2022/08/14

🇬🇫ベルまひ(特発性顔面神経まひ)

 

顔面神経が侵されて、顔の筋肉の運動がまひする疾患で、原因不明なもの

ベルまひとは、顔面神経が侵されて、顔の筋肉の運動がまひする疾患。この疾患を報告した医師の名を付けてベルまひと呼ばれるほか、特発性顔面神経まひ、特発性末梢(まっしょう)性顔面神経まひとも呼ばれます。

原因はいまだ不明ですが、考えられる可能性としてはウイルス感染、アレルギー、局所浮腫(ふしゅ)、寒冷刺激などがあります。いずれにしても、顔面神経は顔面神経管と呼ばれる骨で取り囲まれた狭いトンネルを通って脳から外に出ますが、何らかの原因で顔面神経がはれると、顔面神経が圧迫されてまひが現れると見なされています。

一方、原因疾患が明らかな顔面神経まひは、症候性顔面神経まひと呼ばれます。症候性顔面神経まひの原因疾患として多いのは、単純性疱疹(ほうしん)、帯状疱疹などのヘルペスウイルス感染症で、一般的には口唇ヘルペスを患ったことがある人が突然の顔面神経まひで発症します。ほかには、腫瘍(しゅよう)や代謝疾患が原因となる場合もあります。

急性あるいは亜急性に発症します。症状は普通、片側だけに起こります。まれには、両側に起こります。侵された側の表情筋が緩むために、顔がゆがむ、額にしわが寄らず仮面様の顔付きになる、口の一方が曲がって食べ物やよだれが出てしまう、目が完全に閉じられない、などの症状が現れます。

そのほか、まひ側の舌の前方3分の2の味覚障害を伴うこともあり、物を食べた時、金属を口に入れたような感じがしたりします。まひ側の耳が過敏になり、音が大きく響くように感じることもあります。目が閉じにくいために目を涙で潤すことができず、夜間などに角膜が乾燥しやすくなるため、角膜に潰瘍(かいよう)ができることもあります。

まれには、帯状疱疹が耳たぶや内耳にできた場合に、激しいめまい、耳鳴り、歩行障害、味覚の消失とともに、顔面のまひが起こります

ベルまひの検査と診断と治療

基本的には耳鼻咽喉(いんこう)科の外来で治療可能な場合が多いのですが、検査が必要な場合、診断がはっきりしない場合、ベルまひ(特発性顔面神経まひ)や症候性顔面神経まひの程度が強い場合などでは、入院が必要です。

医師による診断は、典型的な顔の表情から比較的容易です。しかし、原因となる疾患がある症候性顔面神経まひの場合、両側に同時に発症したり何度も繰り返す場合などは、MRIなどの画像診断が必要です。サルコイドーシス、ライム病などの珍しい疾患で起こった可能性が疑われる場合には、血液検査などの検査が必要になります。障害の程度や回復の正確な評価のために、筋電図や誘発電位検査が行われることもあります。

ベルまひは治りやすい疾患で、まひが軽度であれば1~2カ月で完全に治ります。しかし、急性期にはステロイド剤、ビタミンB複合剤などを処方して治療を行います。マッサージや電気治療も行われます。また、目が閉じにくい場合、人工涙液を点眼して角膜を保護します。

帯状疱疹の治療では、原因療法として抗ウイルス剤、対症療法として消炎鎮痛剤が処方されます。抗ウイルス剤は、ウイルスの増殖を阻止して治癒を早めます。神経がまだ破壊されていない初期の段階で使用すれば、帯状疱疹後神経痛の予防が期待できます。

また、痛みがひどい場合は、神経ブロックを行って痛みを止める治療法が有効です。神経ブロックとは、局所麻酔剤を用いて、神経の流れを一時的に遮断する治療法です。この治療法によって血液循環がよくなるとともに、神経の緊張が和らぎ、その神経が支配している領域の痛みを止めることができるのです。

帯状疱疹が原因で起こった場合には、比較的、経過が長く、顔面まひがある程度残ることが多いようです。また、再生した顔面神経が本来の支配先と異なった筋を支配してしまった場合には、口を閉じると目が一緒に閉じたり、熱い物や冷たい物を食べた時に涙が出たりする異常連合運動が起こることがあります。

顔面神経まひでは、リハビリテーション療法も重要です。家庭でできるマッサージとしては、朝夕30分間ほど、手で額や目の周りの筋肉をゆっくりと回すようにしてマッサージしたり、まひした口角を引っ張り上げるようにしたり、顔面の筋肉を働かせるために百面相の練習をしたりすると、効果があります。

🇬🇫ペロニー病(陰茎形成性硬結症)

