2022/11/02

🟧子宮頸がんを防ぐワクチン関連の拠点病院、16病院程度に拡大へ 厚労省

 厚生労働省は、子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンについて、接種後の体調変化に対応する体制を強化します。地域の医療機関から相談を受けたり、治療に関する最新情報を共有したりする拠点病院を倍増させます。2022年度第2次補正予算案に関連費用を盛り込みます。

 HPVワクチンは2013年4月、小学6年から高校1年の女子が公費で受けられる定期接種となったものの、接種後に体の痛みなどを訴える人が相次ぎ、厚労省は2013年6月から今年3月まで積極的な接種勧奨を中止していました。

 厚労省は4月に積極的勧奨を再開するに当たって、全国を8ブロックに分け、北海道大病院や順天堂大病院、京都府立医科大病院、九州大病院など9病院を拠点病院として選定しました。今後、接種者が増加することを見据え、2022年度中に16病院程度に拡大します。

 全国には、接種後に症状が出た人に対応する協力医療機関が7月20日時点で86施設あり、拠点病院はそのまとめ役としての役割を担います。協力医療機関などからの診療の相談に応じ、研修会を通じて診療実績を共有します。

 2022年11月2日(水)

2022/11/01

🟧全国で新たに6万5280人が新型コロナ感染 9月23日以来の6000人超

 新型コロナウイルスの国内感染者は1日、全国で新たに6万5280人が確認されました。前週の火曜日(10月25日)より1万7574人増えていて、10日連続で前週の同じ曜日を上回りました。新規感染者が6万人を上回るのは9月23日以来、39日ぶりです。

 また、国内で亡くなった人は、長野県で8人、北海道で5人、埼玉県で5人、東京都で5人、沖縄県で5人、兵庫県で3人、千葉県で3人、奈良県で3人、福島県で3人、岐阜県で2人、愛知県で2人、京都府で1人、大阪府で1人、山口県で1人、石川県で1人、福岡県で1人、長崎県で1人、青森県で1人、高知県で1人の合わせて52人、累計で4万6711人となっています。

 都道府県別で新規感染者が最も多かったのは北海道の7638人で、東京都6520人、愛知県4277人、大阪府4009人、神奈川県3793人、埼玉県3160人、千葉県2386人と続きました。

 新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、1日時点で136人となっています。重症者の数は10月31日と比べて7人増えました。

 一方、厚生労働省は1日、大阪府内で新たに4009人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 これで大阪府内の感染者の累計は217万861人となりました。

 また、1人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6611人となりました。重症者は10月31日と変わらず12人です。

 2022年11月1日(火)

🟧東京都、6520人の新型コロナ感染確認 9月下旬以来の6000人超

 東京都は1日、新型コロナウイルスの感染者を6520人確認したと発表しました。前週の同じ曜日より1818人多く、10日連続で前週の同じ曜日を上回りました。1日の感染者数が6000人を超すのは、6314人だった9月26日以来。

 また、50歳代の男性1人と、80歳代の男性2人の計3人の死亡も発表されました。

 1日までの1週間の感染状況は、1日当たりの感染者数が4022・1人で、前週(3286・6人)の122・4%。

 1日発表の新規感染者は、年代別では40歳代の1110人が最多で、次いで30歳代の1105人、20歳代の1026人、50歳代の896人など。重症化しやすいとされる65歳以上は637人でした。

 「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日より2人少ない16人でした。

 重症者用の病床使用率は10月31日と変わらず8・8%、全体の病床使用率は0・9ポイント上がって28・2%でした。

 2022年11月1日(火)

🟧塩野義製薬の新型コロナ飲み薬、緊急承認制度で11月下旬にも再審議へ 変異型対応「2価ワクチン」も準備

 塩野義製薬が開発した新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」について、厚生労働省は11月下旬にも緊急承認制度の適用の可否について専門家による再審議を行う方向で調整に入りました。承認されれば、5月に創設された同制度の初適用となる見通し。

