2022/08/19

🇧🇹冷え性

冷え性とは、体のほかの部分は冷えを感じないのに、腰や手足など体の一部分だけ冷たく感じる状態のこと。手足が冷たいということとは違い、いわゆる寒がりとも違います。

腰から下に冷えを感じる際に、特別の温度計を用いて皮膚温度を測ると普通であることが多く、ホルモンバランスの乱れやストレスによる自律神経の乱れから、毛細血管が収縮し、血行が悪くなって冷えを感じます。

一般に女性に多く、女性の半数以上にみられますが、男性にもみられることがあります。女性は男性に比べて皮下脂肪が多く、熱を通しにくい脂肪はいったん冷えると温まりにくい性質があること、加えて、男性に比して血流の多い筋肉が少ないことも原因します。

現代の西洋医学には冷え症という病名はなく、冷え症自体は治療の対象にはなっていません。何らかの病気が原因で冷え性が起きている場合には、まず隠れた病気がないかどうかを確認します。冷えを起こす病気としては、貧血、甲状腺(せん)の病気、膠原(こうげん)病、心臓病、胃腸障害などがあります。これらの病気に対しては、西洋医学的な治療が優先して行われます。

間違ったダイエットが原因で、冷え性が起きていることもあります。これはタンパク質、ビタミン、ミネラル、脂肪などの摂取不足から栄養失調を生じるために起こります。

また、もともと持っている病気が、冷えで悪化することがあります。冷えで悪化する病気としては、関節リウマチ、ぜんそく、膀胱(ぼうこう)炎、花粉症などがあります。

さらに、冷えが心身の不調を引き起こすことがあります。特に冷えと痛みは関係が深く、月経痛、頭痛、腹痛、腰痛などが起こりやすいといえます。

漢方では、冷える体質のことを冷え性と呼び、冷えが症状として現れた場合を冷え症と呼んでいます。冷えは放置せず早めに治療し、病気の悪化を防いだり、心身の不調を予防、改善することが大切として、積極的に治療を行っています。

具体的には、気虚、気滞、血虚、瘀血(おけつ)、水滞などの症候が影響し、体を温め血の量を増やすとよいと見なし、それぞれの症候に合わせて補中益気湯(ほちゅうえっきとう)や婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)などの漢方薬を処方し、生活習慣の改善を勧めます。

🇧🇹鼻炎

鼻の粘膜が炎症を起こした疾患。別名は、鼻風邪

鼻炎とは、鼻腔(びくう)の粘膜にさまざまな原因で炎症が生じた疾患。急性鼻炎と慢性鼻炎に分けられます。

急性鼻炎は、鼻腔粘膜の炎症が急激な経過をとるもの。急性鼻炎の多くは、いわゆる鼻風邪と同じと考えられます。

大部分が、風邪のウイルスによって引き起こされます。代表的なウイルスとして、ライノウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、コロナウイルスがあります。ウイルス感染に合併して、細菌感染を生じることもあります。

症状として、まず鼻の中が乾いたような感じがし、次いで、くしゃみ、鼻汁(びじゅう)、鼻詰まりが起こります。鼻汁は初め水性で、それが数日後には黄色く粘性に変わり、細菌感染を合併すると青緑色っぽい膿(のう)性の鼻漏(びろう)になります。

咽頭(いんとう)痛、咳(せき)、たん、しわがれ声、発熱、食欲不振、頭痛、全身倦怠(けんたい)感、筋肉痛などを伴うこともあります。小児では、いびきが大きくなることもあります。

一方、慢性鼻炎は、鼻腔粘膜が炎症を起こした状態が長引いているもの。普通、急性鼻炎を繰り返しているうちに慢性化すると見なされますが、はっきりと急性鼻炎の症状がないのに、いつの間にか慢性鼻炎になるケースもあります。

慢性鼻炎には、粘膜が赤く腫(は)れている状態が続く単純性鼻炎(鼻カタル)と、炎症が長引いて粘膜が厚く、硬くなった肥厚性鼻炎があります。アレルギー性のものや、副鼻腔炎を伴うものは、含みません。