陰茎の皮膚の下に硬いしこりができる疾患

ペロニー病とは、陰茎の皮膚の下に硬いしこりができる疾患。疾患名は1743年に最初に報告したフランスの医師フランソワ・ジゴ・ラ・ペロニーにちなみ、陰茎形成性硬結症、形成性陰茎硬化症、陰茎硬化症、パイロニー病、ペイロニー病などとも呼ばれます。

30~70歳代の男性に多く、陰茎海綿体を包む白膜(はくまく)という結合組織に、線維性のしこり(硬結)ができます。白膜は伸び縮みする弾性線維と硬い膠原(こうげん)線維の組み合せでできていて、ある程度伸びると止まる構造になっていますが、膠原線維が増えてしこりになります。しこりは陰茎の陰嚢(いんのう)と反対側の面にできることが多く、すじ状のものから板状で骨のようなものまで、さまざまな形があります。

勃起(ぼっき)すると陰茎がしこりのある方向に曲がり、疼痛(とうつう)が起こることもあります。曲がり具合にもよりますが、十分な勃起が得られず、性交に支障を来すこともあります。

平常時は痛くもかゆくもなく、しこりそのものは無害と考えられ、自然によくなることもあります。逆に、徐々に進行することもあります。

詳細な原因は、まだよくわかっていません。慢性陰茎海綿体炎、糖尿病、痛風、外傷などとの関連が疑われています。手の小指や薬指の内側の腱(けん)が引きつって内側に曲がったり、手のひらや足の裏が短縮したりするデュプイトラン拘縮という疾患と一緒に現れることもあります。デュプイトラン拘縮は中年以降の男性に多くみられ、長期に渡るアルコール摂取が危険因子の一つと見なされ、糖尿病に合併することもあります。

ペロニー病らしいと思い当たり、性生活に支障を来すようであったり、ほかの疾患、例えば陰茎がんなどとの見極めが困難な場合は、泌尿器科などの医師に相談することが勧められます。

ペロニー病(陰茎形成性硬結症)の検査と診断と治療

泌尿器科の医師による診断では、特徴的なしこり(硬結)の症状の視診、触診で確定できます。以前に打撲などによる外傷や炎症があったかどうかが、参考になります。超音波検査やMRI検査を行うと、しこりの厚さや大きさを観察でき、しばしば石灰化が確認できます。陰茎知覚異常がある場合には、振動覚測定を行います。

このペロニー病ががんになることはありませんが、しこりや痛みが同じように現れる陰茎がんとの見極めは難しく、正確に診断するためにしこりの一部を切除して組織検査を行うこともあります。

ペロニー病に特に有効な根本的な治療法はありませんが、勃起障害の原因となったり、痛みが起こる場合には、超音波治療(体外衝撃波治療)、副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)の局所注射ないし内服、コラーゲン分解酵素の局所注射、ビタミンEの内服、ヘパリン類似物質や非ステロイド系消炎鎮痛薬の軟こうの塗布などが試みられますが、あまり有効ではないようです。痛みが起こる場合には、放射線照射が有効とされています。

性交渉に障害が出るような場合、本人が希望すれば手術を行うこともあります。手術には、しこりがある反対側の白膜を切り詰めて湾曲を矯正する縫縮法(プリケーション法)と、白膜のしこり自体を切除し、欠損部に皮膚や静脈を移植する移植法の2つがあります。

通常、軽い場合は縫縮法、症状が進んでいれば移植法が行われます。縫縮法は湾曲の改善のみを目的とした方法で、移植法に比べて簡単ですが、しこりや痛みの改善はできないことと陰茎の短縮が問題となります。移植法も、手術後の瘢痕(はんこん)組織が硬化して手術前より悪化したり、切除しても再発することがあるのが問題となります。

いずれも2時間ぐらいの手術で、3日間程度のの入院が必要です。糖尿病のある人の場合は、血糖コントロールが必要のため入院期間が少し長くなります。縫縮法を局所麻酔で行う場合は、日帰り手術も可能です。

症状が進んで陰茎海綿体にまで影響するなど重い勃起障害がある場合は、陰茎の中に支柱材を埋め込むプロステーシス手術も検討されます。デュプイトラン拘縮が一緒に現れている場合は、 基本的に薬物療法や注射は治療効果がなく、手術による治療になります。 

🇬🇫変形性関節症

加齢や使いすぎで体の関節が変形することによって、痛みが生じる疾患

変形性関節症とは、加齢や使いすぎなどで体の関節が変形することによって、痛みが生じる疾患。

変形性関節症が発症する代表的な関節は、膝(しつ、ひざ)関節、股(こ)関節、足(そく)関節で、体重の負荷のかかる関節に多く発生します。肩関節、肘(ちゅう)関節、手関節、手指関節、脊椎椎間(せきついついかん)関節にも発症します。

