2023/04/28

🟩東京都で新たに1613人感染 新型コロナ、4人死亡

 厚生労働省は28日、東京都内で新たに1613人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1週間前の金曜日より172人増えました。前の週の同じ曜日を上回るのは12日連続です。

 1週間平均の新規感染者数は、28日時点で1445・1人で、前の週に比べて116・8%。  新規感染者1613人を年代別でみると、0歳10人、1~4歳14人、5~9歳31人、10歳代157人、20歳代297人、30歳代255人、40歳代223人、50歳代281人、60~64歳95人、65~69歳48人、70歳代108人、80歳代70人、90歳以上24人。重症化しやすいとされる65歳以上の高齢者は250人。

 入院患者は695人で、病床使用率は13・7%。人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使っている重症の患者は、27日と同じ4人でした。

 一方、感染が確認された4人が死亡しました。

 東京都の累計は感染者437万1747人、死者8107人となりました。

 28日の東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議では、新規感染者数の7日間平均が5週連続で増加しており、感染拡大の加速に注意が必要だとの分析結果が報告されました。感染症法上の位置付けが5類に移行するのに伴い、同会議はこの日が最後となりました。

 2023年4月28日(金)

🟩入国者への水際対策は29日から廃止、連休前に前倒し 政府のコロナ対策本部も廃止へ

 政府は28日、新型コロナウイルスの水際対策を廃止し、29日からすべての入国者に対し、陰性証明やワクチン接種証明書の提示を求めないことを決めました。臨時措置として、中国本土からの直行便で入国する一部の人に実施する検査もやめます。

 厚生労働省は27日、5月8日に新型コロナウイルス感染症を季節性インフルエンザと同じ感染症法の「5類」にすることを正式決定しました。これにより現在の水際対策の根拠もなくなるため、政府は、廃止を大型連休前に前倒しすることにしました。

 7日までは、症状がある人への入国時検査や、陽性の場合に施設などで療養できる態勢を継続します。8日以降は、変異型の侵入を監視する「感染症ゲノムサーベイランス」を始めます。入国時に発熱やせきなどの症状がある人の検体から、病原体のゲノムを調べます。

 また、政府は4月28日の閣議で、政府の新型コロナ対策の決定機関である「新型コロナウイルス感染症対策本部」を5月8日付で廃止することを決定しました。新型インフルエンザ対策特別措置法に基づいて2020年に設置された対策本部は。コロナを5類に引き下げれば、廃止する必要があります。

 ただ、今後の感染動向が不透明なこともあり、専門家による新型コロナ感染症対策分科会(尾身茂会長)は当面存続させます。政府は危険性の高い変異型が出現した場合などは、再び感染対策を強化することも検討しており、今後も必要に応じて、分科会で専門家の意見を聞く方針です。

 文部科学省は28日、コロナに感染した小中高校などの児童・生徒の出席停止期間について、5月8日からは「発症後5日」がすぎ、かつ「軽快した後1日を経過するまで」に変更すると都道府県などに通知しました。現在は原則「発症後7日間」となっています。

 2023年4月28日(金)

🟩新型コロナ5類移行後の感染者数、毎週金曜日に公表へ 厚労省が「定点把握」

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」に移行後の新規感染者数について、厚生労働省は27日、全国の特定の医療機関からの報告をまとめ、毎週金曜日に1週間分の感染者数を公表すると明らかにしました。初回は5月19日で、5月8~14日分を公表します。

 5月8日の5類移行に伴い、感染動向は「全数把握」から全国約5000の医療機関での「定点把握」に変わります。季節性インフルエンザの定点把握と同じ医療機関を基本に、患者数や年代、性別などを自治体を通じて毎週報告します。季節性インフルと同様に1医療機関当たりの患者数を都道府県ごとに示します。

 季節性インフルエンザでは、流行レベルを示す「注意報」「警報」の指標がありますが、新型コロナでは、感染者数以外にも医療逼迫(ひっぱく)など考慮すべき指標があることから、現時点では指標は設けません。ただ、流行状況を判断する目安として「第8波」が始まった昨年10月以降の定点1医療機関当たりの患者数と比較できるようにします。