局所的な原因としては、機械的刺激の反復、細菌の感染、副鼻腔炎、アデノイド(増殖性扁桃〔へんとう〕肥大症)などと関係があるとされています。全身的な原因としては、風邪のほか、糖尿病、肝臓病などの疾患、アレルギー体質が指摘されています。

症状としては、鼻詰まり、嗅覚(きゅうかく)障害、鼻漏、前頭部の頭痛などがみられるほかに、鼻部の不快感、イライラ感、鼻出血なども生じることがあります。

単純性鼻炎の場合の鼻詰まりは、片側のみ、あるいは左右交代に起こります。肥厚性鼻炎の場合の鼻詰まりは、常に両側に起こります。鼻漏は粘性が多く、鼻がかみきれないこともあります。また、鼻漏がのどに落ちる、すなわち後(こう)鼻漏もよく起こります。

鼻炎の検査と診断と治療

風邪に伴って急性鼻炎の症状の鼻汁や鼻詰まりがなかなか治らない、あるいはいびきが続くなどの症状がある場合は、合併症を起こしている可能性があるので、一度耳鼻咽喉(いんこう)科を受診したほうがよいでしょう。

鼻鏡による鼻やのどの所見で、おおかたの診断がつきます。花粉症と紛らわしいことがありますが、花粉症の場合は目の症状を伴うことが多いため、この有無が診断のポイントになります。鼻汁の細胞診で、急性鼻炎の場合は白血球の一種の好中球や、脱落した鼻粘膜上皮細胞がみられますが、花粉症の場合は白血球の一種の好酸球がみられます。

急性鼻炎の治療は風邪と同様、対症療法が主体になります。患部に直接、薬の注入、塗布を行います。鼻汁を抑えるために抗ヒスタミン薬を、鼻をかみやすくするために粘液溶解薬を投与します。そのほか、鎮痛剤、解熱剤、抗生物質の処方など、全身的な治療もします。小児は鼻をかめないため、後鼻漏となって咳の原因となりがちなので、鼻をよく吸引することが大切です。

通常は数日間で治りますが、副鼻腔炎を併発すると膿性の鼻漏がなかなか治りません。また、特に小児は急性中耳炎を起こしやすくなります。

急性鼻炎にかかったら、安静が第一です。鼻やのどに適当な温度、湿度、きれいな空気も必要。特に、室内を乾燥させないように気を付けます。

初期はウイルスが飛び散って伝染するので、感染防止への配慮が必要。マスクは伝染にはたいした効果はありませんが、吸気の清浄化、加温、加湿という面では多少の効果があります。

慢性鼻炎のうち、単純性鼻炎の治療では薬物療法が中心で、鼻にネブライザーなどで薬を入れたり、薬を内服したりします。局所に血管収縮薬を用いると、鼻の粘膜の腫れがひき、鼻詰まりは改善されます。

肥厚性鼻炎になると、血管収縮薬でも改善しなくなるため、症状が強いケースでは手術療法も行われます。肥厚した粘膜を電気やレーザーで焼いて取り除いたり、鼻甲介(びこうかい)の切除が行われます。

🇧🇹光誘発角膜炎

スキー場、海水浴場などで紫外線が作用して、目の角膜に生じる炎症

光誘発角膜炎とは、スキー場や雪山、海水浴場などで多量の紫外線を含む太陽光線の反射を受けて、角膜に生じる炎症。雪目、雪眼炎、雪盲(ゆきめくら)とも呼ばれます。

いわば、目の日焼けであり、冬にスキーやスノーボード、雪山登山をする際に、サングラスやゴーグルをかけないで長時間過ごすと、雪面による多量の紫外線を含む太陽光線の反射を強く受けることになり、黒目の表面を覆う角膜に炎症が起こります。

夏に海水浴場に赴いて水泳や日光浴、ビーチバレーをする際にも、サングラスをかけなかったりサンバイザーをかぶらないで長時間過ごすと、海面に反射した多量の紫外線を含む太陽光線の反射を強く受けることになり、黒目の表面を覆う角膜に炎症が起こります。