ここでは、変形性膝関節症と変形性股関節症に触れます。

変形性膝関節症は、膝関節の軟骨が擦り減り、歩くと痛む疾患

変形性膝関節症は、関節の軟骨が傷んで擦り減り、歩く際に痛みが生じる疾患。加齢による老化変性を基盤として起こりますが、関節に過度の負担がかかったり、関節機構に異常があったりすると、軟骨の摩耗が加速されて、必ずしも中高年齢者でなくても発症します。

関節軟骨は、関節の骨の表面を覆っている厚さ2~7ミリ程度の層で、正常では透明感のある白色に輝いていて、表面は非常に滑らかですべすべしています。水を含んだスポンジのように、関節の水分を吸ったり出したりすることで、体重の負担を分散するクッションとして、その衝撃を軽くしています。また、関節軟骨同士の接触面は、摩擦による抵抗が非常に少なくなっています。関節軟骨の内容は、プロテオグリカン、コラーゲン、水からなっています。

しかし、中高年になると筋力が低下し、その筋力でカバーできない負担が継続的に掛かる仕事や、瞬間的に大きな負担がかかるスポーツなどで、関節軟骨が衝撃を吸収しきれなくなると傷んでしまいます。関節軟骨はその構造上、表面がいったん傷んでくると、元に戻りにくく、だんだん擦り減って悪くなる傾向があります。

変形性膝関節症は中高年齢者に多く、50歳代で発症し、65歳以上で急増します。また、男性に比べ2~4倍、女性に多いのも特徴です。肥満している人、O脚変形(いわゆる、がにまた)のある人にもよくみられ、O脚では内側に過度な体重、圧迫が加わることになり、内側の軟骨の摩耗が進んでいきます。

症状としては、膝関節のはれや、こわばっている感じがし、正座ができなくなります。歩き始めに膝が痛みますが、少し歩いているうちに楽になり、また歩きすぎると痛みが出てきます。

片側の膝だけに発症することもありますが、両側性のこともしばしばあります。症状が進行すると、関節内に水、すなわち増量した関節液がたまってくるようになり、関節の透き間から前内側膝蓋(しつがい)部にかけて押すと痛むところが現れます。さらに進行すると、膝関節を完全に伸ばすことができなくなり、屈曲も制限され、関節が側方にぐらつくようになることもあります。

変形性股関節症は、関節の老化変性などで、股関節が痛み、動きも悪化する疾患

変形性股関節症とは、関節軟骨の変性や摩耗に始まり、さまざまな関節変化が進行する疾患。

年を取っていくに従って、骨や関節にも老化が現れてきて、関節軟骨は次第に消耗して擦り切れ、軟骨の下の骨が現れ、関節の端のほうでは骨のとげが出てきて関節が変形してきます。このように変形性関節症は老化変性を基盤とする疾患ですが、関節に過度の負担がかかったり、関節機構に異常があったりすると、軟骨変性が加速されて、必ずしも老人でなくても同様な変化が生じてきます。

日本では、変形性股関節症の大多数が、先天性股関節脱臼(だっきゅう)後に生じる二次性のものです。もちろん、先天性股関節脱臼がほぼ完全に治癒すれば、変形性股関節症にはなりませんが、往々、程度の差こそあれ関節不適合を残して治ります。このような場合には、年月の経過とともに、次第に変形性股関節症へと進展していきます。

この先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全に起因する変形性股関節症がほとんどで、その大部分が女性に起こります。このほか、ペルテス病、大腿(だいたい)骨頭壊死(えし)、大腿骨頭すべり症、外傷などに起因するものもあります。

臼蓋形成不全は、股関節の屋根の作りが浅いものです。股関節で大腿骨頭を受け入れる部分を股臼といい、骨頭にかぶさり体重を支える部分の股臼が、この臼蓋です。

変形性股関節症の症状としては、初めのころは歩きすぎたり、スポーツ後などに股関節部の痛みや疲れやすさを感じます。休息すればよくなりますが、繰り返すうちに痛みが強くなり、遠距離を歩かなくても、あるいは少し歩いただけでも痛みが起こり、足を引きずるようになってきます。股関節の動きも悪くなって、靴下の着脱や足のつめ切りなどが不自由になります。

痛みは股関節部に限らず、臀部(でんぶ)、大腿部、あるいは膝上部に起こることもあり、注意が必要です。

変形性関節症の検査と診断と治療

変形性膝関節症の検査と診断と治療

整形外科の医師による診断は、年齢、臨床所見、X線所見から行います。X線(レントゲン)検査を行うと、関節の端に骨の出っ張りがみられ、関節の透き間が狭くなったり、軟骨下骨の組織が硬化している像などがみられます。膝関節が内側に反るように変形し、下腿軸の異常が起こります。そのため、荷重した状態で下肢の全長正面像を撮影することが重要になります。

