大塚ホールディングス傘下の大塚製薬は10日、アルツハイマー病に伴ってみられる暴力などの行動障害の治療薬として、統合失調症薬「レキサルティ(一般名:ブレクスピプラゾール)」の効能を追加する承認申請がアメリカ食品医薬品局(FDA)に受理されたと発表しました。優先審査の対象で審査終了目標日は5月10日を予定しています。アルツハイマー病は認知症全体の6割強を占めるとされ、行動障害に対する効能が承認されればアメリカで初となります。
介護負担の軽減につながる可能性があり、日本やヨーロッパでも同効能を追加する承認申請を目指します。
アルツハイマー病患者の約45%が、介護者らに対する暴言や暴力、錯乱などの行動障害などの行動障害を起こすとされています。従来は一般的に、鎮静薬や抗精神病薬などが処方されてきました。
アメリカやヨーロッパで実施した最終段階の臨床試験(治験)では、レキサルティを12週間服用した患者は、偽薬を服用した人よりも行動障害の起きる頻度が平均的に減っていました。日本では3月までに、最終段階の治験を終える予定です。
レキサルティは大塚製薬が創薬し、アメリカとヨーロッパではデンマークのルンドベックと共同開発・販売契約を結んでいます。2015年にアメリカで成人のうつ病や統合失調症の治療薬として発売し、現在約60カ国・地域に供給しています。
レキサルティの2022年12月期の製品売上高は、前の期比で38%増の1675億円を見込みます。アメリカで効能が追加された場合の売上高の計画は、2月の2022年12月期決算発表時に開示する予定です。
2023年1月11日(水)