太陽光線以外に、電気溶接の火花や殺菌灯の光線によっても、角膜に炎症が起こることもあります。

多くは、紫外線に目がさらされて10時間ぐらいして発症します。そのため、スキーなどをしている日中はあまり自覚症状がなく、夜半から真夜中にかけて急に目が痛み出し、目が開けられなくなることもあるので、慌ててしまうケースが多くみられます。

角膜は神経が豊富なため、痛みが非常に強く出るのが特徴ですが、両目のまぶたがはれて、常に涙が流れ出ている状態となり、白目の表面を覆う結膜は充血します。角膜の表面には細かい多数の傷が付き、全体に薄く白濁が起こることもあります。

キラキラと目を開けていられないような好天気の日に、一日中ゲレンデや雪山、海水浴場にいても光誘発角膜炎にならない人がいる一方で、どんよりと曇った日に数時間スキーやスノーボードをしただけで光誘発角膜炎になる人もいます。一般的に、若い人のほうが光誘発角膜炎になりにくく、年齢が上がってくると目が紫外線に弱くなる傾向があります。

光誘発角膜炎の検査と診断と治療

光誘発角膜炎(雪目)になった際には、アスピリンやセデスなどの鎮痛剤を内服し、なるべく目を閉じた状態を保ち、冷やしたタオルを目に当てて休みます。涙は出るほうがよいので、目を水で洗わないようにします。通常、痛みは次第に和らぎますが、翌日も強い痛みが続く時には、眼科で適切な治療を受けます。

眼科の医師による検査では、特殊な染色液で染めると角膜表面は点状に染まります。治療では、ヒアルロン酸の入った角膜を保護する目薬を主に使います。そのほか、抗生剤の目薬や眼軟こうも併用します。角膜の表面の上皮細胞は修復能が高いので普通、数日で症状は回復します。

過度の紫外線は、シミやソバカス、シワといった肌の老化を早めると同様、目の老化とも関連が深く、白内障や加齢性黄斑変性を進行させると考えられています。これを防止するためには、目にも紫外線対策が必要になります。

スキー場や雪山、海水浴場を始め紫外線にさらされるような場所では、帽子をかぶり、UVカット加工したサングラスやゴーグルをかけたり、紫外線カットのコンタクトレンズを用います。また、太陽光線、電気溶接の火花、殺菌灯の光線を直視しないように気を付けます。

🇳🇵脾機能高進症

脾臓がはれることによって機能が高進し、血球が減少する状態

脾(ひ)機能高進症とは、何らかの原因によって脾臓がはれて大きくなる脾腫(しゅ)によって、脾臓の機能が高進した状態。

脾臓は、左横隔膜の下、左肋骨弓(ろっこつきゅう)のところにある100グラムほどの臓器。健康な人では腹壁の上から触れることはできませんが、500グラムまたはそれ以上に大きくはれると触れることができます。

脾臓は、古くなった血球、すなわち赤血球、白血球、血小板を破壊して処理したり、細菌や異物に対して抗体を作るなど、防御作用を持っています。脾臓が大きくはれると、脾臓の機能が高進して血球を破壊する力が強くなり、古くなった血球だけでなく正常な血球まで破壊するようになる結果として、血液中の赤血球、白血球、血小板すべてが減少します。このような状態が、脾機能高進症です。

感染症、例えば伝染性単核球症、腸チフスなどの敗血症、マラリアなどで、脾臓がはれ、脾機能高進症が誘発されます。また、溶血性貧血、白血病、リンパ腫(しゅ)、骨髄(こつずい)線維症といった血液の疾患でも、脾臓がはれ、脾機能高進症が誘発されます。

鳥やネズミでは脾臓で赤血球や白血球を作っていますが、成人では脾臓ではリンパ球を作るだけで、赤血球や白血球は骨髄で作られているものの、骨髄線維症や白血病の際には、脾臓でも造血を行うようになって、脾臓がはれ、脾機能高進症が誘発されることがあります。