さらに、関節造影や関節鏡を行うことで、より正確なものになります。鑑別診断で重要なものは、関節リウマチと膝関節結核との区別です。

整形外科の医師による治療では、まず関節になるべく負担をかけないように注意することが大切で、肥満を避けたり、無理な運動をしないようにします。やむを得ず比較的長距離を歩かなければならないような場合には、膝のサポーターも有用です。

しかし、膝が悪いからといって、ほとんど歩かないようにしては、かえって膝に悪影響を及ぼします。関節は動かすことによって、生理的な状態が維持されるので、体重負荷がかからないようにした膝関節の屈伸運動で、太ももの前面の大腿四頭筋の強化を図ります。

まず、いすに腰掛けて、片方の足を上げて、膝をピンと伸ばします。太ももの前面の特に膝の内側に力こぶができるように、しっかり力を入れます。そのまま、数秒間足を上げたまま止めます。この一連の運動を左右交互に行って1度に10回から20回、これを1日に2~3回を目安に行うと効果的です。足首に抵抗となるおもりをつけて行えば、より効果的です。

筋力がかなり落ちている場合や、膝関節痛が強い場合は、かかとを床に着けたままで、太ももの前面に力こぶを作る運動をします。このような運動は頑張れば必ず効果が出て、膝関節の安定性と関節水腫(すいしゅ)の改善が期待できますので、少なくとも2、3カ月は続けてみましょう。

そのほか、自転車乗りや平泳ぎ以外の水泳、水中ウオーキングなども、膝に負担のかからない運動として適している上、減量にもつながります。

症状が強く、関節内に水がたまってくるような場合には、感染に対する厳重な注意の下で関節穿刺(せんし)が行われ水を吸引してから、炎症を抑えるためにヒアルロン酸、または副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)を注入することもあります。

ヒアルロン酸は、軟骨の一成分で、関節液中にも存在する関節の潤滑油でもあります。変形性膝関節症ではヒアルロン酸の量が減るため、注射で補うことで、痛みを和らげ、炎症を抑え、関節の動きをよくするなどの効果があるといわれています。副腎皮質ホルモンには、強い炎症止めの効果と鎮痛効果がありますが、あまり頻繁に使用すると、副作用が多くなるといわれています。

また、膝の変形、特に片足で立った時にO脚変形が著明で、主に体重が関節の内側だけにかかるような場合には、O脚を改善させる足底板の装着が有効です。足底板の装着で治療が期待できない場合には、手術も行われます。まだ変形を起こしていない関節面が残っている場合に、脛骨(けいこつ)の骨切りを行って、体重が関節全体に均等にかかるようにします。

変形性の変化が重度である場合は、人工関節全置換術の対象になります。これらの手術で痛みは明らかに改善しますが、術後の合併症である血栓症による肺梗塞(こうそく)、脳梗塞、心筋梗塞の発生に十分注意を払う必要があります。

変形性股関節症の検査と診断と治療

整形外科の医師による診断では、X線(レントゲン)検査を行うと、大腿骨頭は変形し、関節の透き間が狭くなり、骨頭や臼蓋の骨に丸く、薄くなって抜けている部分や、関節端のほうでは骨の出っ張りなどがみられ、変形性股関節症の診断がつけられます。

整形外科の医師による治療では、変形性股関節症にはつえの使用が有効で、1本のつえを使うと、股関節への荷重が約4分の1から5分の1くらいに減ります。比較的安静をとり、薬で痛みが抑えられる間はよいのですが、痛みが抑えられなかったり、次第に痛みが強くなっていく場合には、手術的手段が行われます。

手術方法にはいくつもの種類があり、個人に最も適していると思われる方法がとられます。

股関節周辺の筋肉を切り離し、関節に加わる力の軽減を図る簡単な筋離開術から、荷重面積の増加を目的とする骨切り術、股関節形成術や股関節を全部人工のものと置き換える人工関節置換術などがとられます。また、片側のみを発症した比較的若い人で、立ち仕事や重労働をしなければならない場合には、股関節をよい角度で固定する関節固定術もとられます。

変形性股関節症の本態から考えてみても、進行を食い止めることはできません。しかし、股関節にかかる負担を軽くすることで、進行のスピードを遅らせたり、痛みなどの症状の改善を得ることができます。つえを使うほか、筋力を強化すること、太っている人は管理栄養士による食事指導と運動処方によって体重を減らすことが、やはり股関節への負担を軽減することになります。

