中国南部の広東省では14日、新型コロナウイルスの厳しい感染対策に対して住民の大規模な抗議活動が起きました。習近平指導部が、行動制限などを伴う「ゼロコロナ」政策を継続する方針を示す中、住民の不満が表面化した形です。
香港メディアによりますと、大規模な抗議活動が起きたのは広東省広州市中心部南方の海珠区で、ロイター通信が配信した映像では14日夜、大勢の住民が、外出を制限するためのバリケードをなぎ倒しながら「封鎖を解除しろ」などと抗議の声を上げる様子が映されています。警察が高圧放水で鎮圧を図り、けが人も出ているといいます。
海珠区では10月下旬から新型コロナの感染が広がり、地区によっては2週間以上にわたって外出制限が続いています。
マスコミの取材に応じた住民は、厳しい措置のため、病気になっても病院に行けなくなったり、生活物資が届かなかったりしていたと話しており、住民の不満が蓄積していたとみられます。
14日に抗議活動を起こした人の多くは、ほかの省から来た出稼ぎ労働者とみられ、地元政府は出身地に送り返すなどの対応をとっているということで、15日は外出制限がとられている地区から住民とみられる人たちを乗せた大型バスが次々と出発していく様子が確認できました。
人口約1880万人の広州市では、14日の新規感染者数が5124人と過去最高になりました。
2022年11月16日(水)