そのほか、肝硬変や慢性肝炎でも、脾臓がはれ、脾機能高進症が誘発される場合も少なくありません。

脾臓がはれて大きくなったぶん、血液中から取り込む血球の量が増えて、大量の血球が血液から取り除かれると、さまざまな問題が生じます。赤血球が減少すれば貧血症が現れ、白血球が減少すれば感染症にかかりやすくなり、血小板の減少があれば出血が起こりやすくなります。

脾臓のはれ方が強くなれば、隣にある胃を圧迫するため、少量食べただけで、あるいは何も食べていなくても満腹感を感じるようになります。また、脾臓のある付近に膨満感が生じたり、左上腹部や背部に痛みが生じることがあります。脾臓の一部に血液が十分に供給されず、壊死が起こり始めると、痛みが左肩へと広がります。

肝臓に血液を供給する門脈圧が上昇して脾腫がある時は、狭窄(きょうさく)や閉塞(へいそく)によって肝臓に流れ切れない血液が食道静脈に流れ込むため、しばしば食道の下端に静脈瘤(りゅう)ができます。これが破れると、吐血や下血を起こし、危険な状態に陥ります。

脾機能高進症の検査と診断と治療

消化器内科の医師による診断では、脾腫に加えて、貧血または血球の減少がある際に脾機能高進症を疑います。大抵の場合、脾腫は触診でわかり、腹部X線検査でも診断がつきます。

脾臓の大きさを確認し、他の臓器を圧迫しているかどうかを調べるために、超音波検査やCT検査が必要になることもあります。MRI検査では、CT検査と同様の情報が得られるだけでなく、脾臓を通過する血流をたどることもできます。弱い放射性の粒子を使用して脾臓の大きさと機能を調べ、大量の血球を取り込んでいるか、または破壊しているかどうかをみる検査もあります。

血液検査では、赤血球、白血球、血小板の数に減少がみられます。顕微鏡で調べた血球の大きさや形が、脾機能高進症を誘発する脾腫の原因を突き止める手掛かりとなることもあります。骨髄検査では、白血病やリンパ腫といった血液細胞のがんを確認することができますし、血中たんぱく質の測定では、マラリア、結核など脾腫を起こす他の疾患の有無を判定することができます。肝機能検査は、肝臓も障害を受けているかどうかを調べるのに役立ちます。

消化器内科の医師による治療では、脾機能高進症を誘発する脾腫の原因となった基礎疾患が特定でき、治療可能なものであれば、その疾患を治療します。

原因となった疾患にもよりますが、脾腫が周囲の臓器に悪影響を及ぼしている時や、脾腫があって食道静脈瘤から出血するような時には、消化器外科などの医師による手術を行って脾臓を摘出することがあります。脾臓を摘出すると、細菌やウイルスに対して防御する働きが失われ、感染を起こしやすくなるなどのリスクが生じますが、命にかかわるような問題がある場合は手術を行う価値があります。

手術の代わりに、放射線療法を行って脾臓を小さくすることもできます。

脾臓が腫れて大きくなっている場合は、破裂する危険性があるために、激しい運動は避けるようにします。

🇳🇵非機能性副腎腫瘍

ホルモン活性がなく、ホルモン値に異常がない副腎腫瘍

非機能性副腎腫瘍(ふくじんしゅよう)とは、ホルモン検査においてホルモン活性がなく、ホルモン値に異常がないと判断される副腎腫瘍。

副腎は、左右の腎臓の上に位置する小さな内分泌臓器。副腎の内部を構成する髄質と、髄質を包む皮質からできており、皮質からはグルココルチコイド(糖質コルチコイド)とアルドステロン(鉱質コルチコイド)という生命の維持に必要な2種類のホルモンのほかに、男女を問わず、男性化作用のあるアンドロゲンというホルモンを分泌しています。髄質からはアドレナリン(エピネフリン)、ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)を分泌しています。

副腎腫瘍は、ホルモンを過剰に分泌する機能性副腎腫瘍と、ホルモン活性がなくホルモンを過剰に分泌しない非機能性副腎腫瘍に分類されます。副腎腫瘍のほとんどは、非機能性副腎腫瘍です。