たとえ自覚症状には変化がなくても、数カ月から半年くらいに1度は、必ず医師の診察を受け、病態を把握しておくことも必要です。

🇸🇷変形性頸椎症

首の椎間板と椎骨の変性により、脊髄や神経根が圧迫される疾患

変形性頸椎(けいつい)症とは、首の椎間板と椎骨の変性により、脊髄(せきずい)や神経根が圧迫される疾患。頸椎症、頸椎椎間板変性症、頸椎椎間板症、頸部脊椎症、頸椎骨軟骨症などは、多少の違いはありますが、変形性頸椎症とほぼ同じ意味で使われています。

背骨のうちで首の部分を構成する骨が頸椎であり、7つの椎骨からなります。上から第1頸椎、第2頸椎と呼び、一番下が第7頸椎。第2〜7頸椎までは、それぞれの間に椎間板が挟まっていて、椎骨と椎骨の間でクッションのような役割を果たしています。この椎間板は円板状の軟骨組織で、中心部に髄核と呼ばれるゼラチン状の軟らかい組織があり、それを線維輪と呼ばれる丈夫な組織が取り囲んでいます。

変形性頸椎症は通常、中年や高齢者に発症します。中年を過ぎると、骨や軟骨の老化のため、椎間板がつぶれ、骨の丸みがなくなり、椎骨の円柱状の部分である椎体の間の透き間が狭くなり、神経根の通路である椎間孔、あるいは脊髄を入れる脊柱管が狭くなってきます。

その結果、腕のほうへいく神経根が圧迫されて、肩や腕の痛みやしびれが起こったり、脊髄が圧迫されて、下肢のしびれ、知覚鈍麻、痙性(れんせい)まひが起こることがあります。

頸部の症状としては、肩や首の筋肉が緊張して肩凝りなどがみられたり、圧痛がみられます。また、頸部を前屈したり後屈した時に、後頸部から肩、上肢に放散する痛みが現れます。

上肢の症状としては、片側または両側の上肢の痛みとともに脱力感、疲労感、手指の感覚異常、冷感、こわばりを感じることがあります。また、手先の仕事、字を書く、物をつまむなどの動作ができにくくなり、時間がかかるようになります。

手指の感覚異常は圧迫部位の高さに一致しており、例えば第5頸椎椎間板による圧迫時は親指、第6頸椎椎間板の圧迫時は中指、第7頸椎椎間板の圧迫時は小指にそれぞれ感覚異常を来します。症状が進行すると、手の筋肉が委縮したり、皮膚温の低下、発汗異常、手指の変形などがみられます。

脊髄に圧迫が起こると下肢の症状が現れ、脚が震えるようになり歩行が不安定になる歩行障害、便秘、排尿障害などの症状が現れます。

また、椎骨の変形により頭蓋(ずがい)内に行く椎骨動脈が圧迫されると、首を曲げた時などに血行障害が起こり、めまいを引き起こすこともあります。頭痛、耳鳴りなどを引き起こすこともあります。

変形性頸椎症の検査と診断と治療

整形外科、神経内科の医師による診断では、首を横に曲げ、頭部を圧迫した時に上腕に痛みが走ったり、首を軽く後方へ曲げ、頭部を圧迫した時に上腕に痛みが走れば、この変形性頸椎症が疑われます。頸椎の単純X線写真で、椎体骨の偏平化、硬化、とげ状の突起である骨棘(こっきょく)形成、椎体間腔(かんくう)の狭小化の所見がみられれば、診断はほぼ確実です。

脊髄や神経根の圧迫の状態をみるには頸部MRI検査が有用で、脊柱管のどこが狭くなっているか、どのように脊髄が圧迫されているか、どの神経根が圧迫されているかなどがわかります。

整形外科、神経内科の医師による治療では、神経根の圧迫症状に対しては、頸部周囲の筋肉の緊張を和らげる治療を行います。就寝時の姿勢も大切で、枕の高さを調節して軽度の前屈位をとるようにします。

薬物療法としては、非ステロイド性消炎剤や筋弛緩(きんしかん)剤が有効です。痛みが強い時は、局所の安静のために頸椎固定用のカラー(えり巻き式補装具)を首に装着します。

そのほかの理学療法としては、血行を促進し筋肉の凝りや痛みを軽減するホットパックなどの温熱療法、頸椎牽引(けんいん)療法、低周波治療、レーザー治療などがあります。頸椎牽引療法では、首の牽引と休止を繰り返すことにより、痛み、しびれを緩和します。

早期に牽引やカラーを用いた装具療法を行えば、症状の進行をかなり食い止めることができます。症状が進行している時や、MRI検査によって重度の椎骨圧迫や脱臼(だっきゅう)がみられる時は、手術による治療が行われます。基本的には手術によっても、すでに起きてしまった障害は元には戻せません。

