昨年11月に緊急承認された塩野義製薬の新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ(一般名・エンシトレルビル)」について、厚生労働省は処方が禁じられている妊婦への処方が2人に対してあったとし、全国の医療機関に注意喚起するよう都道府県に通知しました。市販後調査を担う塩野義製薬から報告がありました。
通知は20日付。厚労省によると、女性のうち1人は、服薬の約1カ月後に産婦人科を受診し、当時妊娠4週目だったとわかりました。処方時に、医師から薬の注意点について説明を受けていたものの、本人に妊娠の自覚がなかったといいます。現時点で副作用は確認されていません。もう1人については状況を調査中といいます。
ゾコーバは動物実験で胎児に奇形が生じることが確認されており、妊婦や妊娠している可能性のある女性には使用できません。厚労省は通知で、処方時に妊娠している可能性がないことを入念に確認するよう求めました。
塩野義製薬によると、昨年11月24日~今年1月5日にゾコーバは1万1867人の患者に処方されています。
2023年1月24日(火)