 ゾコーバを巡っては、塩野義が中間段階の臨床試験(治験)の結果をもとに同制度適用を目指したものの、7月の厚労省の専門家会議で「有効性が推定できない」として承認が見送られ、継続審議となりました。

 再審議は前回と同様、薬事分科会と専門部会の合同で公開で行われ、塩野義が提出した最終段階の治験データをもとに適用の可否が審議されるとみられます。

 同社は9月に、最終段階の治験で効果を確認できたとする解析速報を公表。オミクロン型に特徴的な症状の消失までの時間が偽薬投与群に比べて短いことが確認できたとしていました。

 ゾコーバは細胞内に入ったウイルスの増殖を抑える働きがあります。軽症、中等症患者向けで、服用が感染初期に1日1回(5日間)と使いやすく、医療機関や患者の負担軽減になると期待されています。

 緊急承認制度は、感染症のパンデミック(世界的大流行)などの緊急時におけるワクチンや治療薬の迅速な実用化を目指すもので、中間段階の治験でも安全性が確保され有効性が推定されれば使用が認められます。塩野義は5月に適用を申請しました。

 政府は承認されれば100万人分を購入することで塩野義と合意しています。

 一方、塩野義製薬の手代木功(てしろぎ・いさお)社長は10月31日の決算発表記者会見で、年内の承認申請を目指す新型コロナウイルスワクチンについて、従来型に対応したワクチンで承認を得た後、オミクロン型と従来型の両方に対応した「2価ワクチン」の準備も進めると明らかにしました。アメリカのファイザー製とアメリカのモデルナ製の2価ワクチンは追加接種で使用が始まっています。塩野義製は副反応が少ないことが指摘されており、追加接種にも使えるようにします。

 塩野義はワクチンの最終段階の臨床試験(治験)を進めています。手代木社長は「どんなに遅くても年内には承認申請したい。まずは(従来型に対応した)オリジナルで承認をいただきたい」と強調。「追加接種で使ってもらえるよう、変異型に対応したワクチン製造も準備している」と述べました。

 2022年11月1日(火)

🟧北海道の新型コロナ新規感染7638人 8月20日以来の7000人台

 北海道は1日、道内で新たに7638人が新型コロナウイルスに感染し、感染していた11人が死亡したと発表しました。1日当たりの新規感染者が7000人台となったのは8月20日(7590人)以来73日ぶり。先週の火曜日より2065人多く、12日連続で前の週の同じ曜日を上回りました。

 新規感染者数は道立保健所管内が4003人、札幌市が2697人、旭川市が603人、函館市が113人、小樽市が222人。道立保健所管内と小樽市で過去最多を更新しました。道内の感染者数は延べ84万4539人となりました。

 感染して亡くなったのは道発表の70~80歳代の4人、年代非公表の2人、札幌市の60~80歳代の5人の計11人。道内の死者は累計2745人となりました。

 1日時点の入院患者数は前日から22人多い727人で、重症者は7人でした。1日時点の病床使用率は31・5%で1週間前から上昇しました。重症者向けの病床使用率は5・6%でした。確保病床数は1603床で、このうち90床が重症者向け。

 新たなクラスター(感染者集団)は19件。このうち福祉施設は14件で、空知管内の障害者施設や札幌市の介護老人保健施設などで各5~21人が感染。医療機関は5件で、函館市内の3カ所、空知管内1カ所、オホーツク管内1カ所で各7~21人の感染が確認されました。

 道の新型コロナ対策本部指揮室は増加の要因について、休み明けの月曜に医療機関を受診する人が多く、火曜は増える傾向にあるとした上で「人の移動の増加や、寒くなり室内の換気不足などが影響した可能性がある」と指摘しました。

 2022年11月1日(火)

🟧京大・本庶グループ、老化によるがん免疫低下を回復させる成分を解明 がん免疫治療薬の弱点克服へ

 がん免疫治療薬「オプジーボ」の開発に貢献し、2018年にノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑(ほんじょたすく)・京都大特別教授らの研究グループは、老化で免疫力が低下し治療薬が効かない高齢マウスに「スペルミジン」という成分の投与を併用することで、がん免疫が向上し治療効果が回復したとする研究結果を10月27日付のアメリカの科学誌「サイエンス」電子版に発表しました。