🇸🇷変形性股関節症

関節の老化変性などで、股関節が痛み、動きも悪化

変形性股(こ)関節症とは、関節軟骨の変性や摩耗に始まり、さまざまな関節変化が進行する疾患。

年を取っていくに従って、骨や関節にも老化が現れてきて、関節軟骨は次第に消耗して擦り切れ、軟骨の下の骨が現れ、関節の端のほうでは骨のとげが出てきて関節が変形してきます。このように変形性関節症は老化変性を基盤とする疾患ですが、関節に過度の負担がかかったり、関節機構に異常があったりすると、軟骨変性が加速されて、必ずしも老人でなくても同様な変化が生じてきます。

日本では、変形性股関節症の大多数が、先天性股関節脱臼(だっきゅう)後に生じる二次性のものです。もちろん、先天性股関節脱臼がほぼ完全に治癒すれば、変形性股関節症にはなりませんが、往々、程度の差こそあれ関節不適合を残して治ります。このような場合には、年月の経過とともに、次第に変形性股関節症へと進展していきます。

この先天性股関節脱臼や臼蓋(きゅうがい)形成不全に起因する変形性股関節症がほとんどで、その大部分が女性に起こります。このほか、ペルテス病、大腿(だいたい)骨頭壊死(えし)、大腿骨頭すべり症、外傷などに起因するものもあります。

臼蓋(きゅうがい)形成不全は、股関節の屋根の作りが浅いものです。股関節で大腿骨頭を受け入れる部分を股臼といい、骨頭にかぶさり体重を支える部分の股臼が、この臼蓋です。

変形性股関節症の症状としては、初めのころは歩きすぎたり、スポーツ後などに股関節部の痛みや疲れやすさを感じます。休息すればよくなりますが、繰り返すうちに痛みが強くなり、遠距離を歩かなくても、あるいは少し歩いただけでも痛みが起こり、足を引きずるようになってきます。股関節の動きも悪くなって、靴下の着脱や足のつめ切りなどが不自由になります。

痛みは股関節部に限らず、臀部(でんぶ)、大腿部、あるいは膝上部に起こることもあり、注意が必要です。

変形性股関節症の検査と診断と治療

X線検査を行うと、大腿骨頭は変形し、関節の透き間が狭くなり、骨頭や臼蓋の骨に丸く、薄くなって抜けている部分や、関節端のほうでは骨の出っ張りなどがみられ、変形性股関節症の診断がつけられます。

変形性股関節症にはつえの使用が有効で、1本のつえを使うと、股関節への荷重が約4分の1から5分の1くらいに減ります。比較的安静をとり、薬で痛みが抑えられる間はよいのですが、痛みが抑えられなかったり、次第に痛みが強くなっていく場合には、手術的手段が行われます。

手術方法にはいくつもの種類があり、個人に最も適していると思われる方法がとられます。

股関節周辺の筋肉を切り離し、関節に加わる力の軽減を図る簡単な筋離開術から、荷重面積の増加を目的とする骨切り術、股関節形成術や股関節を全部人工のものと置き換える人工関節置換術などがとられます。また、片側のみを発症した比較的若い人で、立ち仕事や重労働をしなければならない場合には、股関節をよい角度で固定する関節固定術もとられます。

疾患の本態から考えてみても、進行を食い止めることはできません。しかし、股関節にかかる負担を軽くすることで、進行のスピードを遅らせたり、痛みなどの症状の改善を得ることができます。つえを使うほか、筋力を強化すること、太っている人は管理栄養士による食事指導と運動処方によって体重を減らすことが、やはり股関節への負担を軽減することになります。

たとえ自覚症状には変化がなくても、数カ月から半年くらいに1度は、必ず医師の診察を受け、病態を把握しておくことも必要です。

🇸🇷変形性膝関節症

膝関節の軟骨が擦り減り、歩くと痛む疾患

変形性膝(しつ、ひざ)関節症とは、関節の軟骨が傷んで擦り減り、歩く際に痛みが生じる疾患。老化変性を基盤として起こりますが、関節に過度の負担がかかったり、関節機構に異常があったりすると、軟骨の摩耗が加速されて、必ずしも中高年齢者でなくても発症します。

関節軟骨は、関節の骨の表面を覆っている厚さ2~7mm程度の層で、正常では透明感のある白色に輝いていて、表面は非常に滑らかですべすべしています。水を含んだスポンジのように、関節の水分を吸ったり出したりすることで、体重の負担を分散するクッションとして、その衝撃を軽くしています。また、関節軟骨同士の接触面は、摩擦による抵抗が非常に少なくなっています。関節軟骨の内容は、プロテオグリカン、コラーゲン、水からなっています。

しかし、中高年になると筋力が低下し、その筋力でカバーできない負担が継続的に掛かる仕事や、瞬間的に大きな負担がかかるスポーツなどで、関節軟骨が衝撃を吸収しきれなくなると傷んでしまいます。関節軟骨はその構造上、表面がいったん傷んでくると、元に戻りにくく、だんだん擦り減って悪くなる傾向があります。

