国連は11月15日(日本時間)、世界の人口が80億人に達したと発表しました。約25億人だった1950年から3倍以上に増加しました。
世界の人口は、平均寿命の伸びや母子の死亡率の低下を背景に増加を続けており、この12年で約10億人増えています。人口の増加はインドやアフリカ諸国などで著しく、来年にはインドが中国を上回り、世界で最も人口が多くなるとみられています。
また、今後2050年までに増える世界の人口の半数以上は、アフリカのサハラ砂漠以南の国々になる見通しだということです。
一方で、日本を含む61の国や地域では、出生率の低下などから2050年までにそれぞれ人口が1%以上減少すると、予測されています。
世界全体の人口増加のペースも徐々に鈍っていて、2080年代に約104億人のピークを迎えたあとは、減少に転じる可能性があるとみられています。
国連の経済社会局は、人口が急速に増加している国では若者の教育や就労機会の確保が必要だとする反面、人口の増加が見込めない国では少子高齢化などに備える必要があると指摘しています。
国連は、今後2050年までに人口が大幅に増加する国として、インド、ナイジェリア、パキスタン、コンゴ民主共和国、エチオピア、エジプト、フィリピン、タンザニアの8カ国を挙げています。
こうした国々で大幅な人口の増加が見込まれる要因として、国連は平均寿命が伸びる一方で、乳幼児などの死亡率が低下していることを挙げています。
一方で、急速な人口の増加や高い出生率が続くことについて、国連の経済社会局は、子供たちへの教育が追い付かず、社会の発展を妨げる恐れがあるとしています。
その上で、ジェンダー(社会的・文化的につくられる性別)の平等などを推進することで、高すぎる出生率をより安定したレベルに移行させることが可能になるとしています。
インドの現在の人口は約14億人。インド政府は1950年代以降、人口を抑制するため、夫婦の子供を2人までとすることなどを目標にした政策を展開し、避妊手術なども行われましたが、現在は国としての厳格な制限はありません。人口は最近毎年1%増えていて、当面は人口の増加が続くとみられ、2050年には16億人を超えるという推計も出ています。
人口増加の波はアフリカにも押し寄せていて、国連によりますと2022年のアフリカの人口は14億人余りと、世界全体の約18%ですが、2050年までには24億人を超え、世界の人口の4人に1人がアフリカの人々になると予測されています。
2022年11月15日(火)