 高齢のがん患者は若い人より免疫療法の有効性が下がる症例が多く、研究グループは研究成果が新たな治療法につながるとみて、併用治療の臨床応用を目指すとしています。

 がんを攻撃する免疫細胞のブレーキを外すことで攻撃力を高める免疫治療薬は劇的な効果がある一方、高齢者を始めとした半数程度の患者には効果が薄く、原因究明や併用治療の開発が急がれています。

 研究グループは生物の体内に存在し、細胞の増殖などの生命活動に関与する成分「ポリアミン」の一種であるスペルミジンに着目。スペルミジンは加齢によって細胞内の濃度が低下することが知られているものの、老化による免疫力低下との関連性はわかっていませんでした。

 研究で、免疫治療薬が効かない高齢マウス5匹にスペルミジンを併用して投与した結果、免疫細胞の機能が向上し、がんに対する免疫が回復することを確認しました。また、細胞内でエネルギーを発生させる小器官「ミトコンドリア」の酵素にスペルミジンが直接結合し、免疫の回復・増強に作用するという仕組みも解明しました。

 老化による免疫力低下の原因の一端を明らかにする発見で、研究グループの茶本(ちゃもと)健司特定准教授は「時期は未定だが、がん免疫治療薬との併用による治療効果を臨床で確認したい」と実用化に向けた意欲を示し、「がんだけでなく、自己免疫疾患などの新たな治療法開発につながる可能性がある」としています。

 がん治療に詳しい近畿大の中川和彦教授(腫瘍内科学)は、 「がん免疫治療薬の課題解決に向けた大きな成果だ。今回はマウスの実験だが、人でも同様の効果があれば、がん治療が大きく前進する」と話しています。

 2022年11月1日(火)

🟧新型コロナとインフルエンザ、ワクチンの同時接種始まる 東京都港区

 この冬、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が懸念されていることから、東京都港区は65歳以上の区民などを対象に、両方のワクチンをその場で接種する取り組みを始めました。

 新型コロナ対策について助言する厚生労働省の専門家会合は、インフルエンザが例年より早く流行し新型コロナとの同時流行が懸念されると指摘しています。

 こうした折、東京都港区は冬に向けてインフルエンザのワクチン接種を推進しようと、区内に4つある新型コロナの集団接種会場の1つで、インフルエンザのワクチンも同時に接種する取り組みを1日から始めました。

 対象は、これまでに2回以上新型コロナのワクチンを接種した65歳以上の高齢者や、60歳から64歳の心臓などに障害がある人で、事前に予約がなくてもその場で2つのワクチンを接種できます。

 会場の港区新型コロナワクチン接種センターでは午前9時半から接種が始まり、受け付けの際、スタッフがワクチンを同時に打つかどうかの希望を確認していました。1日の接種人数は接種券などの必要書類を持参した先着50人だということです。

 両方のワクチンを接種した85歳の女性は、「それぞれの予約を取るのは大変なので一度に済んでよかったです」と話していました。

 みなと保健所の土井重典課長は、「手間暇かけずに感染も抑えるという利便性を重視した。第8波が起きたとしても小さく抑えられるよう全力を尽くしたい」と話していました。

 この会場での同時接種は今年中に後8回予定されていて、詳しい日程などは区の広報誌やホームページで確認してほしいということです。

 2022年11月1日(火)

🟪小中学生の体力調査、中学生男子はコロナ感染拡大前を上回る

 全国の小学5年生と中学2年生を対象に、50メートル走など8つの項目で体力や運動能力を調べる今年度の国の調査で、中学生の男子の合計点は新型コロナウイルスの感染拡大前を上回りました。一方で、小学生の男女は低下傾向にあり、スポーツ庁は運動の機会を増やす取り組みに力を入れていく方針で...