変形性膝関節症は中高年齢者に多く、50歳代で発症し、65歳以上で急増します。また、男性に比べ2~4倍、女性に多いのも特徴です。肥満している人、O脚変形(いわゆる、がにまた)のある人にもよくみられ、O脚では内側に過度な体重、圧迫が加わることになり、内側の軟骨の摩耗が進んでいきます。

症状としては、膝関節のはれや、こわばっている感じがし、正座ができなくなります。歩き始めに膝が痛みますが、少し歩いているうちに楽になり、また歩きすぎると痛みが出てきます。

片側の膝だけに発症することもありますが、両側性のこともしばしばあります。症状が進行すると、関節内に水、すなわち増量した関節液がたまってくるようになり、関節のすきまから前内側膝蓋(しつがい)部にかけて押すと痛むところが現れます。さらに進行すると、膝関節を完全に伸ばすことができなくなり、屈曲も制限され、関節が側方にぐらつくようになることもあります。

変形性膝関節症の検査と診断と治療

X線写真では、関節の端に骨の出っ張りがみられ、関節の透き間が狭くなったり、軟骨下骨の組織が硬化している像などがみられます。膝関節が内側に反るように変形し、下腿(かたい)軸の異常が起こります。そのため、荷重した状態で下肢の全長正面像を撮影することが重要になります。

診断は年齢、臨床所見、X線所見から行います。さらに、関節造影や関節鏡を行うことで、より正確なものになります。鑑別診断で重要なものは、関節リウマチと膝関節結核との区別です。

治療上で注意することは、まず関節になるべく負担をかけないようにすることで、肥満を避けたり、無理な運動をしないようにします。やむを得ず比較的長距離を歩かなければならないような場合には、膝のサポーターも有用です。

しかし、膝が悪いからといって、ほとんど歩かないようにしては、かえって膝に悪影響を及ぼします。関節は動かすことによって、生理的な状態が維持されるので、体重負荷がかからないようにした膝関節の屈伸運動で、太ももの前面の大腿(だいたい)四頭筋の強化を図ります。

まず、いすに腰掛けて、片方の足を上げて、膝をピンと伸ばします。太ももの前面の特に膝の内側に力こぶができるように、しっかり力を入れます。そのまま、数秒間足を上げたまま止めます。この一連の運動を左右交互に行なって1度に10回から20回、これを1日に2~3回を目安に行なうと効果的です。足首に抵抗となるおもりをつけて行えば、より効果的です。

筋力がかなり落ちている場合や、膝関節痛が強い場合は、かかとを床に着けたままで、太ももの前面に力こぶを作る運動をします。このような運動は頑張れば必ず効果が出て、膝関節の安定性と関節水腫(すいしゅ)の改善が期待できますので、少なくとも2、3カ月は続けてみましょう。

そのほか、自転車乗りや平泳ぎ以外の水泳、水中ウオーキングなども、膝に負担のかからない運動として適している上、減量にもつながります。

症状が強く、関節内に水がたまってくるような場合には、感染に対する厳重な注意の下で関節穿刺(せんし)が行われ水を吸引してから、炎症を抑えるためにヒアルロン酸、または副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)を注入することもあります。

ヒアルロン酸は、軟骨の一成分で、関節液中にも存在する関節の潤滑油でもあります。変形性膝関節症ではヒアルロン酸の量が減るため、注射で補うことで、痛みを和らげ、炎症を抑え、関節の動きをよくするなどの効果があるといわれています。副腎皮質ホルモンには、強い炎症止めの効果と鎮痛効果がありますが、あまり頻繁に使用すると、副作用が多くなるといわれています。

また、膝の変形、特に片足で立った時にO脚変形が著明で、主に体重が関節の内側だけにかかるような場合には、O脚を改善させる足底板の装着が有効です。足底板の装着で治療が期待できない場合には、手術も行われます。まだ変形を起こしていない関節面が残っている場合に、脛骨(けいこつ)の骨切りを行って、体重が関節全体に均等にかかるようにします。

変形性の変化が重度である場合は、人工関節全置換術の対象になります。これらの手術で痛みは明らかに改善しますが、術後の合併症である血栓症による肺梗塞(こうそく)、脳梗塞、心筋梗塞の発生に十分注意を払う必要があります。

