オーストラリア連邦政府は1日、新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大している中国からの入国者に対して、出発前48時間以内のPCR検査の陰性証明書提出を義務付けると発表しました。中国政府が海外渡航制限を解除する1月8日の午前0時1分から施行します。
オーストラリアは現時点で、どの国・地域に対しても陰性証明書の提出などの水際対策を行っていません。アンソニー・アルバニージー首相は昨年12月29日、中国からの入国者に規制を実施しない考えを示していましたが、方針を転換。中国からの入国者に対しては、日本を始めアメリカやイギリスなど主要国はすでに水際対策を発表しており、オーストラリアも追随した格好です。
マーク・バトラー連邦保健相は、「包括的な情報が不足しているため、数多くの国がさまざまな(水際)対策を実施している。中国からの旅行者を制限するのではなく、中国の感染状況についての情報を集めることが重要だ」と述べ、中国政府が感染情報を十分に開示していないことに不満を示しました。
オーストラリアのコロナ対策についてバトラー保健相は、「現時点ではうまくいっている」とした上で、「中国からの渡航再開は、オーストラリアにとって差し迫った脅威にはならない」と語りました。
国内の教育・観光産業は、中国人の渡航が再び活発化することに期待しているといいます。オーストラリア政府も両国間の人の往来が再開すること自体は歓迎しています。バトラー保健相は、中国人にとって1年で最大の旅行シーズンである春節(旧正月=今年は1月22日)に向け、国内の中国系住民がコロナ禍で長く会えなかった本国の家族や友人と再会できるよい機会になる、との認識も示しました。
2023年1月2日(月)