 重症者や入院者数は全医療機関からの報告をもとに毎週金曜日に公表します。

 移行後は毎日の都道府県ごとの死者数の公表も原則終えます。以降は、一部自治体から死者数のデータを先に集め、例年と比べてどれほど増えたかをみる「超過死亡」を1カ月以内に公表します。初回の公表は6月9日を予定しています。「人口動態調査」を用いて情報を集め、2カ月後に総死亡者数、5カ月後に死因別死亡者数を把握します。

 2023年4月28日(金)

🟩ALS患者に「遺伝子薬」投与 自治医科大が「国内初」治験

 全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病「筋委縮性側索硬化症(ALS)」の症状の進行を抑えようと、患者に遺伝子を投与する治験が自治医科大学附属病院で始まりました。遺伝子治療でALS患者への投与が行われるのは国内で初めてで、治療法としての確立を目指したいとしています。

 ALSは筋肉を動かす運動神経が壊れて全身が徐々に動かなくなる難病で、国内に患者は約1万人おり、遺伝性と遺伝性ではない「孤発性」に大別されます。9割超を占める孤発性は脊髄や脳の運動神経にある「ADAR2」という酵素が減り、これが発症原因の一つとされます。

 自治医科大学は、酵素を作る働きがある遺伝子を入れた「遺伝子薬」を使いました。遺伝子の「運び役」にアデノ随伴ウイルスという無害なウイルスを活用し、カテーテルで脊髄周辺に投与。神経細胞内で遺伝子を働かせ、減った酵素を補うことで症状進行を抑えます。

 研究チームは3月、発症2年以内の50歳代の男性患者に遺伝子薬を投与しました。計画では、この男性を含め孤発性のALS患者計6人の治験を行い、約半年かけて安全性や効果を調べます。

 既存薬は、症状の進行を数カ月遅らせる効果しかありません。一方、遺伝子薬は効果がより持続し、症状の進行を止める可能性もあり、同大の森田光哉教授(脳神経内科)は「ALSにはなかなか有効な治療法がないので、少しでも神経の細胞死を抑制できればよりよい治療法につながるのではないか」と話しています。

 患者団体も期待しており、妻が患者でもある岸川忠彦・日本ALS協会事務局長は「症状が日々進む患者はわらにもすがる思いで成果を待っている」と訴えています。

 2023年4月28日(金)

2023/04/27

🟩エタノール蒸気吸入でインフルエンザ感染抑制 新型コロナにも期待、沖縄科技大

 沖縄科学技術大学院大学の新竹積教授と石川裕規准教授の研究チームがこのほど、低濃度のエタノール蒸気吸入でA型インフルエンザウイルスを不活性化する実験に成功しました。新型コロナウイルスなど類似のウイルス性感染症にも有効であるとの見方を示しています。実験はマウスを用いており、今後は人体にも同様の効果を発揮できるか検証するとしています。

 エタノールは体の表面の殺菌効果が知られている一方で、体内で同様の効果があるかを調べる研究はされてこなかったといいます。

 A型インフルエンザウイルスは、エンベロープと呼ばれる脂質性の膜に包まれています。エタノールはこの膜を溶かす作用があり、膜が壊れるとウイルスは感染力を失います。

 液体のエタノールを肺や気管に届けることはできないため、研究チームは蒸気にして吸入するアイデアを考案。A型インフルエンザに感染したマウスで実験して効果を確かめました。マウスに1日2回、10分間、エタノールの蒸気を吸入させたところ、感染から14日後に89%が生存し、ただの水蒸気を吸わせたマウスの37%に比べて、生存率が高くなりました。

 吸入させたのはエタノール4%の蒸気で、肺や気管の細胞の表面を覆う液体に達すると20%程度に濃縮され、ウイルスを不活化するのに十分な効果を発揮したと考えられるといいます。細胞表面に集まったウイルスのエンベロープをエタノールが破壊し、感染力を失わせて致死的な症状を抑えたとみられます。

 新竹教授は「世界的流行の新型コロナウイルスやRSウイルスもエンベロープを持っているため、不変的な効果や治療できる未来があるのではないか」と強調し、鳥インフルエンザなど呼吸器感染症の対策へも期待をみせました。石川准教授も「汎用(はんよう)性が高い治療法となると考えている」と語りました。