🇬🇾変形性足関節症

足首の関節の軟骨が擦り減ったり、骨の変形が生じたりする疾患

変形性足(そく)関節症とは、長年の使用による老化や、過度の負担、外傷などによって、足関節の軟骨が擦り減ったり、骨の変形が生じたりする疾患。

変形性関節症が足関節、すなわち足首の関節に起こったものですが、股(こ)関節や膝(しつ)関節に起こる変形性関節症に比べると、まれな疾患です。

関節の軟骨は、関節の骨の表面を覆っている厚さ2~7ミリ程度の層で、正常では透明感のある白色に輝いていて、表面は非常に滑らかですべすべしています。水を含んだスポンジのように、関節の水分を吸ったり出したりすることで、体重の負担を分散するクッションとして、その衝撃を軽くしています。また、関節軟骨同士の接触面は、摩擦による抵抗が非常に少なくなっています。関節軟骨の内容は、プロテオグリカン、コラーゲン、水からなっています。

しかし、中高年になると筋力が低下し、その筋力でカバーできない負担が継続的に掛かる仕事や、瞬間的に大きな負担がかかるスポーツなどで、関節軟骨が衝撃を吸収しきれなくなると傷んでしまいます。関節軟骨はその構造上、表面がいったん傷んでくると、元に戻りにくく、だんだん擦り減って悪くなる傾向があります。

変形性股関節症や変形性膝関節症の場合は老化で起きる割合が高いのですが、変形性足関節症の場合は老化によるものは1〜2割。大半は、過去の骨折や捻挫(ねんざ)などの外傷が原因となって、長い年月を経て徐々に足首の関節の軟骨に変形が生じ、障害が起こるものです。

足関節の骨折や捻挫の後の靱帯(じんたい)損傷、関節の不安定、関節面の不整、関節の中の骨片(こっぺん)、骨棘(こっきょく)と呼ばれる骨の突出、化膿(かのう)性関節炎、骨壊死(えし)などが原因となって起こることもあります。骨折や捻挫などの治療を中途半端にして放置しないことが、重要です。

症状としては、歩き始め、階段の昇降、長時間の歩行や立ち仕事の後に、足首の痛みが起こります。徐々に足首のはれや変形が起こり、動きが制限され、正座や坂道での歩行が不自由になります。

ひどくなると、足首の関節の軟骨が消失して、骨と骨が直接こすれ合うようになり、痛みや機能障害が増大していきます。片側の足首の関節だけに発症することもありますが、両側性のこともあります。

足首の関節の痛みやはれ、正座ができないなどの症状が長引くようであれば、変形性足関節症の可能性もありますので、整形外科の受診が勧められます。

変形性足関節症の検査と診断と治療

整形外科の医師による診断では、歩行状態、足関節の変形、はれや痛みの部位、動きなどの診察と、X線(レントゲン)検査を行います。X線検査では、軟骨が擦り減って足関節の間が狭くなっていたり、骨棘ができていたり、足関節の軟骨が完全になくなっていたりするのが確認されます。

整形外科の医師による治療では、まずは痛みに対して安静、足首への荷重を変えて痛みを軽減する足底装具、足関節サポーター、湿布、塗り薬、痛み止めの内服薬、温熱療法、理学療法などを用いた保存的治療を行います。炎症と痛みを和らげるために、局所麻酔剤とステロイド剤(副腎〔ふくじん〕皮質ホルモン)の関節内注射を行うこともあります。

進行を抑えるため、体重の増加を防ぐことや、足首に負担がかかる無理な運動を控えることも大切です。

足関節に重度の変形があり、歩行困難など日常生活に支障がある場合には、手術による治療が必要となります。手術では、原因や症状、年齢、性別、活動性などを考慮して、適切な術式を選択します。

足関節の中に擦り減った軟骨の骨片がある場合は、関節鏡という内視鏡を使って摘出します。捻挫を繰り返したことが原因の靱帯損傷によって、足関節がひどく不安定な場合は、足関節外側靱帯の再建術を行います。

また、主に若年の人に対しては、足関節の機能を温存する骨切り術や関節牽引(けんいん)形成術を行います。主に中年以降の人に対しては、長期にわたって痛みを確実に取り除く足関節固定術や人工足関節置換術を行います。

骨切り術では、斜めに足関節の骨を切り、広げた透き間に骨盤からの骨を移植します。足関節の安定性が得られ、痛みは軽減し、足首の動きが残ります。

関節牽引形成術では、創外固定器と呼ばれる器具を足に装着して牽引し、足関節の透き間を作ります。手術後は、器具を装着したまま、足首を動かす練習をすることで、足関節が再生する可能性があります。痛みも軽減することが多く、足首の動きも残ります。

足関節固定術では、痛んだ足関節の軟骨を削り、足関節が動かなくなるように固定します。痛みは軽快しますが、足首の動きがなくなります。

人工足関節置換術では、痛んだ足関節の軟骨を削り、人工の関節を挿入します。痛みが軽快し、足首の動きも残ります。しかし、骨の質が十分で、靭帯のバランスがよいなど、この手術ができる人はかなり限られています。

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