機能性副腎腫瘍がホルモンを過剰に分泌する場合には、さまざまな疾患の原因となります。代表的なのは、血圧を上げるホルモンであるアルドステロンが多く作られる原発性アルドステロン症という疾患です。高血圧患者の1割弱を占めるともいわれています。

また、グルココルチコイドが多く作られるクッシング症候群、アドレナリンやノルアドレナリンが多く作られる褐色細胞腫という疾患も多くみられ、高血圧や糖尿病などを引き起こします。

一方、これらのホルモンを過剰に分泌する機能性副腎腫瘍と比べ、特徴的な症状を示さず、あるいは自覚症状を示さずに、健康診断や、胃腸、肝臓、腎臓などの腹部の疾患に対するCT(コンピュータ断層撮影)検査やMRI(磁気共鳴画像撮影)検査、超音波(エコー)検査などの画像診断による精査過程で偶然、発見される副腎偶発腫瘍(無症候性副腎腫瘍)の中で、ホルモン検査において異常を示さない非機能性副腎腫瘍も少なくありません。

非機能性副腎腫瘍には、皮質腺腫(せんしゅ)、骨髄脂肪腫、神経節腫、囊胞(のうほう)、血管腫、過誤腫、線維腫、転移性腫瘍などがあります。このほか、副腎皮質がんの中にも非機能性副腎腫瘍が存在します。

さらに、非機能性副腎腫瘍と鑑別を要する疾患として、目立った症状を示さないにもかかかわらず数年かけて高血圧や糖尿病などを引き起こす可能性があるプレ(サブ)クリニカルクッシング症候群(グルココルチコイド産生腺腫)と無症候性の褐色細胞腫があります。

手術によって非機能性副腎腫瘍を摘出する必要があるか否かは、ホルモン分泌の過剰の有無と、悪性腫瘍(原発性副腎がんや転移性副腎がん)の可能性の2点により判断されます。

非機能性副腎腫瘍の検査と診断と治療

内科、内分泌代謝内科、循環器内科、泌尿器科などの医師による診断では、悪性腫瘍の可能性は腫瘍の大きさが3センチ以上であることや、CT(コンピュータ断層撮影)検査やMRI(磁気共鳴画像撮影)検査などの画像検査での悪性を疑わせる所見の有無で判断します。

ホルモン分泌の過剰の有無については、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫の3つの疾患について内分泌検査を行います。

内科、内分泌代謝内科、循環器内科、泌尿器科などの医師による治療では、検査の結果、ホルモンを過剰に分泌している所見がなく、最も一般的な非機能性副腎腫瘍である皮質腺腫や骨髄脂肪腫などの良性腫瘍の大きさが3センチ未満であれば、その時点では手術を行わずに経過を観察します。そして、半年から1年ごとにホルモン検査と画像検査を行います。やがて増大傾向を認める場合、ホルモン活性を認める場合は、手術による腫瘍摘出を検討します。

一方、腫瘍の大きさが3センチ以上、またはホルモンを過剰に分泌している所見がある場合は、手術による腫瘍摘出を適応と判断します。

また、検査でプレ(サブ)クリニカルクッシング症候群と診断された場合も、目立った症状を引き起こすことがなくとも、数年かけて高血圧や糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、骨粗鬆(こつそしょう)症などを引き起こす可能性がありますので、腹腔(ふくくう)鏡下の手術による腫瘍摘出が勧められます。

🇳🇵非結核性抗酸菌症

結核菌以外の抗酸菌によって引き起こされ、肺などに病変ができる疾患

非結核性抗酸菌症とは、結核菌と、らい菌以外の抗酸菌によって引き起こされ、肺などに病変ができる呼吸器感染症。非定型抗酸菌症とも呼ばれます。

抗酸菌とは、結核の原因である結核菌の仲間を指し、水中や土壌など自然環境に広く存在して、酸に対して強い抵抗力を示す菌です。結核菌よりもかなり病原性が低く、健康な人では気道を介して侵入しても通常は速やかに排除されて、ほとんど発症しません。

