36mg

    野菜

  小松菜

   1/4束

  232mg

    

  かぶの葉

   1/4束

  115mg

  大根の葉

   30g

   63mg

  切り干し大根

   10g

   47mg

   乳製品

 牛乳(200ml)

    1本

  200mg

   

  スキムミルク

  大さじ2杯半

  220mg

  ヨーグルト

    1個

  120mg

  魚介・海草

  わかさぎ

   中5尾

  450mg   

   いわし

   中4尾

  840mg

  ししゃも

   中4尾

  264mg

   桜えび

   10g

  150mg

  しらす干し

   20g

  106mg

   ひじき

   10g

  140mg

2.腸でのカルシウムの吸収を良くしましょう

・ビタミンDを摂る:ビタミンDは、カツオ、マグロ、アジ、レバー、バター、たまご、椎茸などに含まれています。

・日光にあたる:食物に含まれるビタミンDは、正確には前駆体(プロビタミンD)です。実際に役立つビタミンDになるには、いったん皮下の脂肪組織に蓄えられて、日光の紫外線の作用を受ける必要があります。夏なら木陰で30分、冬なら顔や手に太陽を1時間当てるくらいで、1日に必要なビタミンDが十分作られます。

・タバコを吸わない

・アルコールをとりすぎない

・ストレスをためない

3.定期的に運動をしましょう

・運動とは:骨に力(体重)がかかるような運動(陸上競技、重量挙げなど)が骨量をよく増加させます。しかし、長距離走や過度の運動や減量を必要とするもの、ストレスになるほどの運動は、かえって骨量を減少させることがあります。高齢者では、心臓、肺や、手足の関節に負担をかけない運動(歩行、ジョギング、自転車、体操など)が勧められます。なかでも、歩行は最も簡単で、速度によって強さを調節することもできる運動です。

・適度な運動量とは:運動は、軽く汗ばむ程度で1日60分、2日程度の休息をとりながら、1週間に3日以上行います。

・注意点:高齢者や膝、股関節に変形が見られる方や、他の病気を治療中の方は、必ず主治医と相談のうえ行ってください。また、運動中に体に異常があったら、すぐに中止し医師の診断・治療を受けてください。

4.カルシウムがおしっこに排泄されすぎないようにしましょう

・食塩、糖を摂りすぎない。

・カフェインを摂りすぎない。

5.骨折を防ぐための日常生活上の工夫や注意点

・つまづきそうなものは片づける。

・段差をなくす。

・階段には、手すりや滑り止めをつける。

・風呂場には手すりをつけ、湯船の中には滑り止めマットを敷く。

・暗いところには、足下をてらす明かりをつける。

・家の中では素足、外では運動靴がよい。

・大雨、強風、雪などの日は外出を避け、人混みも避ける。

・重いものを持ったり、運んだりしない。

🟥COP30、合意文書採択し閉幕 脱化石燃料の工程表は見送り

 ブラジル北部ベレンで開かれた国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は22日、温室効果ガス排出削減の加速を促す新たな対策などを盛り込んだ合意文書を採択し、閉幕した。争点となっていた「化石燃料からの脱却」の実現に向けたロードマップ(工程表)策定に関する直接的な記述...