 今後は人体への効果や安全性への評価などを図るための臨床研究を進めます。人の場合はぜんそくなどの薬液を霧状にして吸入する「ネブライザー」を使う方法が考えられますが、アルコールにアレルギーがある人は吸入できないほか、吸入後は血中アルコール濃度が一時的に上昇するため、車を運転できない可能性があります。

 研究成果は27日、アメリカの科学誌「ジャーナル・オブ・インフェクティアス・ディジージス」に掲載されました。

 ただ、消毒用エタノールは可燃性で、引火や爆発の危険性があるため、加湿器に入れて室内に噴霧する個人の判断によるエタノール吸入療法は絶対にやめてほしいと、研究チームは呼び掛けています。

 2023年4月27日(木)

🟩広島大、アレルギーの原因物質を除去した卵の作製に成功 ゲノム編集で遺伝子改変

 遺伝子を狙い通りに改変するゲノム編集技術を使い、卵アレルギーの主な原因となるタンパク質を取り除いた鶏卵を作ることに成功したと、広島大やキユーピーの研究チームが26日、発表しました。遺伝子を改変した影響による卵の異常は確認されなかったといい、さらに安全性を確かめる研究を進めて商品化を目指します。

 研究チームは、鶏卵に含まれるアレルギーの原因物質のうち、白身に含まれ、加工しても除去できない「オボムコイド」というタンパク質に着目。ゲノム編集技術を使い、オボムコイドが鶏卵に蓄積するのにかかわる遺伝子を働かなくした鶏を作りました。

 その鶏が産んだ卵を調べると、オボムコイドは含まれておらず、ゲノム編集により予想される変異タンパク質も含まれていませんでした。

 また、ゲノム編集による別の遺伝子の挿入や、ほかの遺伝子への影響も全く見られず、世界で初めてその安全性を確認できました。

 今後は、ゲノム編集による鶏卵成分に対する影響や、試作品(加工食品)にした場合の評価や安全性を実施していく予定といいます。

 2023年4月27日(木)

🟩新型コロナの5類移行を正式決定 厚労省、5月8日から

 厚生労働省は27日午前、厚生科学審議会(厚労相の諮問機関)の感染症部会を開き、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを大型連休明けの5月8日に、現在の危険度の高い「2類相当」から季節性インフルエンザ並みの「5類」に引き下げることを了承しました。それを受け、加藤勝信厚労相は同日、予定通りの移行を正式に決めました。

 加藤厚労相は部会後の記者会見で、「感染状況は足元では増加傾向だが、病床使用率などは全国的に低水準にある。また、オミクロン型と大きく病原性(重篤度)が異なる変異型が出現するといった特段の事情も生じていないことが確認された」と、決定の理由を述べました。

 その上で、「コロナは行政がさまざまな要請や関与をするこれまでの仕組みから、個人の選択を尊重し、国民の自主的な取り組みが基本となる。今後着実に移行を進めたい」と語りました。

 この日の感染症部会では、各都道府県で5類への移行に向けた計画策定が進み、医療提供体制に関しても全国で約9割の医療機関が入院患者を受け入れる見通しが立ったことなどが報告されました。その上で、感染症の専門家から最終の意見聴取が行われ、予定通り移行しても構わないと最終判断しました。

 一方、政府は5類移行を巡り、コロナ対策の水際措置を大型連休が始まる4月29日午前0時をもって終了する方向で調整を進めています。当初は5類への移行日に合わせる方針だったものの、連休で海外との往来が増え、各地の空港などが混雑するのに対応するため、前倒しします。

 現在は日本人も含めてすべての海外からの入国者に対し、出国前72時間以内の陰性証明か、ワクチン3回接種証明の提示を求めているものの、29日午前0時から不要とします。

 2023年4月27日(木)

🟪糖尿病患者は熱中症高リスク 名工大解析「早めの対策を」

 名古屋工業大の研究チームは8日、糖尿病患者は糖尿病でない人に比べて熱中症になるリスクが約1・4倍とする全国の保険診療の明細(レセプト)による解析結果を発表しました。熱中症の搬送件数が増加傾向にある中、効果的な対策立案に役立つとしています。  糖尿病患者は発汗しづらく、体温調節...