結核と症状が似ているために間違えられることもありますが、結核と非結核性抗酸菌症の大きな違いは、人から人へ感染しないこと、疾患の進行が緩やかであること、抗結核剤があまり有効でないことなどがあります。

非結核性抗酸菌症の原因は通常、非結核性抗酸菌(マイコバクテリウム)と呼ばれる抗酸菌で、約150種類が知られており、人に病原性があるとされているものだけでも10種類以上あります。日本で最も多いのはマイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレ(MAC菌)で、約80パーセントを占めます。次いでマイコバクテリウム・カンサシイが約10パーセントを占め、その他が約10パーセントを占めています。

リンパ節、皮膚、骨、関節など全身どこにでも病変を作る可能性はありますが、結核と同様、最も病変ができやすいのは肺です。発症様式には2通りあり、1つは体の弱った人あるいは肺に古い病変のある人に発症する場合、もう1つは健康と思われていた人に発症する場合です。感染系路として、非結核性抗酸菌の吸入による呼吸器系からの感染と、非結核性抗酸菌を含む水や食物を介する消化器系からの感染があると見なされています。

自覚症状が全くなく、胸部検診や結核の経過観察中などに偶然、見付かる場合があります。症状として最も多いのは咳(せき)で、次いで、痰(たん)、血痰、喀血(かっけつ)、全身倦怠(けんたい)感など。進行した場合は、発熱、呼吸困難、食欲不振、やせなどが現れます。一般的に症状の進行は緩やかで、ゆっくりと、しかし確実に進行します。

結核の減少とは逆に、非結核性抗酸菌症の発症者は増えてきており、確実に有効な薬がないため、患者数は蓄積され、重症者も多くなってきています。特に、気管支を中心に病変を作る肺MAC症が中年以降の女性に増えていますが、近年は若年者にも見付かっています。

症状に気付いたら、呼吸器科の医師、あるいは内科、呼吸器内科、感染症内科の医師を受診するのがよいでしょう。

非結核性抗酸菌症の検査と診断と治療

医師の診断の糸口は、胸部X線やCTなどの画像診断です。最も頻度の高い肺MAC症は、特徴的な画像所見を示します。異常陰影があり、喀痰(かくたん)などの検体から非結核性抗酸菌を見付けることにより、診断が確定されます。

ただし、非結核性抗酸菌は水中や土壌など自然環境に広く存在しており、たまたま喀痰から排出されることもあるので、ある程度以上の菌数と回数が認められることと、臨床所見と一致することが必要です。

2008年に肺MAC症の診断基準が緩やかになり、特徴的画像所見、他の呼吸器疾患の否定、2回以上の菌陽性で診断できることになっています。菌の同定は、PCR法やDDH法などの遺伝子診断法により簡単、迅速に行われます。

非結核性抗酸菌症と最も鑑別すべき疾患は、結核です。そのほか、肺の真菌症、肺炎、肺がんなども重要です。

医師による治療は、結核に準じて行われます。非結核性抗酸菌の多くは抗結核剤に対し耐性を示しますが、治療に際しては、菌によって効果があるので、まずは抗結核剤をいくつか併用します。

最も一般的なのはクラリスロマイシン、リファンピシン、エタンブトール、ストレプトマイシンの4剤を併用する方法です。この方法による症状、X線像、排菌の改善率は、よくても50パーセント以下にすぎません。治療後、再び排菌する例などもあり、全体的な有効例は約3分の1、副作用の出現率も3分の1程度あります。

薬は結核の時よりはるかに長期間服用する必要があり、確実に有効な治療法がないので患者数は増え、進行例が増えてきているのが現状です。完全に治すことは難しく経過観察が必要ですので、非結核性抗酸菌症と診断された場合には、通院不要と判断されることはありません。自覚症状がないまま悪化する場合もあるので、症状がなくても通院を中断しないことが重要です。

症状が特に強く、肺病変が著しい場合には、肺切除などの外科療法が行われます。

生活は普通通りにできますし、人から人へ感染しないので、自宅で家族と一緒に生活してもかまいません。水中や土壌など自然環境に存在している非結核性抗酸菌が感染するということは、体が弱っている、すなわち免疫が落ちていることが考えられますので、過労を避けつつ適度な運動を心掛けて、体力を増強させるような生活が望まれます。

🇵🇰肥厚性胃炎

胃の粘膜表面が正常より厚くなった状態

肥厚性胃炎とは、胃の粘膜の筋肉が緊張して、胃の粘膜表面が正常より厚く、硬くなった状態。慢性肥厚性胃炎とも呼ばれます。

肥厚性胃炎は慢性胃炎の一種で、慢性胃炎は胃の粘膜が持続的に炎症を起こして、粘膜の性状が変質し、胃が重いとか軽い痛みなどの症状を伴うこともある疾患です。

肥厚性胃炎では、胃液やその中の胃酸の分泌が増加し、過酸症がみられることがあります。原因の多くはピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の感染と考えられていますが、病態は完全には解明されていません。

症状としては、みぞおちから胸にかけて焼けるような不快感がある胸焼け、げっぷ、胃の酸っぱい液体が口まで逆流してくる呑酸(どんさん)、空腹時の胃の痛み、胃もたれなどの症状が現れます。大きな自覚症状が出ない場合もあります。

肥厚性胃炎に過酸症を伴う場合は、酸度の高い胃酸が食後に大量に分泌されることが一般的なため、食後1~2時間で胸焼け、げっぷ、呑酸の症状が現れます。また、食べ物が胃に入っていない空腹時に胃液が大量分泌し、とりわけ夜間に分泌量が増える傾向がある過酸症を伴う場合は、空腹時の胃の痛み、胃もたれ、食欲減退などの症状が現れます。

これらの症状は肥厚性胃炎だけではなく、十二指腸潰瘍(かいよう)、食道がん、胃がんなどでもみられる症状なので、検診などで肥厚性胃炎が発見された際には、消化器科、消化器内科、内科を受診することがお勧めです。

肥厚性胃炎の検査と診断と治療

消化器科、消化器内科、内科などの医師による診断では、胃内視鏡検査を行うと、胃粘膜の筋肉の緊張による粘膜表面の肥厚が観察されます。

また、胃内視鏡検査の時に胃粘膜の一部を採取し、顕微鏡で調べる生検を行うと、原因となるピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)がいるかどうかを診断することもできます。

消化器科などの医師による治療では、胃の粘膜の状態に応じて、胃の中に放出された胃酸を中和する制酸剤や、胃酸の分泌を減少させる抗コリン剤(自律神経遮断薬)、ヒスタミンH2受容体拮抗(きっこう)薬(H2ブロッカー)、プロトンポンプ阻害薬(PPI)などを使用します。

食後に胃のもたれが起こるようであれば、消化剤を使用することも有効で、症状に合わせて、傷みを和らげる鎮痛剤も使用します。

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)が胃に感染している場合には、根本的な治療の見地から、抗生物質(抗菌剤)の投与によるピロリ菌の除去が選択肢の一つになります。

ピロリ菌に対しては、2~3種類の抗生物質を、同時に1~2週間服用し続けることで、胃の中に生息しているピロリ菌を除菌します。

肥厚性胃炎、過酸症において日常で注意することは、脂肪食、香辛料、コーヒー、炭酸飲料、漬物、アルコール、たばこなどの胃酸の分泌を促進するものと、精神的疲労によるストレスを避けることです。ストレスがあると、血流が悪化し胃粘膜の防御機能が低下します。

🟥ロッテ、ガム3商品3万個を自主回収へ 国内で認められていない食品添加物を使用

 ロッテは26日、「めっちゃふくらむフーセンガムボトル」(2024年7月発売)などガム3商品を自主回収すると発表した。回収個数は計約3万個になる見込み。原材料である「エンドウたんぱく」に、国内で使うことが認められていない食品添加物「メチルパラベン」「PEGエステル類」が含まれて...